睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、中枢性SASか閉塞性SAS(OSAS)かの鑑別も必要となります。

 

中枢性SASでは無呼吸時に胸腔運動が停止しますが、閉塞性SAS(OSAS)では無呼吸時に胸腹逆転運動がみられます。

 

同居の妻の報告では、無呼吸時にいびきをかくほどなので胸腔運動は停止していないことがわかりました。
そこで閉塞性SAS(OSAS)を考えました。

 

閉塞性SAS患者ではレム睡眠と深い眠りが減少します。そして高血圧、糖尿病、不整脈、肺高血圧、脳梗塞、虚血性心疾患などの心血管系疾患を高率に合併します。

 

また慢性的な低酸素血症の代償として、骨髄における赤血球産生亢進により多血症になることがあります。


以上より、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の可能性について説明したところ、ご自身が検査医療機関を探し、さっそくポリソムノグラフィ(PSG)を行なった結果、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(AHI26)と診断され、CPAP療法を開始したとの報告を受けました。


AHI26は重症度をあらわしますが、15~30を中等症としますので、中等症に該当します。


CPAP療法の原理は、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくというものです。CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。

 

CPAP療法は、気道を確保し、肺容量を増やすことが期待できます。

その他にも、交感神経活性の抑制作用と降圧作用、インスリン感受性改善作用、内臓脂肪と血清レプチン濃度の低下作用、血清の炎症性マーカー(TNF-α、IL-6、CRPなど)の低下作用、血小板活性化や血小板凝集抑制作用などが報告されています。

 

また、血清一酸化窒素を上昇させて血管内非機能を改善する作用もあります。 

さらに、重症のOSASに対してCPAPを使用すると、致死的な心血管イベントの発生率が健常人と同程度まで減少したという大規模試験のデータがあります。

 

しかし、CPAP療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の根本療法にはなりません。根本療法と併用することによって、CPAP療法から離脱できるように導くことが望まれます。


<明日に続く>

 

新年おめでとうございます。

 

今日から令和3年が始まります。今年が良い年でありますことを祈るばかりです。

 

線維筋痛症に関する第2回国際会議発表抄録のご紹介は、先月23日までで23演題となりました。

 

他にも口頭発表やポスター発表が多数残っておりますが、年始の休暇の期間中は、どうぞ苦痛や苦悩を忘れて、心安らかにお過ごしくださいますように。

 

私の経験を加えて簡単にまとめてみますと、線維筋痛症の多くは決して難病ではないということです。そして大麻や麻薬を使わなければ生きていけない病気でもありません。

 

ただし、世界中の専門医の意見を大胆に総括してみると、国民健康保険制度が整備された欧州を含む先進国の保険診療制度の枠内での治療は難しそうだということです。

 

生活習慣の改善や、鍼灸、水氣道の実践などで健康を回復し、快適で有意義な毎日を過ごすことができるようになります。

 

しかし、残念ながら、線維筋痛症の患者さんの多くは、保険診療の枠組みから逸脱することに、ことさら強い抵抗感をお持ちのようです。

 

その最大の理由は、いつ治るか先が見えない病気に対して、どれほどの医療費がかかるのか予測がつかないという先行きの不安が絶えずつきまとうからだと思います。

 

また他の理由としては、線維筋痛症は治らない病気であると考えて諦めてしまっている場合であり、さらにもう一つの理由としては、中途半端に治ってしまうと、それまで受けていた支援が断ち切られてしまうのではないかという恐れを抱いている場合です。

 

このコラムは、1月4日(月)から再スタートいたします。

 

なお、外国語旅行は年内無休で毎日発信し続けますので、よろしければごらんになってください。本日は金曜日のイタリア語旅行です。

 

 

それでは、皆様

 

Happy New Year 2021 !

