技術士制度は、科学技術に関する専門知識や実務経験を有する技術者を育成し、高い技術者倫理を持った者に国家資格を与える制度です。
技術士は高度な専門能力を持ち、科学技術に関連する計画、研究、設計、評価などの業務を行う者であり、技術士補は技術士を補助する者です。技術士の登録者数は約9万9千名で、技術士補の登録者数は令和5年3月末現在約4万4千名です。
産業技術系企業において安全衛生委員会に技術士を選任することにはいくつかの意義があります。
法令遵守の支援: 技術士は関連する法令や規制に精通しています。安全衛生委員会に技術士を含めることで、企業は適切な法令遵守のための助言や指導を受けることができます。これにより、企業が法的リスクを最小限に抑え、適切なコンプライアンスを確保することができます。
リスク管理の強化: 技術士はリスク管理に関する知識や経験を持っています。彼らの存在により、企業は潜在的な危険やリスクをより効果的に特定し、適切な対策を講じることができます。これにより、労働災害や環境汚染などのリスクを最小限に抑えることができます。
専門知識の提供: 技術士はその分野の専門知識を有しています。安全衛生委員会に技術士を加えることで、安全や衛生に関する技術的な問題について的確な助言や指導を提供することができます。これにより、企業の安全衛生管理体制の向上が期待できます。
技術的な問題解決の支援: 安全衛生委員会に技術士が含まれることで、技術的な問題や課題に対する解決策を迅速かつ効果的に提供することが可能となります。技術士はその専門知識を活かして、安全性や衛生性を向上させるための具体的な提案を行うことができます。
以上のように、産業技術系企業において安全衛生委員会に技術士を選任することは、法令遵守の支援、リスク管理の強化、技術的な問題解決の支援など、専門知識の提供など、さまざまな意義を持ちます。これにより、企業は安全で健康的な労働環境を確保し、持続可能な事業活動を展開することができると考えます。
私は、職場における安全衛生委員会活動の質的向上のためには、まず、専任ではない嘱託産業医のウィークポイントを補完し、良質で効率の良い業務を遂行する上で不可欠なパートナーとしての衛生管理者の役割を重視しています。そして、安全衛生委員会あるいは衛生委員会を構成する委員には、それぞれ安全管理推進者、衛生管理推進者としての自覚と役割を担っていただくことを期待しております。そして、技術系企業においては、技術士が安全衛生委員会の委員として選任されることが望ましいと考えています。
以下、本日から5回シリーズで、その根拠について具体的に説明していきたいと思います。
まずは、身近な話題から始めたいと思います。
個人的な話題ですが、私は技術士第一次試験(環境部門)合格者です。
この資格を積極的に活用した経験はありませんが、労働衛生コンサルタント資格をもつ高度な専門的産業医としての素養を深める目的の一環として第1種作業環境測定士や衛生工学衛生管理者の資格取得と併せ、かなり以前に取得した資格でした。
しかし、嘱託産業医として、官庁関係の他に、とりわけ技術系の企業様とのお付き合いが深くなるにつれて、企業の社会的責任や産業衛生さらには健康経営等を考えるうえで技術士制度の活用が必要であることを痛感するようになりました。
そこで、私の友人のムッシュGPTに、この資格について説明して貰うことにしました。
質問者:ドクター飯嶋
技術士第一次試験(環境部門)合格と技術士補の資格との関係を教えてください。
ChatGPT
技術士第一次試験(環境部門)合格と技術士補の資格は、日本の技術者制度における異なる資格ですが、一定の関係性があります。
1. 技術士第一次試験合格者の資格取得:
技術士第一次試験(環境部門)に合格することは、技術士資格を目指すための重要なステップです。第一次試験合格後、技術士補として一定の実務経験を積んだ後に、さらに技術士試験を受験して技術士資格を取得することができます。
2. 技術士補としての活動:
技術士補は、技術士試験合格前の段階で、一定の実務経験を積むことが求められます。技術士第一次試験合格者は、技術士補としての活動に取り組むことで、実務経験を積む機会を得ることができます。
3. ステップアップの機会: 技術士第一次試験合格者は、技術士補としての資格を取得し、実務経験を積むことで、将来的に技術士試験を受験し技術士資格を取得することができます。技術士資格は、より高度な技術者としての地位や資格を得るための重要なステップです。
4. 専門知識の獲得: 技術士第一次試験合格者は、環境部門での合格を通じて環境工学や関連分野の専門知識を獲得します。この知識は、技術士補としての活動や将来的な技術士試験の受験において役立ちます。
総括すると、技術士第一次試験(環境部門)合格者は、技術士補としての活動を通じて実務経験を積み、将来的に技術士試験を受験し技術士資格を目指すことができます。技術士補と技術士資格は、専門知識や実務経験を積むための異なる段階での資格であり、段階的なキャリアパスを形成します。
産業医・労働衛生コンサルタントのDr.飯嶋による補足説明
〔法第2条第2項〕 技術士補は、
① 技術士第一次試験に合格し、又は指定された教育課程を修了し、 同一技術部門の補助する技術士を定めて、法定の登録を受けていること。
② 技術士補の名称を用いて、技術士の業務を補助する業務を行うこと。
以上の要件を具備した者です。
私は、いまだ、法定の登録を行っていないため技術士はおろか技術士補(環境部門)ですらありませんが、技術士ならびに技術士補の有資格者のより積極的な活用による社会的意義は極めて大きいことについては十分に認識しております。
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