金曜シリーズ < よくある問い合わせ ⑮ >

 

前回はこちら

 

 

前回の3月8日テーマは、飲酒以外の肝機能障害の原因についてでした。これらは、まとめて<非アルコール性肝障害>と呼ばれることがあります。


そして、飲酒による肝臓障害の緩和という目的のためにサプリメントを活用することの是非については、クリニックの外来診療でこれまでもしばしば質問を受けてきました。産業医として定期的に訪問している企業でも話題になりました。

 

質問者:(L社衛生委員会議長)

私は週に5回飲酒するためか、職場の健康診断で肝機能障害を指摘されました。

そこで、サプリメントをはじめました。使用によるメリットとデメリットや使用上の注意点について教えてください。

 


ChatGPT

飲酒が肝機能に影響を与えている場合、サプリメントの使用はそのサポートになることがありますが、一方で注意が必要です。

 

以下に、サプリメントの使用に関するメリット、デメリット、および注意点を示しますが、これはあくまで一般的な情報であり、具体的な状況によっては医師と相談することが重要です。

 


メリット:

1. 抗酸化作用:

一部のサプリメントには抗酸化作用があり、これは肝臓の細胞を酸化ストレスから保護する助けとなる可能性があります。


2. ビタミンやミネラルの補充: 肝臓の正常な機能にはビタミンやミネラルが必要です。特に、ビタミンB群、ビタミンE、セレンなどが肝臓の健康に寄与することが知られています。


3. 脂肪肝対策: 特定の脂肪肝に効果的な成分も含まれるサプリメントがあります。

 

デメリット:

1. 相互作用:

サプリメントと他の薬物や医療処方薬との相互作用に注意が必要です。医師に使用中のサプリメントを報告することが大切です。


2. 過剰摂取のリスク:

一部のビタミンやミネラルは過剰摂取による健康リスクがあるため、適切な摂取量を守ることが重要です。

 

使用上の注意点:

1. 医師と相談:

サプリメントの導入や変更を考える際には、必ず医師と相談してください。個々の健康状態や既存の薬物との相互作用を考慮する必要があります。


2. 適切な摂取量:

サプリメントの摂取量は製品によって異なります。製品のラベルや医師の指示に従って正確な摂取量を守ってください。


3. 定期的なモニタリング:

サプリメントを使用している場合でも、定期的な健康診断や医師のフォローアップが重要です。効果や健康状態の変化をモニタリングすることができます。


サプリメントの使用はあくまで補完的なものであり、健康的な生活習慣と医師の指導に依存します。

飲酒習慣の改善も含め、総合的なアプローチが肝機能の改善につながる可能性があります。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
以上のようにムッシュGPTは回答してくれましたが、質問者がサプリメントというものをどのように理解しているかを事前に把握しておかないと、適切で説得力ある回答は期待できないと思います。


もし、サプリメントの正しい理解があれば、上記の使用上の注意点の3か条は正しく実行されるはずだからです。


そこで、この点に関して、私自身の問題意識をムッシュGPTに向けてみることにしました。

 

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質問者(インタヴューアー):ドクター飯嶋
サプリメントとは本来どのようなものですか?日本では多くの人々が正しい意味を理解せずに勝手な思い込みや都合の良い解釈をして、過剰な期待をしていることが懸念されます。

 


ChatGPT
サプリメント(サプリメントメント)は、主に栄養素やその他の成分を摂取し、健康をサポートするための食品の一種です。

 

これらは通常、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸、ハーブ、またはその他の植物由来の成分など、栄養補給を目的としています。サプリメントは食事と一緒に摂取され、食事だけでは不足する栄養素を補完することが期待されます。


サプリメントの主な目的は、栄養不足を補うこと、特定の栄養素の摂取を増加させること、または健康維持や特定の健康上の目標をサポートすることです。

ただし、これらは食事や生活習慣の代替手段ではなく、補完的なものとして利用されるべきです。


一般的なサプリメントの種類には、次のようなものがあります:


1. ビタミンとミネラルサプリメント:

例えば、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛など。


2. アミノ酸サプリメント:

特定のアミノ酸、たんぱく質補給のためのサプリメント。


3. 脂肪酸サプリメント:

オメガ-3脂肪酸など。


4. ハーブや植物由来のサプリメント:

例えば、カプサイシン(唐辛子由来)、エキナセア(免疫サポート)など。


5. 特定の目標に合わせたサプリメント:

関節の健康、脳機能のサポート、エネルギー向上などのためのサプリメント。

 

日本でもサプリメントは一般的に利用されていますが、懸念されるのは、サプリメントに対する勝手な期待や誤解が広まることです。

 

サプリメントはバランスの取れた食事と健康的な生活習慣の補完としてのみ利用されるべきであり、過剰な摂取や栄養不足の代替手段としてではありません。

 

また、個々の健康状態や医師の指示に基づいて選択することが重要です。

 

 

ドクター飯嶋のコメント:
このような形で私がムッシュGPTに問いかけてみることも有益な方法のひとつかもしれません。

私が質問者に説明したいことの要点は、すべて彼が代弁してくれました。

 

サプリメントが栄養成分の不足を補う意味であることをしっかりと認識できていれば、まず、その人は、実際に自分に欠乏している栄養素が何なのであるかをきちんと把握することから始めるべきではないでしょうか?

 

この最初のステップが省略されていることがほとんどであるため、私はそもそもサプリメントの適切な使用は容易ではないと考えています。

 

むしろ、サプリメントによる薬物性肝障害を経験したことがあります。

 

その方は、私が質問するまで、サプリメント使用の事実については申告がなく、私が処方している薬剤の副反応であると主張していましたが、サプリメント使用を中止することによって、はじめて肝機能が正常化しました。

 

そして、必要な処方薬は従前どおり使用していますが、肝機能の再発は、その後、まったく観察されていません。

 

しかし、サプリメントばかりでなく、医師が処方する薬剤による、文字通りの薬物性肝障害の発生については、日頃から注意を払っておく必要があります。

 

この課題については、次回3月22日(金)で検討します。