体を動かしたときにだんだん息が苦しくなり、咳や痰が慢性的に続いているという方へ。
もし、あなたやあなたの身近な家族や同僚が喫煙者であったとするならば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を疑ってみる必要があります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙を主とする有害物質への長期に亘る吸入暴露によって生じる肺の炎症性疾患です。
呼吸機能検査で、完全には可逆的ではない気流閉塞を示します。
非薬物療法としては、まず、禁煙!!!
インフルエンザワクチンや肺炎ワクチンの接種!!
身体活動性向上の指導、呼吸リハビリテーション、必要に応じて酸素療法を行う!
これらが標準的です。
しかし、高円寺南診療所に通院することになったCOPD患者さんのほとんどが、それまで禁煙を実行せぬまま前医で薬物療法のみを続けていました。
薬の種類や量が増えても、一向に良くなるどころかかえって呼吸困難がひどくなってきたので、それを見かねたご家族や職場の同僚の勧めにより、やむなく高円寺南診療所受診に繋がったという経緯が多いです。
禁煙を実行し、ワクチンを接種し、水氣道®を始めていただくと見違えるように元気になります。
薬を徐々に減らしているにもかかわらず明らかな改善に本人も紹介者も驚いているという例は枚挙に暇がありません。
それでも、重症化した方には薬物療法の併用が不可欠です。
COPDに対して、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)とLABAとの配合剤(LAMA/LABA)が2013~2015年で3剤承認され、ICS/LABAよりCOPDの増悪抑制効果が優れるとされています。
そして、asthma-COPD overlap(ACO)はICS,LABA,LAMAの3剤による治療を基本とします。
COPD診断と治療のためのガイドライン第4版(日本呼吸器学会、2013)
GOLD 2017 Global Strategy for the Diagnosis,Management and Prevention of Prevention of COPD(http://goldcopd.org/)