総合アレルギ-科(呼吸器・感染症、皮膚科・眼科を含む)
<アレルギー内科の将来展望>
喘息は「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴づけられる疾患」(喘息予防・管理ガイドライン2015)と定義されています。
慢性炎症に関する多彩な知見がガイドラインの定義に反映されるのは将来の課題です。
喘息になる要因は、アレルギー体質と生活環境におけるチリダニをはじめとする喘息の原因物質(抗原)への暴露が挙げられています。
最近では2型自然リンパ球が発見され、Th2の機能亢進病態とTh2機能亢進のない病態に分類されています。
難治性喘息の中には好中球が主役を演じるサブタイプがあり、IL-17を大量に産生するTh17細胞の存在が明らかとなりました。
この細胞は、すでに関節リウマチに関与することが示唆されています。
また樹状細胞を介してTh2細胞を誘導するTSLP分子が、特に重症喘息群の氣道上皮で強く発現していることが確認されました。
以上の専門的な発見以上に重要なのは、喘息治療の決め手となる吸入薬をはじめとする薬剤を、どれだけきちんと使用しているか、という点に関して、ぜんそく治療薬は他の慢性疾患治療薬より成績が不良である点であると思います。
気管支喘息の患者さんの一般的傾向として、治療により症状が軽快すると、自己判断で治療を中断してしまうことがあります。
ぜんそく患者さんは性格・環境・習慣病であり、どのような性格かというと、医師の忠告を「気管支(聴かんし)喘息」という冗談をいって、ぜんそく患者さんの苦笑をいただくことがあります。
「その通りです。否定できません。」と回答する患者さんが多いのも事実です。
近年、喘息の経過に影響する修飾因子への学術的関心が高まっています。
その中で、喫煙、肥満、アスピリン喘息、アレルギー性鼻炎合併喘息、高齢ぜんそく患者の認知症、慢性閉塞性肺疾患合併喘息などは、盛んに議論されているし、高円寺南診療所の臨床研究テーマでもあります。
具体的には、まず禁煙、そして水氣道®などの有酸素運動による減量、それからアレルギー性鼻炎の積極的治療等で、すでに喘息の治療成績は確実な向上を示しております。
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