 

皆様、令和二年元旦。

 

明けましておめでとうございます。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

平成時代の丸30年間診療活動を継続してきた『高円寺南診療所』は、令和元年5月1日から『杉並国際クリニック』に改称し、新体制の基礎を築くための準備を昨年末まで続けてまいりました。

 

平成時代の丸30年に及ぶ私どもの医療活動の成果を総括してみますと、私どもの成果は『生涯現役を目指し、要介護状態にならないための努力と工夫に心がけ、当院に継続的かつ計画的に通院し、ともに健康の維持増進に努めてこられた』皆様方と共に築き上げてきた精神的財産にあるということができます。

 

それは、要介護状態になりにくい健康づくり(健康創成による要介護状態の予防)を積極的に推進していくという共通の価値観に基づく診療方針を意味します。

 

 

お陰様で『杉並国際クリニック』は、令和二年の年初から、確立した新体制のもとで、皆様と共に、さらなる発展を遂げてまいりたいと存じます。

 

 

そこで令和元年の成果を、ここで総括してみたいと思います。

 

診療の質の向上

増患(受診患者数の増加)よりも1回ごとの診療の質の向上に努めました。以下の10種の手渡し用マニュアルを作成し、有効に活用してはじめました。

 

便秘症の便形状分類および治療指針(杉並国際クリニック版)

 

肥満度とメタボリックシンドロームの診断・管理基準(杉並国際クリニック版)

 

動脈硬化症予防・治療管理基準(杉並国際クリニック版)

 

高血圧治療管理基準(日本高血圧学会・高血圧治療ガイドライン2014改変)

 

心不全治療マニュアル(杉並国際クリニック版)

 

糖尿病早期発見および治療管理基準(杉並国際クリニック版)

 

糖尿病性腎症病気分類と指導基準(杉並国際クリニック版)

 

慢性腎臓病(CKD)の重症度区分・末期腎不全リスク評価と治療反応性判定

 

痛風・高尿酸血症の治療指針(杉並国際クリニック版)

 

関節リウマチ早期診断・治療管理基準(杉並国際クリニック版)

 

 

診療時間帯の改善

勤労者の長期健康管理のために早朝診療を増やしました。

 

早朝診療(7:00~8:30am)の実施日を月・火に加えて木・金も開始し、周4日体制として出勤前に、より受診しやすいようにサポートを強化しました。

 

 

平均待ち時間の短縮

従来のデータで判明した新患の受診時間帯が、定期受診者の受診時間帯と重なり、全体の待ち時間が長くなるため、新患(受診中断による再初診を含む)の受診を予約制としました。

 

 

診療方針の鮮明化

どこにでもありそうなコンビニ診療所から脱却し、ここでしか実現できないユニークでオリジナルなクリニックへの転換に向けての準備が進みました。

 

急性疾患の新患対応より超高齢者となる将来を見据えた定期受診者の皆様の健康創成に診療の重心をシフトさせました。

 

要介護状態に至るリスクや病気の早期発見に役立てるため、概ね3カ月ごとに実施してきたフィットネス・アセスメント(体組成・体力評価)を改訂し、「胸郭拡張能」を追加して、更なる充実をはかりました。

 

 

オリジナルな治療法の開拓

どんなに有効性が高い治療法も、始めてみなければ効果を期待することはできません。そして、治療を始めても継続しなければ目的を果たすことはできません。

 

そして、治療を継続するためには、治療自体が知的で文化的で教育的で、一生涯楽しく内容を深めていける全人的な方法や内容であれば成功の確率が高くなります。そうした考えのもとに新時代の要請に応えることができるセラピーとして水氣道®聖楽院が誕生しました。

 

杉並発祥の水氣道は、令和元年に新たに中野支部が設立され、杉並、新宿、吉祥寺について4つ目の拠点ができました。

 

聖楽院は令和元年11月14日に第一回杉並令和音楽祭を開催し、参加者数および参加者の効果ともに、聖楽院独自のメソッドである「聖楽療法理論」を実践して大きな成果を挙げることができたことは、皆様の記憶に新しいことであると思います。

 

また、聖楽院の教材(セラピーマテリアル)としてのCDも全国リリースして、大きな反響を得ております。

 

以上が、令和初年の主たる成果です。

 

