『水氣道』週報:<水氣道稽古の12原則>解説の再開にあたって

 


次回からは運動するときに必要な技能と体力の関係について学習します。技能や体力を高めるときに気をつけるべき点などスポーツを行ううえでとても大切なことを学びます。今後の学習を踏まえ、実際に水氣道の稽古をはじめてみることによって、あらゆるスポーツにも通じる、より良い気づきが得られることでしょう。

 

連載中断の最後の記事は、水氣道稽古の12の原則(10)周期性の原則(その2)でした。次回は、水氣道稽古の12の原則(11)意識性の原則(その1)から再開する予定です。
 

解説再開の準備として、まず、水氣道の稽古理論体系の一覧を掲載いたします。

 

 水氣道の神髄(太極観)
<融通無碍(ゆうずうむげ)の自然愛>

 

 水氣道の三徳

 

 分析と企画(特異性の原理)

 

 進歩と調和(過負荷・集団性の原理)

 

 自己超越と自然回帰(統合性・可逆性の原理)

 

 

 水氣道実践の五原理

特異性,可塑性,適時性

 

 

〇 統合性の原理(心身統合・心技体の原則)

 

〇 集団性の原理(教学不岐・環境創造の原則)

 

〇 過負荷の原理(漸進性・全面性・反復性の原則)

 

〇 可逆性の原理(周期性の原則)

 

〇 特異性の原理(意識性・個別性・弱点優先・専門性の原則)

 

 

 

 水氣道稽古の12原則

・ 心身統合の原則
・ 心技体の原則
・ 教修不岐の原則
・ 環境創造の原則
・ 漸進性の原則
・ 全面性の原則
・ 反復性の原則
・ 周期性の原則
・ 意識性の原則
・ 個別性の原則
・ 弱点優先の原則
・ 専門性の原則

 

以上の理論体系に対して、たとえば、わが国の高等学校保健体育の教科書「現代高等保健体育」では、「練習やトレーニングによって技能や体力を向上させるためには、それまでにおこなっていた運動より難度や強度が高い運動をおこなう必要があることを採りあげています。

 

これをオーバーロード(過負荷)の原理といいます。脳や筋肉は環境の変化に適応して自分をつくり変える能力(可塑性)が高く、「この適応のしかたは動作パターンや負荷条件に対応した性質(特異性)を示すことをふまえ、練習 やトレーニングを考えることが重要です。」 と記しています。

 

そこでは「過負荷」を基本原理とし、「意識性」「個別性」「全面性」「反復性」「漸進性」を5原則として紹介しています。

 

水氣道においては、この5原則の位置づけは、過負荷の原理のもとに、「全面性」「反復性」「漸進性」の各原則を、そして特異性の原理のもとに、「意識性」「個別性」の原則ならびに「弱点優先」「専門性」の原則を置くものとしています。