消化器・代謝内分泌内科 Vol.4

 

今月のテーマ <クリーゼ(危機)>

 

 

「副腎クリーゼ(急性副腎不全)①」

 

何らかの原因(ストレッサー)によって副腎皮質ホルモンの分泌が急激に不足する(第一次ストレス反応)と、

 

急性副腎不全(副腎クリーゼ)と呼ばれるショック状態(第二次ストレス反応)となります。

 

 

副腎の感染や出血、血栓、外傷、下垂体障害などがストレッサーとなり、

 

ストレス反応として副腎皮質ホルモンの急速な不足を生じるといったことがあります。

 

副腎皮質ホルモンの急激な不足だけでなく、相対的不足でも副腎クリーゼは起きます。

 

 

これはアジソン病(副腎皮質機能低下症)患者が強いストレッサーに晒されたときなどが代表的です。

 

副腎皮質ステロイド剤の長期大量内服患者が、急に薬の服用を中止した場合も起こることがあります。

 

 

つまり、副腎皮質ステロイド剤の急激な中止も生体にとっては

 

大きなストレッサーとなりうることを理解しておくことが重要です。

 

 

副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは、

 

糖分の代謝や水分・電解質(酸・塩基など)のバランスに関わり、

 

ストレッサーに対抗して体のはたらきを調節する重要なホルモンです。

 

 

それまで投与されていたステロイドの突然の中止や、

 

感染・敗血症、精神的なストレスとされるものは、すべてストレッサーとなり得ます。

 

 

こうしたストレッサーによるストレス反応として副腎クリーゼは発症することがあります。