前身の『高円寺南診療所』時代から、新体制への移行を支えてくださった、実質的な患者会リーダーとも評すべき「水氣道®」会員や「聖楽院」レッスン生の皆様には、とりわけ御礼申し上げます。

 

 

 

次いで、以下に、令和2年の目標をご紹介させていただきます。

 

健康は個人の自己責任ばかりでは決して守れません。自然環境や人的・社会的環境の悪化や劣化は、個人の努力ばかりでは如何ともし難いものがあるからです。

 

そのため、家庭や職場や地域の共同体など集団の場での健康管理条件を向上させていく工夫と努力が必要です。それでは、それを実現させるためにどんな医療機関が必要でしょうか?

 

私どもは今年も引き続き、専門性の高い「体と心のトータル・ケア」を提供し、今後のわが国のめざすべき都市型モデル診療所の確立を目指します。

 

そのための具体的な診療方略は、専門性を受診者の皆様の視点に立って明確化することとしました。その理由は、当クリニックの専門性の柱である、アレルギー科、リウマチ科、そして心療内科は、平成8年標榜以来、いずれも皆様に十分理解されていない現実に直面してきたからです。

 

この方略に基づき、以下のような具体的方術を考案しました。

 

1)専門性の範囲の明確化

 

① アレルギー科(総合アレルギー科)

喘息アトピー性皮膚炎をはじめ花粉症ダニアレルギーなどのアレルギーの病気国民病であるとともに環境問題とも密接な関係があります。アレルギー診療に携わっているのは、主に内科医や小児科医をはじめ、皮膚科医、耳鼻咽喉科医、眼科医です。アレルギー疾患はアトピー性素因というアレルギー体質をもつ方に発症しやすいので、同時に複数の医療機関を受診することになり、個人的にも社会的にも大きな負担を来しています。

 

こうした現状を効率的に解決するために、アレルギーを専門とする内科医や小児科医は、総合アレルギー医としての役割を担えるだけの研修を積んでいます。総合アレルギー医は、複数のアレルギー疾患に対応します。つまり、アレルギーを部分的な病気とだけか考えて対症療法をするのではなく、アレルギー体質をもつ患者さんのための根本療法に向けてのサポートをするのが総合アレルギー医です。今年は、総合アレルギー診療マニュアル(杉並国際クリニック版)の完成を目指したいと考えております。

 

 

② リウマチ科(総合リウマチ科)

リウマチ科の診療に携わっているのは、主に内科医や整形外科医をはじめ小児科医が主です。(ただし、線維筋痛症に限っては精神科医が関与することもありますが、残念ながら見るべき成果は挙がっていないようです。)

 

とくにリウマチ内科医の担当領域は、関節リウマチをはじめとする膠原病に限らず広範に及んでいます。つまり、リウマチ性疾患は関節リウマチ患者60万人だけではなく、痛風110万人の他、線維筋痛症患者200万人、肩関節周囲炎200~500万人、その他では変形性膝関節症変形性脊椎症骨粗鬆症のうち少なくとも一つ以上を有する国民は約4700万人をも対象にしております。

 

リウマチ性疾患は、このように国民に広く関わる疾患となっています。これらのリウマチ疾患の多くは、糖尿病などの生活習慣病を合併すると発症頻度が高くなり、治りにくくなることが知られています。リウマチ内科医受診の強みは、局所の症状に対する治療にとどまらず、全身疾患の管理を同時に行うことを得意としている点にあると考えます。

 

 

③ 心療内科(ストレス・心身症・精神身体医学科)

心療内科ほど誤解の多い領域はありません。内科医としてのベースをもたない精神科医による標榜がほとんどであるため、心療内科は精神科の緩和的表現として転用されている嫌いがあり、心療内科指導医として心療内科専門医を代表する者の一人としては、大いに危機感をいだいているところです。

 

