内分泌・代謝・栄養の病気
<高尿酸血症・痛風>
高円寺南診療所でお馴染みの病気の一つが痛風、そしてその基礎病態である高尿酸血症です。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン2010の改定では、高尿酸血症・痛風を生活習慣病に位置付けました。
それに伴い、血清尿酸血は7.0mg/ⅾL以下であっても、値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなるため、
特に女性では潜在疾患の検査と生活指導が勧められること、尿路結石や慢性腎臓病(CKD)などの腎障害やメタボリックシンドロームとの関連、
血清尿酸値は高血圧発症の予測因子であることが明記されました。
高尿酸血症の病態は、尿酸産生過剰型、尿酸排泄低下型、混合型に分類されますが、
尿酸の腸管排泄低下を組み込んで、従来の尿酸産生過剰型を(真の)尿酸産生過剰型と腎外排泄低下型に分けるようになってきました。
痛風の治療に対しては、痛風関節炎の他に痛風結節が追加されました。
尿酸の病態意義は、依然不明な点が残るものの、メタボリックシンドロームやその構成因子である脂質異常症は高尿酸血症患者に高頻度に見られます。
したがって、食事・運動療法や生活習慣の改善が治療の基本ですが、
過度の食事療法による急激な体重減少や強い負荷の運動は血清尿酸値の上昇や痛風発作を誘発するため、緩徐な導入を推奨しています。
薬物療法としては、新規の尿酸生成酵素(キサンチンオキシダーゼ)阻害薬で、
世界初の非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬であるフェブキソスタットおよびとピロキソスタットが使用可能となりました。
フェブロキソスタットの特徴は、
①血清尿酸血を低下させる作用が強く、治療目標とする6mg/ⅾLまで確実に下げられる、
②胆汁排泄型であるため腎・肝機能低下症例でも投与量の調整が原則不要である、
③腫瘍崩壊症候群の原因の一つに数えられている、がん化学療法に伴う高尿酸血症への適応がある、これらは大きなメリットです。
また、トピロキソスタットは、腎機能低下例での投与量調整が原則不要です。
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