消化器・代謝内分泌内科 Vol.2

今月のテーマ「糖尿病の最新医療」

 

「2型糖尿病」インスリン抵抗性

 

 

インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪細胞などで

 

インスリンが正常に働かなくなった状態のことをいいます。

 

 

インスリン抵抗性があると、食事で高くなった血糖値を感知して、

 

膵臓からインスリンが分泌されても、筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を取り込めません。

 

その結果、血糖値が下がらず、糖尿病の発病につながります。

 

近年、糖尿病治療薬の種類が増え、病態に応じた使い分けが求められています。

 

インスリン以外の糖尿病治療薬を分類すると、

 

1)糖の吸収や排泄を調節するもの…SGLT2阻害薬SGLT2阻害薬は、

 

腎臓のグルコーストランスポーター(SGLT2)を阻害し、

 

腎臓の糖閾値を下げることによって、血糖降下作用が発揮されます。

 

腎からの糖排泄を促進して血糖を低下させます。

 

 

2)インスリン分泌を促進するもの…インクレチン(GLP-1,GIP)関連薬、

 

GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬DPP-4阻害薬は、

 

腸管から分泌されるインクレチンの分解を阻害して、

 

血糖依存性インスリン分泌を促進します。

 

 

スルホニル尿素薬

 

スルホニル尿素薬(グリミクロン、オイグルコン、アマリール等)は

 

古くから用いられているインスリン分泌促進薬で作用は強力です。

 

 そのため低血糖発作リスクが高いため慎重に調節されています。

 

3)末梢組織のインスリン抵抗性を改善するもの…ビグアナイド(メトホルミンなど)、

 

チアゾリン誘導体(ピオグリタゾンなど)

 

 

メトホルミンは肝臓での糖新生を阻害することでインスリン抵抗性を軽減します。

 

ピオグリタゾンは脂肪細胞のPPARγに作用し、

 

糖を脂肪へ返還させてインスリン作用を促進します。