ただし、このような事態を招いた原因は、精神科医ではなく、むしろ心療内科の指導者の大局観の欠如と説得力の弱さにあったと反省すべきではないか、というのが私の見解です。心療内科医とは、薬物療法のみでなく心理療法(とくに心身医学療法)を駆使して、病める人々を心身両面でサポートする医師です。かつて、東大には物療内科(現在は、アレルギー・リウマチ科)という科があり、これは物理療法を行なう内科の専門領域で、その流れの一部はリハビリテーション科にも引き継がれています。そこで、私は新しい心療内科の在り方としては、薬物療法に加えるべき非薬物療法として心理療法(心身医学療法)とともに物理療法(運動療法、鍼灸療法など)を体系化した総合診療科としての診療内科を提言したいと考え、すでに実践しております。

 

アレルギー体質・気質の改善とともに線維筋痛症や慢性疲労症候群など、未だ原因不明とされるリウマチ様疾患も心療内科指導医として解決すべき課題であると考えています。

幸い、生活リズム調整療法鍼灸療法、さらには新しい心身医学療法として杉並国際クリニックオリジナルの新しい画期的な心身医学療法である水氣道®聖楽療法が効果を発揮しています。

 

現状では厳しいですが、もし、これらの独自のシステムがもし保険収載されれば、多くの患者さんを救済することが可能となることでしょう。遠方からの問い合わせが多い線維筋痛症などでは通院不可能な方の問い合わせも、相変わらず少なくありません。

 

当クリニックでは、従来、難病とされてきた線維筋痛症治療において実績があるため、こうした皆様の役に立つ手引き(「線維筋痛症のための養生法・鍛錬法(仮称)」の作成を計画しております。

 

 

2)標榜科目の改訂

当クリニック前身の高円寺南診療所時代には、小児科、皮膚科、整形外科を標榜し、文字通り総合医(プライマリケア)として診療していた時期がありました。平成8年に、アレルギー科、リウマチ科、心療内科という新しい診療科の標榜が認可され、さらに、この3領域の専門医資格を取得したことを契機として、専門医資格と対応した標榜をすることによって、診療の専門性の明確化を図るため、小児科、皮膚科、整形外科を標榜から外しました。

 

その後、平成時代を経て令和時代を迎えても、アレルギー科、リウマチ科、心療内科は、一般の皆様に十分理解されるには至っていない現状です。標榜科目を減らすことにより専門性を高めることができるどころか、むしろ重複診療や多剤投与(ポリファーマシー)によって複雑化・難治化を来している症例が増え、待ち時間の短縮にも繋がらず、かえって非効率に陥っていることが判明いたしました。

 

そこで、新年度を目標に一部の科目の標榜復活を計画することにしました。

 

皮膚科

まず、総合アレルギー医は、アトピー性皮膚炎接触皮膚炎をはじめとするアレルギー性皮膚疾患湿疹・蕁麻疹などにも対応しています。ついで、リウマチ専門医は、皮膚に症状の現れやすい膠原病の専門家ですから皮膚の診察をする他、結膜や鼻粘膜も診療しています。さらに、心療内科専門医としては、円形性脱毛症抜毛症などの診療にも深く関与しています。

 

整形外科

高齢者の病気は、ますます複雑化・多様化し、また個別化してきています。そのため、複数の専門診療科を受診しても適切な対応が取れなくなりつつあるのが現状です。 その最たるケースが整形外科や整骨院の通院のみを続けてきた超高齢者です。そうした通院が困難になり、90歳を超えてはじめて老後を憂いて転医を希望されるご本人やご家族には、とても気の毒な思いを抱きます。

 

もう一方のケースは、栄養療法・運動療法・心身医学療法などが欠如したままでの各科の寄せ集め的な総合病院診療を続けてきた方々です。こうした健康管理は、介護予防や認知症予防のための効果は不十分であり、やはり心身医療をベースとする統合医療(全人的医療)を導入しなければ解決できない現代型医療問題であると考えています。

 

典型例としてはフレイル・サルコペニアなど老化に伴う心身の虚弱に対する医療と介護とにまたがるような大きな課題が日常化しています。複数の慢性的な内科疾患のみならず認知症を伴っている症例が目立ちます。認知症の予防については、未だ一定の臨床エビデンスが少ないため、早急な対応が必要であると考えております。そこで、認知症に対するリスク管理をはじめ早期発見とともに少しでも有効な介入方法を検索し、かつ考案していきたいと考えます。

