(栄養)「わかりやすい臨床栄養学」(三共出版)改訂第5版

医学の進歩は日進月歩。

 

 

だから、それを受けて臨床栄養学(食事療法)もチョクチョク変わるのです。

 

 

2007年初版から10年足らずで4回目の改訂作業。

 

 

本は売れないと、改訂できません。

 

改訂できないと、内容が古くなって価値が下がります。

 

 

価値が下がると、売れません。

 

⇒悪循環のパターンに陥らぬための努力は半端ではありません。

 

 

 

今回、ドクトル飯嶋が依頼され、

 

相談を受けた担当部分のメールをご紹介いたします。

 

 

 

9章 腎・尿路疾患(腎臓病の食事交換表が新しくなったため、それに対応)

 

 

13章 がん 13章の3節(13‐3 ターミナルケア 追加)

 

 

18章 摂食障害 (タイトルは 摂食障害 となっていますがその中に身体障害・

 

知的障害も入っているのでガイドラインにあるように 

 

神経・精神系疾患 としてはいかがでしょうか?

 

 

21章 免疫アレルギー疾患(新規章)臨床栄養に関することを書いていただければと存じます。

 

 

9月ごろまでに頂ければと存じます。

 

お忙しいこととは存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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本日は、腎臓病の食事交換表(第8版)についての話題です。

 

 

第8回目の改訂の背景には、慢性腎臓病(CKD)と呼ばれる概念が台頭したからです。

 

CKDとは,慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症,腎硬化症,多発性嚢胞腎など,

 

すべての慢性の腎臓疾患を包含させて表現した呼び名です。

 

CKDに対して,現代の医学ではいまだ根治的治療法がないことが多いです。

 

CKDが進行して腎機能低下が顕著になるほど,

 

食事療法の占める役割と効果が大きくなります。

 

この意味から,腎臓病治療での食事療法の価値は変わりません。  

 

日本腎臓学会から,CKDの概念に合わせて

 

「慢性腎臓病に対する食事療法基準2007年版」が発表されました。

 

また近年,腎臓病のための治療用特殊食品が新しく多数開発されたことにともない,

 

今回の改訂でもこれら特殊食品を見直されています。

 

透析食では,血管石灰化の防止の観点より,

 

リン摂取制限がますます重要視されています。

 

リン摂取量はたんぱく質摂取量と相関するため、

 

たんぱく質の摂取過剰は避けるべきであることから、

 

今回の改訂では,健常人に対する

 

たんぱく質摂取推奨量を超えるようなたんぱく質70gの項目が削除されました。

 

 今回の改訂は,この食品交換表は,

 

栄養学的にほぼ等しい栄養価(たとえば,たんぱく質3gを含む食品を1単位とする)

 

の食品を相互に交換することによって,食事の変化と楽しみを与え,

 

それによって同等な治療効果を期待することを目的としたものです。これは食品成分表と大きく異なるところです。

 

利用にあたっては誤解や誤った方法で使用されないように指導する必要があります。

 

 

「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014」(日本腎臓学会編),

 

「日本人の食事摂取基準2015」(厚生労働省)に準拠して内容を一部訂生。