1月20日 頸動脈病変と脳梗塞との関係

杉並国際クリニックでしばしば実施している検査の一つに頸動脈エコー検査があります。これは、心臓と脳を繋いでいる頸動脈という重要な動脈の変性病変(特に動脈硬化)を評価するうえで有用性が高い検査です。

 

さて私たちの身体は、血液から必要な酸素や栄養素などを取り込むことによって、元気に活動することができます。その血液を運ぶための交通路として、大切な役割を担っているのが血管です。喉の両側にある2本の頸動脈は主要な血管の一つで、内頸動脈と外頸動脈に分かれています。内頸動脈は大脳へ、外頸動脈は顔へと血液を運んでいます。
 

頸動脈の血管にコレステロールなどがたまり、動脈硬化によって血管が狭くなった状態を「頸動脈狭窄症」、詰まった状態を「頸動脈閉塞症」と呼んでいます。
頸動脈狭窄症や頸動脈閉塞症になると、脳梗塞(アテローム血栓性梗塞)を発症する危険性が高まります。

 

頸動脈狭窄症にかかりやすい(黄色信号)が現れているかどうかのセルフチェック!

 

この病気が怖いのは全く症状が出ない人が4人に1人くらいの割合でみられることです。

 

以下に挙げた項目は、「頸動脈狭窄症」の危険因子といわれるものです。これらの因子を持っていると、それだけリスクも高まります。下記の項目にあてはまる人は、危険因子を一つでも減らすことを心がけるとともに、頸動脈の状態を確認しておきたいものです。

 

 

以下の項目のうち2つ以上該当する場合には、頸動脈エコー検査を受けていただくことをお勧めいたします。

 

  中高年男性である
  高血圧症にかかっている
  糖尿病にかかっている
  高脂血症にかかっている
  毎日お酒を飲んでいる
  タバコを吸っている

 


脳梗塞の前触れ(赤信号)を見逃さない!
頸動脈が狭くなった状態でも、脳梗塞を発症する前に前触れのような症状が起こることがあります。この黄色信号を見逃さないことが何よりも重要です。

 

以下の症状が一つでもあり、その症状があらわれて数分後に消える場合は、速やかにご相談ください。

  ろれつが回らない
  片側の手や足に力が入らない
  半身にしびれがある
  左右どちらの目で見ても真ん中から
     半分の視野がかける(半盲)