 

 

最後に

苦痛や苦悩を訴える方はますます増加しています。そして「いま、ここで」のから少しでも解放されるように支援することは、第一線の医療機関(クリニック)にとって大切な使命です。

 

現役世代の皆様は、効率重視の競争社会にあって、メタボリックシンドロームなど生活習慣病をはじめ、ストレスに伴う身体疾患(心身症)などに見舞われがちです。

 

さらに、超高齢社会にあっては、それにとどまらず、皆が少なくとも5年後、10年後の将来を見据えて、全人的健康のための備え(健康創生)に基づく健康管理による要介護状態や重大な病気の予防を、なるべく早期に開始することも必要です。これの重要性に気づいて生活や行動の変革を行えば、「いま、ここで」の苦痛や苦悩の軽減に繋がるばかりか、より多くの皆様が老後を大きな苦痛や苦悩とともに毎日を送らなくて済むようになります。

 

こうして誕生したのが、新しい独自なクリニック外活動です。

 

水氣道®での心身の鍛錬聖楽院における芸術活動は、杉並国際クリニックから日本国内のみならず、全世界に向けて提唱している新しい心身医学療法です。

 

そして心身医学全人的医療の中心的な要素です。これらは、順調に成長を続け素晴らしい成果を上げています。水氣道関連では、令和2年に三鷹支部の設立の検討が始まるところです。また聖楽関連では、令和2年5月31日(日)は杉並区立方南会館(160席)にて、第2回杉並令和音楽祭を開催する準備が昨年末より進行中です。また同じく11月の日曜日には、第1回中野令和音楽祭開催の構想があります。

 

とくに水氣道会員の皆様および聖楽院レッスン生の皆様は、杉並国際クリニックの中核会員として、今年になって新たにご縁が繋がる皆様(新会員)のためにも、どうぞよろしくご支援を賜わりたく存じます。

 

 

 令和2年元旦                                              

飯嶋 正広

水氣道は、以下のような発展を遂げてまいりました。

 

第0期1990~1999(平成11年):胎芽・胎児期

 

<水氣道命名前:水中「素歩き」法開発>

 

 

第1期2000~2009(平成21年):新生児・乳児期

 

<水氣道命名後:基本5航法および水氣道体操開発・段級制と対番制度の導入>

 

 

第2期2010~2019(平成31年/令和元年):幼児期

 

<水氣道商標取得、稽古体系の確立・各種特別航法の創出と「名宣り稽古法」の開発>

 

 

第3期2020(令和2年)~2029:小児期

 

<目標:新会員に対する支援技能・指導力を充実させ、水氣道の国内展開と後継候補者の育成をはかる>

 

 

以上のように、水氣道®は、その組織機構と稽古内容が定まり、自信と責任をもって多数の新会員を迎えることができる準備が万全に整いました。

 

そこで本年を水氣道第3期の初年と位置づけ、積極的に新入会員を求めることにいたしました。

 

生涯健康現役を願う皆様、どうぞ期待と希望とともに、奮って入門され、私たちと共に楽しく充実した稽古にご参加してくださいますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

なお、将来、水氣道指導者を志願される方は大歓迎です。この水氣道を発展させていくことによって、日本と世界の人々の健康と幸福のため、そして自然環境の保護による世界の繁栄と国際平和のために、ともに生き生きと楽しく貢献できるようお祈り申し上げます。

 

 

令和2年元旦  

日本水氣道協会 

初代理事長兼創始者

医学博士 

飯嶋正広

 

現在、聖楽院には稽古の曜日によって3つのクラス(A、BおよびC組)があり、概ね月に1ないし2回、各1時間の楽しく充実した少人数制レッスンを続けております。

 

 

聖楽院では、通常の楽譜の他に、以下のオリジナル教材を活用しております。

 

飯嶋正広訳で歌うシューマン作曲「詩人の恋」(令和元年完成)

