第2週:循環器・腎臓病 10月11日(金)脳心血管病予防のための血圧管理(管理目標を中心に)

5) 降圧薬の選択と降圧治療の最終目標

 

高血圧治療の最大の目的は、脳心血管病予防です。この中には、脳卒中や心筋梗塞だけでなく、生活機能に影響する心不全や末期腎不全も含まれています。

 

服薬継続はこの目的達成に必須です。しかし、そのためには、患者自身の治療目的の理解、認知機能の把握や服薬指導が重要です。

 

中年期からの降圧治療は認知症の予防のために有益です。そして、高齢者になってからの治療の有用性も確立しています。その一方で、高齢者は多病であり、循環動態においても多様性が大きいという特徴があります。
そのため、合併症の存在に応じた降圧剤の厳格化が必要と考えられる場合もあれば、厳格な降圧によって腎機能障害等の危険度が増す場合もあります。ですから、一律に厳格な降圧を目指すのではなく、フレイルの程度、認知機能、QOLならびに服薬管理能力等の個々の事情を勘案して個別の目標を立てる必要があります。

 

高血圧治療率と適切な管理率の向上とともに、高血圧発症予防がますます求められるところです。杉並国際クリニックの事業として継続している水氣道®ならびに聖楽院での聖楽療法が、高血圧の予防から管理、脳心血管病予防さらには健康寿命の延長に大きく貢献していることを、これまで以上に明確に示していきたいところです。

 

<脳心血管病予防のための血圧管理(完)>