杉並国際クリニックの問診は、構造化されていることを御存知でしょうか?
これを杉並国際クリニック方式のホリスティック・チェックと呼ぶことにしました。
第一弾は快(食・便・眠・勤・遊)です。誤解のないように説明しておきますが、
これは誤解でなく「五快」です。皆勤賞の皆勤でなく快勤です。欠勤せずに無理して働くよりも、ときには休暇をとって快適に仕事を続けることが快勤です。また、快遊は豪遊することとは無関係です。
さて、本日の話題は「快便」についてです。とくに問題なのは慢性の便秘です。
便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」(慢性便秘症診療ガイドライン2017)と定義されます。
食生活の欧米化や高齢者の増加とともに、わが国でも大腸癌が増加しており、便秘症状が現れたときには大腸癌の除外診断が重要です。大腸癌はクローン病や虚血性大腸炎などとともに狭窄性の器質性便秘をもたらします。急性の便秘は、腫瘍などの器質的疾患の除外や併用薬の確認が必要です。
薬剤により二次的に生じる便秘も少なくありません。薬剤性の便秘は排便回数減少型の機能性便秘をもたらします。急性の便秘の場合は、鎮痛薬、鎮咳薬抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬などが挙げられます。慢性の便秘でしばしば発見するのは、血圧降下薬(Ca拮抗薬)、抗不整脈薬、麻薬、利尿薬、気管支拡張薬(β₂遮断薬)、筋弛緩薬、パーキンソン病治療薬や抗コリン薬、制酸剤などがあり、注意を要します。麻薬、利尿薬は低K血症を来しやすく、それが便秘の原因になります。
便秘のケアのポイントは、まず生活習慣の改善です。水分を多めにとり、規則正しい時間に食物繊維の多い食事を心がけ、朝食はきちんととることだけで改善することが多いです。
特別な支障がなければ、運動についても積極的に奨めます。散歩もお勧めですが、水氣道®に参加できるのであれば、それに越したことはありません。
便秘症の薬物療法を実施するにあたって、下剤使用時に腸閉塞がないことを確認します。
次回(来週6月10日は、便秘症の薬物療法について解説する予定です。)
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