日々の臨床 8月10日木曜日<鑑別困難な膠原病、その1>

呼吸器 / 感染症 / 免疫・アレルギー・膠原病

 

<鑑別困難な膠原病>その1

 

 

膠原病は、何らかの自己免疫反応により(病因論的)、

 

全身に分布する結合組織を中心に炎症が生じ(病理学的)、

 

多臓器が障害される全身性炎症性疾患(臨床的・症候学的)の総称です。

 

経過は慢性的で、増悪と寛解を繰り返すことが多いです。

 

 

膠原病は、このように臨床的(症候学的)にはリウマチ性疾患、

 

病因論的には自己免疫疾患、病理学的には結合組織疾患という3側面を併せ持つ症候群です。

 

 

わが国で、<リウマチ性疾患>とは、

 

多関節炎など関節・骨格・筋の疼痛を主訴とする疾患を指しますが、

 

欧米では<結合組織疾患>という名称が一般的です。

 

 

<原因についての悩み>膠原病に係る多くの疾患で病因や発生機序は未解決です。

 

多くの臓器特異的自己免疫疾患では、疾患特異的な自己抗体が病態形成に直接寄与しています。

 

しかし、膠原病の病態においての自己抗体の意義は十分には解明されていません。

 

 

<どのような症状で膠原病を疑うのか>

 

発熱の主要要因を取り除いた後も、原因不明の発熱が続き、

 

さらに多臓器障害の症状(皮膚症状、関節症状、レイノー現象、筋症状)がみられる場合には、膠原病を疑います。

 

 

 

次回、具体的なケースを提示します。