令和2年3月17日(火)19:00~21:00
鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)
参加者総数11名(先発8名、後発3名、早退2名)
指導トレーナー:
水氣道正弐段上 中川良子(B班)
同:
水氣道正弐段下 林亮博(A班)
修錬生インストラクター:
水氣道2級 細谷健太(B班)、同、坂本光昭(A班)
報告担当ファシリテーター:
水氣道5級(中等訓練生)野口将成(B班)
水氣道5級(中等訓練生)植田栄喜(A班)
受付:
主当番/支援員・林亮博、副当番/修錬生・なし、副々当番/訓練生・野口将成
<稽古内容>
1) 親水航法:自主稽古方式
2) 準備体操(イキイキ体操)一列縦列行進方式
訓練生2名を頭尾位に配置し、指導トレーナーがサポート
稽古参加者全員に対し、「イキイキ体操」新項目を周知した。
・・・以後2班を編成し、班単位での稽古となる・・・
まずA班(5名)の稽古内容を報告します。
3) 基本五航法(短縮版):一列縦列行進方式
動作確認に心掛けた。
4) 各種航法:名宣り稽古方式
実施航法(理気、調血、活水、舞踊、経絡)の各航法
訓練生の名宣り「脇伝」の稽古を実施
活水航法、経絡航法は6枚目まで実施
次にB班(6名)の稽古内容を報告します。
3) 基本五航法(短縮版):一列縦列行進方式
一つ一つ丁寧に確認しながら行った
4) 各種航法:名宣り稽古方式
実施航法(理気、調血、活水、舞踊、舞踏)の各航法
2枚目まで実施
・・・A班とB班が再度合流し全体での稽古となる・・・
太極航法2枚目まで
5) 整理体操(のびのび体操)
既定の稽古終了後
6)特別技法訓練:希望者
今回は、基本五航法の第一航法、ボードを頭頂部に乗せ素歩きをおこなった。
【所感】
・この情勢の中11人の方が集まりました。
皆さんお元気そうでなによりでした。(R.N記)
・火曜日にしでは、珍しく、10人以上来ていたので、今までで、
もっとも充実した稽古だった思います。(K.H記)
・2つの班に分かれて稽古できたので効率が良かったように思いました。(M.S記)
・五航法の際に周りのペースを気にすることなく自分の納得がいく形をしっかりやることが大事だとアドバイスをいただいた。その指針を再認識することで自分のペースで落ち着いて稽古することができた。(H.U記)
・五航法を二手に分かれて、私はB班に属して稽古を行いました。短い時間でしたが参加できて嬉しかったです。(K.H記)
・B班は修錬生が五航法終了後、途中退出したため訓練生が修錬生インストラクター体験しました。(M.N記)
・課外の特別技法訓練について、体幹を意識することで姿勢を整えることができた。
したがって、第一航法での脚の運びがスムーズになり動きが改善できた。(A.H記)
・いつもだが水に入った瞬間は冷たい、身の引き締まる冷たさを感じる。そして無我夢中の内に1時間半の稽古を終えて、着替えを済ませ、メディカルチェックを終えて帰路につくと、道中何とも言えない温かみが、身体の中から湧いてくる。頑張って良かったことを実感するひとときだ‼️(K.M記)
・コロナで沈んだ心がプールですっきりきらきら星(K.S記)
【理事長からのメッセージ】
「令和」という新しい時代の二年目の今年は、水氣道創設二十年目を迎える節目の年です。
元号は、本来であれば、これから続く新しい時代を寿ぐ象徴であり、したがって、「令和」という固有名詞が、出典とされる万葉集の序の「令」と「和」の如くであって欲しいと願うのは、私たちだけではないと思います。
新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックという未曽有の世界的危機の中にあっても、私たちの中の有志の皆さんは、水氣道の稽古を続けています。地球の温暖化、超高齢社会、国際交流社会、貧富の格差拡大、政治的不公正、政府による国民統制と衆愚政治化、多剤耐性菌の出現など、私たちを取り巻く社会は、このままでは未知の疫病発生のリスクの高まりと拡がりを容易には阻止できない状況下にあります。
特に未知の伝染病に対しては病原体の特定や感染経路、診断方法の究明に時間を要するため特異的な治療を施せないまま犠牲者が増え続けていくことになります。そこで生命を守る決め手となるのは個人や集団の備える日頃からの養生(「免疫力」の保持)や鍛錬の習慣の確立です。
水氣道は、こうした人類にとっての未曽有の危機にさらされる時代の到来を冷静に予測して、準備を重ね今日を迎えることになりました。
こうした経緯を省みるにつけて、私たちがいま「水氣道」稽古に参加し、これから不安を抱える世界中の多くの人々に伝え、真の平和と繁栄に貢献していこうという人類的意義を痛感させられます。
しかしながら、私はあえて申し上げなければなりません。「令和」二年は、まさに国難に見舞われる年であり覚悟をもって臨む必要があります。
「令和」と命名された新しい時代の名称は、同一の文中にない「令」と「和」を意図的に結合させて創作した新しい造語です。
しかし、私は、この二字の漢熟語をオリジナルな日本語として受容することに抵抗を感じています。
中医学の古典的テキストで鍼灸医学の聖典である『黄帝内経・霊枢』には「知迎知隨、氣可令和」(迎を知り隨を知り、気、和せしむべし)とあります。
意味は「鍼を体のツボに指すとき、体の気の流れと逆に刺す『迎』と、流れに沿って刺す『隨』の双方の治療技法を知っていれば、心身の氣を調和させることができる」ということになります。
東洋医学では気の流れを重視しますが、水氣道の「氣」も同じです。理氣航法の「理氣」とは「氣」を理する(ととのえる)ことであり、また調血航法の「調血」も「血」を調和させる(ととのえる)ことなのです。
また漢代の歴史書『後漢書』にも「朝廷仍下明詔、欲令和解」(朝廷、しばしば明詔をくだし、和解せしめんと欲す)という文があります。こちらは「令和」ではなく「令和解」(和解せしむ)です。意味は「朝廷は、何度も皇帝の詔を発し、和解させようとした」となります。
「令和」の出典は従来の慣例に従う漢籍からの引用ではないので関係はないとする見方がありますが、あえて以上の二例のみを挙げて、漢文古典の「令和」でも穏やかな意味で用いられていると力説する向きもありますが、いかがでしょうか。
これらの例の他に、四書五経として知られる五経の一つである『礼記』の第二十六章経解には「発号出令而民説謂之和」とあります。これは「(王が)号を発し、令を出して、民が悦ぶ、之を和と言う」と読めます。これは支配者が号『令』を下して国民が悦ぶ様を『和』というのだ、と解することができます。
『令和』という漢熟語に対して私が感じるのは、「政府が国民に命令して不平不満を封じることで確保しようとする政府にとって好都合な表面的平和」という、まさにこうした権力による高圧的な意味に他なりません。
無責任で無能力な衆愚に成り下がって、見かけ上の平和に騙されてしまうことが、どのような不幸と災いを招くことになるのか、しっかりと考え対策を講じていきたいものです。
このようなときこそ、普段通りの養生と鍛錬の継続が必要です。それを可能とする数少ない方法が『水氣道』なのです。
それでは皆様、愚者の身勝手な都合で発せられた「戒厳令」によって、貴重で賢明なる私たちの和やかな活動が制限され、中止に追い込まれようとしている現状、そして今後を厳しい目で監視し続けていくことにいたしましょう。
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