診察室から2018年:1月30日(火)<心療内科指導医の認定を受ける>

お待たせいたしました。<診察室から>は終了したのかとのご質問を多数いただきました。

 

年明け直後から何かにつけて忙殺され、ようやく復活できました。

 

タイトルを<診察室から2018年>に改めて、再出発します。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

私の診察室の机の上には、真新しい南江堂の<今日の治療薬2018>が届いていました。

 

毎年の医学の進歩には、凄まじいものがあります。これから、しばらくの間、日常診療に役立てるべく最新の治療薬についての情報を整理して検討するという孤独な作業が続きそうです。この作業は、毎日の診療の後に行っています。

 

 

この間の私の変化としては、去年の年末(2017年12月27日)に心療内科の指導医になっていたことがわかりました。

 

年明けになって日本心療内科学会登録指導医認定証が手元に届きました。

 

これは、学位や専門医資格とは異なり、私が特別な努力や手続きをしていただいたものではないので実感が湧いてきません。

 

指導医というのは、一般には、専門医の指導教育に当たる、より上位の資格とされてはいます。

 

しかしながら、心療内科の指導医資格は心療内科の専門医であれば誰でも認定される代物です。

 

ただし、心療内科の専門医はこれまで全国で117名(2017年10月1日現在)と、他領域の専門医数に比べて極端に少なかったため、専門医全員が指導医になっても足りないのが現状でした。

 

ちなみに私の認定番号は第011です。

 

 

医学部の教授や基幹病院の部長等であれば、実際に研修医をはじめ、専門医を指導するのは日常の業務なので、その領域の専門医であり、指導医であるというのは普通のことです。

 

 

これに対して、医師一人の個人開業医が指導医に認定されたことの意味を改めて考えてみることにしました。

 

 

所属に関わらず指導医となるとその専門領域に関して国際学会誌に論文を投稿したり、国を代表して国際学会にも参加して英語等で発表したりするのは普通のことです。

 

そうなると国内の医学会だけではなく、世界の医学会に向けてその意義を明確にしておく必要があります。

 

とくに、日本心療内科学会はドイツ心身医学会と2011年に姉妹関係を締結しているので、英語表記のみならずドイツ語表記が必要となってきます。そこで少し調べてみると指導医の英語表記については、各学会でまちまちでした。

 

つまり、指導医という資格や身分、それを実質的に裏付ける役割は、学会ごとにニュアンスが異なるということもいえそうです。

 

 

学会事務局に問い合わせたところ、指導医の英語表記はまだ決定されていないことがわかりました。

 

そこで、私が各医学会の現状について情報を収集することを仰せつかり、その資料を提出したところです。

 

そして今後、理事会で具体的な検討をはじめる方向になりました。

 

また、この機に、先進的な取り組みをしている専門開業医として、私は今後も毎年の国際学会に参加し、日頃の業績を発表し、さらにあらたな経験を得て、国内の学会に報告することをもって、指導医の役割の一端を果たしていこうと考えるに至りました。

 

 

心療内科とは何か?と尋ねられたときに、

高円寺南診療所で日々行っている全人的医療が心療内科のモデルです。

と胸を張って応えられるように精進したいと思います。

 

 

皆様、どうぞよろしくお願いいたします。