もう少しツボの世界を見ていきましょう。

 

 

今回は「中脘(ちゅうかん)」です。

 

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場所は、みぞおちから臍までを真っ直ぐ下に結んだ線の中央です。

 

 

「胃痛」「腹痛」「胃痙攣」「胃下垂」「消化不良」「下痢」「便秘」等に効果があります。

 

 

私もよく使うツボです。

 

 

<参考文献>

このツボが効く 先人に学ぶ75名穴       谷田伸治 

 

 

経穴マップ イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼      監修  森 和

                                      著者  王 暁明・金原正幸・中澤寛元 

 

 

高円寺南診療所 統合医療部 漢方鍼灸医学科 鍼灸師 坂本光昭

機能性ディスペプシア(FD)のほとんどは日本では慢性胃炎と診断されてきました。

 

欧米では内視鏡検査などで潰瘍を認めない患者で、胃もたれ、胃痛などを訴える場合non-ulcer dyspepsia(NUD)「潰瘍を伴わない消化不良」という診断名が用いられてきました。

 

これは臨床的には症状を伴う慢性胃炎に相当します。最近ではこのNUDが機能性ディスペプシア(FDと訳されるようになってきました。

 

 

この病気は、典型的な消化器心身症です。つまり、心療内科専門医にとっては中心的な対象疾患の一つです。つまり、高円寺南診療所の心療内科が専門的に対応する病気の一つです。

 

残念ながら、いまだに、心療内科と精神科を混同している方が多いのですが、この病気の解説を読んでいただければ、理解の助けになるのではないかと期待しております。

 

 

2016年Rome委員会より改訂RomeⅣが発表され、機能性消化管障害の分類と取扱いが注目されています。

 

診断基準は、つらいと感じる症状によります。

 

①食後のもたれ感、②早期飽満感、③心窩部痛、④心窩部灼熱感、

 

これらのうち1つ、または2つがあり、かつ器質的疾患を認めないものをFDとしました。

 

 

FDの原因として、心理的ストレスや物理的ストレスが考えられています。

 

そして胃の症状と心理的症状が複雑に絡み合ってFDの症状を呈しているとされています。

 

すなわち、本症例では、消化管症状の他に、全身倦怠感、冷え、立ちくらみ、背部痛、肩こりなど種々の症状を訴えることが多いです。

 

 

治療の基本は、食事時間やその内容の確認に始まります。

 

水氣道®などの適切な運動など生活習慣全般の改善を指導します。

 

これで改善がみられない場合は、初期治療(消化管運動機能改善薬:エビデンスレベルA)、さらに症例によっては二次的治療(漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬)を行います。

 

高円寺南診療所では、漢方薬を二次的治療ではなく、一次的治療の段階で処方しています。

 

 

治療成績では42~43%でプラシーボ効果が見られ、心理的要因が非常に大きいことが明らかです。

 

またその病原機序の一つとして、胃運動機能障害が報告されています。

 

機能性ディスペプシアの診断基準(RomeⅣ、2016

 

 

警告徴候(体重減少、嘔吐など)を示すFDにおいて、内視鏡的に胃炎を認める場合はH.pyloriの診断と治療を行います。

 

除菌後に症状が改善するものをH.pylori関連ディスペプシアと診断します。全FDの10%を占めています。

 

参照:機能性消化管疾患診療ガイドライン2014-機能性ディスペプシア(FD)(日本消化器病学会、2014

気管支喘息は、内科系アレルギー専門医が扱っている代表的な病気です。

 

ですから高円寺南診療所では、気管支喘息の治療を受けている患者さんが多いです。

 

気管支喘息の患者さんには、失礼な表現に当たるかもしれませんが、

 

私は、喘息は、典型的な性格・環境・習慣病の一つであると思っています。

 

喘息患者さんに多い性格は、治療アドヒアランスが低いことに繋がっています。

 

つまり、発作が治まると勝手に自己判断で治療を中断してしまう方が少なくないことが医学界でも問題になっています。

 

治療コントロールが不十分であると気道リモデリングにつながる可能性があることを説明するときに、「医者の説明キカンシ(聴かんし、気管支)喘息」という敢えて印象的な表現を用いることもあります。

 

とくに、喫煙者には嫌われることを承知の上で禁煙をお勧めしています。

 

 

さて、気管支喘息は、①気道の慢性炎症、②可逆的な気管支閉塞、③気道過敏性を特徴とします。

 

 

①気道炎症が持続して炎症が慢性化すると、気道の構造が変化(リモデリング)します。これをリモデリングといいます。すると、②気道閉塞の可逆性が失われ呼吸障害が持続性になってしまいます。

 

このように、気管支喘息の基本病態は、気道の慢性炎症です。

 

したがって、気道に炎症をもたらす原因の回避・除去が最も基本的な戦術であり、それに加えて気道に対する抗炎症療法が重要になります。具体的には吸入ステロイドを用います。

 

2017年に吸入ステロイドであるフルチカゾンフランカルボン酸エステル(アニュイティ®)が承認されました。

 

吸入ステロイド(ICS)と長時間作用性β₂刺激薬(LABA)の配合剤(ICS/LABA)が気管支喘息の治療に広く用いられ、現在4剤が使用可能です。高円寺南診療所では、これらのうち、アドエア®とシムビコート®の2剤のいずれかを処方することが多いです。

 

この領域の発展は顕著です。2016年に長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるチオトロピウム(スピリーバレスピマット®)の適応が重症喘息からあらゆる喘息へ拡大されました。

