企業の衛生委員会における産業医の「衛生講話」②

 

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第1回:オリエンテーション:企業の衛生委員会とは

 

社内の(安全)衛生に関する計画や報告を審議する場

 

年間活動計画の審議については、骨子を事業者側で作成し、委員会で承認するスタイルが多いようです。その際、「衛生委員会の議事録」は毎回作らなければなりません。
そして、衛生委員会では下記のような内容を優先順位にしたがって報告、審議していきます。


• 災害報告(労災発生事例の共有)


• 職場のヒヤリハット事例報告


• ケガや病気の報告


• 休職者の報告


• 前回の指摘からの改善報告


• 長時間労働の状況の報告と対応についての協議


• 健康診断実施状況や結果の報告、共有


• ストレスチェック実施計画の審議


• ストレスチェックの実施状況や組織分析結果の報告


• 前回の指摘からの改善報告


• 産業医からの衛生講話※(5分~10分程度)

 

 

産業医からの衛生講話とは、産業医が、健康管理や衛生管理を目的に、社員に向けて実施する研修のことです。

 

これは、企業の希望に応じて行うもので、頻度・開催方法などが法に定められているものではなく、健康教育の一環として企業・組織の自発的な要望により開催されるものです。

 

一般的に、衛生委員会はあくまで企業主導で行うべきものです。

産業医が年間スケジュールや、議事録の作成などを行う必要はありません。
ただし、何もしない産業医は、俗に「名義貸し産業医」と呼ばれます。


わたしは、議事録に目をとして確認し、コメント欄に記載して、記名捺印をさせていただいています。


企業の都合で、そのような形ばかりの産業医の登録が、労基署に指摘されれば安全配慮義務違反に問われる可能性もあります。


基本的には企業が安全衛生委員会を開催し、産業医は議題についてアドバイスや意見を述べる立場となります。

 

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