(心理)認知行動療法  HELP!力<15>

前回は「コンボイ・モデル(ソーシャル・サポート・ネットワークの三重の輪)」のお話をしました。

図1

 

人は悩んでいる時、まずは身近な人に助けを求めたり、相談したりすると思います。

 

 

それほどたいしたことでなければ、2番目の円、家族や友人に気軽に助けを求めるでしょう。

 

 

また勉強のことや病気のこと、制度のことといった専門的なことであれば、

 

一番外側の円、教師や医師、役所の職員のような関連する体系的知識や経験のある人たちに相談してみるでしょう。

 

 

ただ、より個人的であったり、深刻な悩みをもっていたりすると、

 

そう簡単には打ち明けにくいのではないでしょうか。

 

そのような場合は、一番内側の円、自分の弱いところを安心して見せられるような

 

親密な家族、親友に打ち明けることになるでしょう。

 

 

しかし、たとえ親密であっても、「わかってもらえないだろう」とか

 

「心配をかけたくない」という思いが働いたり、

 

非常に個人的な悩みだったりすると、逆に打ち明けられないことがあります。

 

 

そうやって悩みを一人で抱えこんでいると、

 

せっかくのソーシャル・サポート・ネットワークもその人にとって機能しなくなります。

 

当事者の悩みはますます深まり、心身とも弱っていき、

 

「HELP!」と言う気力もタイミングも失い、孤立を深めていきます。

 

 

そういった時に利用できるのが、臨床心理士をはじめとする専門家(心理カウンセラー)です。

 

(次回へ続く)

 

 

ストレス対処 MIYAJI 心理相談室(高円寺南診療所内)

 

主任 臨床心理士 宮仕 聖子