「第22回日本実存療法学会および第4回国際全人医療学会」参加報告

平成28年11月12日(土) ワテラスコモンホール(淡路町)

 

 

「米国のIntegrative Medicine:全人的医療を目指して」

 

というタイトルの招聘講演の座長を務めました。

 

 

招聘演者の安西英雄先生は、日米医療コーディネーターとしてご活躍中です。

 

東大農学部および金沢大学薬学部のご卒業で、薬剤師の資格をお持ちです。

 

ご講演では盛んな質疑応答があり、座長としての私自身の質問はできませんでした。

 

そこで、以下のメールのやり取りをしました。

 

 

 

質問:飯嶋より

 

安西先生にご教示願いたかったことは、

 

integrate(統合する)主体が患者なのか医師なのか、ということです。

 

統合することは、最も高度な見識と責任を必要とする作業であると思われます。

 

日本型の保険医療の現状では、

 

近代的「患者中心の医療」と伝統的「パターナリズム」 との

 

双方を巧みに統合していくスキルが求められているのが実際的ではないか、と。

 

これは依然、大きな課題であると考えられます。

 

安西先生の御講義に触発され、日常の診療を振り返り、

 

今後の在り方を展望する良い機会をいただけたものと感謝しております。

 

ありがとうございました。

 

飯嶋正広

 

 

 

回答:安西先生より、

 

統合医療の主体は、米国では医療者のチームで作り上げていきます。

 

そこで医師はメンバーの一人ですが、医師が主導するわけではありません。

 

「医師だけでは十分なことはできない」という認識が、すべての出発点になっています。

 

日本ではとりあえず「目覚めた医師がリーダーシップを取り、

 

力強い医療チームを育てる」ところから始まらなければならないだろうと思います。

 

チームのないところでは、

 

「医師が患者を思いやる」現状と本質的な違いは生まれないだろうと思います。

 

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

安西英雄

 

 

 

まとめ:高円寺南診療所が統合医療を実践しているということの背景に、

 

チーム医療があります。

 

「目覚めた医師がリーダーシップを取り、力強い医療チームを育てる」

 

ということを引き続き心掛けていくことの大切さを改めて認識しました。

 

患者中心の医療といっても、

 

このチーム医療体制が確立していないと実行できないという考え方は新鮮でした。