 

分子標的治療薬として、抗IgE抗体であるオマリズマブ(ゾレア®)と、好酸球性重症喘息患者に使用が推奨されているヒト化抗IL-%モノクローナル抗体、メポリズマブ(ヌーカラ®)が喘息の治療に使用可能です。

 

 

参照:喘息予防・管理ガイドライン2015(日本アレルギー学会)

認知症とは、一度正常に発達した知的機能が、後天的な脳の機能障害によって、持続的に低下することです。そして、それにともない日常生活、社会生活を営めない状態です。

 

 

さて、認知症の必須条件は、

①記憶障害、② 実行機能障害・失行・失認・失語など記憶以外の認知障害が少なくとも一つあること、③ 認知障害が病前の機能水準から著しく低下すること

 

 

いかがでしょうか。高円寺南診療所に通院してさらに水氣道や聖楽院の活動に参加している皆様は、社会生活を営めているので認知症は免れていることに確認できたことでしょう。

 

また、仮にその傾向が出現したとしても、早めに発見できるので早目の適切な対応が可能なので安心していただけるものと思います。

 

 

認知症の大半を占めるものには、変性によるものと、(脳)血管病変によるもの、それから両者の混合も見られます。前者の代表がアルツハイマー型認知症(広義のアルツハイマー病、以下AD)です。

 

 

ADは脳組織の老人斑と神経原線維変化が特徴です。それぞれアミロイドβ(Aβ)やリン酸化タウが過剰に沈着することが原因とされています。

 

 

ADの症状は、中核症状と周辺症状とに分けられます。

 

中核症状として、

 

①記憶障害、②遂行機能障害、③視空間認知障害、④言語障害、⑤人格変化・行動障害などがあります。

 

 

周辺症状として、

抑うつ、幻覚・妄想などの精神症状と、徘徊、暴言、暴力などの問題行動などの問題行動があり、認知症の行動・心理症状(BPSDと呼ばれます。

 

 

治療戦略としては、中核症状の改善、周辺症状の改善、これらに加えて病変の進行の抑制があります。

 

認知症高齢者での多剤併用は避けます。BPSDに対しては介護指導や療養環境調整などの非薬物的対応を優先するのが原則です。

 

しかし、幻覚・妄想、焦燥、攻撃性がある場合には薬物療法が必要な場合もあります。

 

抗認知症薬を検討しますが、効果が無い場合は漢方薬の抑肝散(ヨクカンサン)⇒気分調整薬⇒抗精神病薬などが適宜用いられています。

 

 

神経内科専門医の中にも東洋医学や漢方に偏見をもっている方が、残念ながらいます。

 

しかし、高円寺南診療所で抑肝散を処方することを非難する専門医は、現段階では存在しないと思います。

 

 

中等度以上のアルツハイマー型認知症には、コリンエステラーゼ阻害薬、メマンチン塩酸塩(メマリー®)、または両者の併用が推奨されています。

 

レビー小体型認知症には、ドネペジル塩酸塩(アリセプト®)が推奨されています。

 

 

抗認知症薬による治療の目的は、病状の進行を遅らせることにあります。

 

したがって、症状が悪化しなければ、薬が効いている証拠となります。

 

抗認知症薬は増量計画が添付文書で示されています。

 

増量が病状の悪化のためではないこと、増量時に悪心、下痢や眠気に加えて、興奮などの副作用も出現する可能性があることを患者さん本人やご家族に説明するようにしています。

 

参照:認知症疾患診療ガイドライン2017(日本神経学会)

 

 

<速報>

血液を使いアルツハイマー病と関係の深い異常たんぱく質「アミロイドベータ」(Aβ)が脳に蓄積していることを発症前に見つける手法を確立したと、国立長寿医療研究センターと島津製作所などのチームが本日、英科学誌ネイチャーで報告されます。

 

 今回開発された手法は、2002年ノーベル化学賞者田中耕一博士の質量分析技術を活用し、アルツハイマー病を「超早期に診断」する技術となる可能性があります。研究チームの金子直樹・島津製作所田中耕一記念質量分析研究所主任によると、今回の技術は血液中から「アミロイドベータ」(Aβ)に関連するペプチドを検出します。このペプチドは複数あって、それぞれ質量が微妙に違います。この特徴を利用し質量分析技術で異なるペプチドを正確に見分けるというものです。【朝日新聞Digitalより】

曜日ごとの、連絡委員会が発足しました。

 

連絡委員の主任が決まりましたので報告いたします。

 

連絡委員は、主任(任期1年)、副主任(任期6か月)、副主任補(任期3か月)

の3名体制です。

 

ご意見、ご要望があれば気軽に声をかけて下さい。

 

 

主任の曜日と主な稽古場所、時間です。

 

 

月曜日:

杉十小温水プール、午後3時~5時

 

上井草スポーツセンター、午後1時~3時

 

 

担当:大塚健輔

 

 

 

火曜日:

ハイジア(ウェルネスエイジ)、午後2時30分~4時

 

 

担当:加藤博文

 

 

 

水曜日:

杉十小温水プール、午前9時~11時

 

藤村水泳教室、午前9時30分~11時

 

ハイジア(ウェルネスエイジ)、午前9時~10時

 

 

担当;林亮博

 

 

 

金曜日:

大宮前体育館 温水プール、午前9時~11時

 

 

担当:金澤克彦

 

 

 

土曜日:

ハイジア(ウェルネスエイジ)、午後3時30分~5時

 

 

担当:中川良子