 

飯嶋正広訳で歌うシューマン作曲「女の愛と生涯」(令和元年完成)

 

飯嶋正広訳で歌うイタリア名曲歌曲集(令和2年完成予定)

 

CD藝術歌曲集「小倉百人一首No1コンコーネ50番(中声で歌う)」(令和元年11月)

 

CD藝術歌曲集「小倉百人一首No2トスティ50番(高声で歌う)」(令和2年1月中)

 

 

 

なお通常のレッスンは組単位で行います。各組ごとに課題は異なりますが、レベルに差はありません。

 

各組専属のピアニストが、グランドピアノで伴奏します。独自に開発した聖楽院方式によって各組とも3人単位の班で和気あいあいと合唱したり、さらには楽しく堂々と独唱したりすることができるようになります。

 

教室の他にサロンや小ホールの舞台での歌唱演奏にもチャレンジしていただいており、とても大きな好評をいただいております。

 

 

A組(月曜日2:00~3:00pm、東高円寺<音海>教室)

B組(木曜日9:30~10:30amまたは10:30~11:30am、東高円寺<音海>教室)

C組(日曜日10:30~11:30amまたは11:00~12:00am、高円寺<ボンジュール>教室)

 

 

第2期生(令和二年入会)の募集人数は、各組ごとに以下の通りです。

 

A組2~3名、B組3~4名、C組1~2名、全体で6~9名程度

 

 

入会ご希望の方は、お気軽にご連絡ください。

 

連絡先:

090-4361-5670

 

担当:野口

 

 

なお、本年は、すでに小ホールでの本番独唱を経験された第1期生の中から、ご本人の希望により、アドヴァンス・クラスのレッスンが受けられるような準備を進めて参ります。


現役声楽家、オペラ歌手等による歌唱指導とイタリア、ドイツ、フランスなど専門的に訓練を受けた伴奏ピアニストによる個人もしくは少人数レッスンとなります。

 

 

令和2年元旦
聖楽院 主宰 飯嶋正広

症例は40代男性。身長175㎝、体重97㎏。

 

夜間の頻尿があり、また日中も勤務中に高度の眠気を自覚していました。

 

挙児希望なのに性欲が減退し、イライラが募る妻に睡眠時のいびきを指摘されて来院しました。

 

まず身長と体重から体格係数(BMI)を計算してみます。


BMI=97÷1.75÷1.75=31.7;30以上なので肥満度(Ⅱ度)に相当します。


また血液検査の結果は糖尿病型でした。
夜間頻尿は、胸腔内圧の陰圧化による静脈還流量の増加により、心房性ナトリウム利尿ペプチドが増加することが原因となることがあります。


また、慢性的な低酸素血症による末梢神経障害やテストステロンの低下、日中の疲労からインポテンツに陥ることがあります。

 

ここから睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑うことになります。
以下は、日本呼吸器学会のHPからの睡眠時無呼吸症候群についての引用です。

 

【概要】睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。
【疫学】成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加します。


【発症のメカニズム】空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。首まわりの脂肪の沈着が多いと上気道は狭くなりやすく、肥満はSASと深く関係しています。扁桃肥大、舌が大きいことや、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気も原因となります。

あごが後退していたり、あごが小さかったりすることもSASの原因となり、肥満でなくてもSASになります。


【症状】いびき、夜間の頻尿、日中の眠気や起床時の頭痛などを認めます。日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故や労働災害の原因にもなります。


【診断】問診などでSASが疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。

PSGにて、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。
重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。


【治療】AHIが20以上で日中の眠気などを認めるSASでは、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous posi-tive airway pressure:CPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

小児のSASではアデノイド・口蓋扁桃肥大が原因であることが多く、その際はアデノイド・口蓋扁桃摘出術が有効です。


【生活上の注意】肥満者では減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。アルコールは睡眠の質を悪化させるので、晩酌は控える必要があります。 


【予後】成人SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、特に、AHI30以上の重症例では心血管系疾患発症の危険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療にて、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。

 

<明日に続く>