最新の臨床医学 3月17日(日)心療内科についてのQ&A

心療内科についてのQ&Aをご紹介いたします。

 

大学病院の心療内科のHPを紹介します。

 

東北大学心療内科です。

 

<杉並国際クリニックの立場から>でコメントを加えることにしました。

 

 

摂食障害

 

【神経性やせ症】(拒食症)、【神経性過食症】は、やせている状態を美とみなす社会風潮の影響を受け、思春期の女性が罹患する【摂食障害】です。これらは、急激な栄養低下が生じるか病悩期間が長引くと、横紋筋融解、心不全、腎不全、脳萎縮、骨粗鬆症、骨髄膠様変化、消化管運動異常などが生じ、生命の危険を伴う疾患群です。

 

最近は男性や20代以上の年齢層でも多くなっています。若い女性で食事量が不足し、低体重性の無月経がある時は、神経性やせ症が疑われます。嘔吐を繰り返す、緩下剤や利尿剤を大量に使用する場合、電解質異常から死に至る場合があり、専門的な治療が必要です。心療内科では個々の患者さんにあわせたテーラーメイドの治療を行っています。摂食障害治療支援センターを院内に開設していますのでそちらも参照して下さい。

 

 

<杉並国際クリニックの立場から>

摂食障害は精神的な理由で食事の摂り方が異常になる疾患で、東北大学心療内科は

<【神経性やせ症】(拒食症)、【神経性過食症】は、やせている状態を美とみなす社会風潮の影響を受け、思春期の女性が罹患する【摂食障害】です。>

と説明しています。

 

しかし、摂食障害は神経性やせ症、神経性過食症の他に、【過食性障害】があり、三病型に分類されます。

 

杉並国際クリニックでは摂食障害といえば、【過食性障害】>【神経性過食症】>>【神経性やせ症】(拒食症)です。

 

摂食障害は、最近は男性や20代以上の年齢層でも多くなっています。このうち、【神経性やせ症】(拒食症)の患者さんは病識に乏しいことが多いためか、自らの意思で受診される方は少ないです。しかも、医療機関を受診する段階で、すでに入院加療を要するケースが目立ちます。

 

これに対して、【神経性過食症】の多くは外来通院によるケアが可能です。

 

過食性障害は、むちゃ食い障害とも呼ばれ、反復するむちゃ食いエピソードを示す障害です。過食性障害では、神経性過食症と同様に、繰り返される過食が特徴ですが、神経性過食症と異なり嘔吐や下剤といった代償的ダイエット行動は伴いません。また、その過食には苦痛を感じており、

1)早食い、

2)苦しいほど満腹になるまで食べる、

3)空腹感がなくても食べる、

4)過食を知られるのを恥じて一人で食べる、過食後に自己嫌悪やうつ気分、

5)強い罪責感に苛まれる、

のうち3つ以上当てはまり、習慣化して行われる(3ヶ月にわたって週1回以上のペースで)といった状態です。代償的なダイエット行動を伴わない過食症のため、過体重や肥満を呈する場合が多いことも報告されています。

 

東北大学の心療内科では<個々の患者さんにあわせたテーラーメイドの治療を行っています>とのことですが、大学病院でこの姿勢を明確にすることは尊敬に値します。杉並国際クリニックもこの姿勢を見習いたいところです。