今月のテーマ<医療機関の科目標榜と専門医制度について>
第Ⅳ話:「心療内科」標榜の問題点
平成25年8月現在、精神科専門医数10,104名に対して心療内科専門医数127名に過ぎません。
全国の心療内科専門医数は精神科専門医数の1.3%にも満たないのです。
多少データが古いですが、厚生労働省の平成20年の統計資料(全国)によると、
精神科を標榜する病院1539、診療所5629
心療内科を標榜する病院590、診療所3775
これらの数字が何を意味するのか、単純に計算してみると、
心療内科を標榜する全国の医療機関(病院+診療所)4365施設
そこで心療内科専門医のみが心療内科標榜医療機関に所属していると仮定すると、
4365÷127=34.4、つまり、34施設を掛け持ちしなければならないことになります。
逆に心療内科専門医が一つの医療機関にのみ所属しているとすれば、
34施設あたり33施設までが心療内科専門医でない医師が心療内科を担当していることになります。
実際には、心療内科を担当しているのは、
心療内科専門医ではなく、ほとんどが精神科医だとされています。
これが、日本の心療内科の在り方を難しくしている最も大きな原因の一つなのです。
心療内科が精神科と同一視されている限り、
患者と心療内科専門医との深い理解と信頼関係の樹立は困難なように思われます。
心療内科は精神科の婉曲な表現として使用されている現実にしばしば遭遇します。
こうした誤解が深刻な状況に至っていることは、
ウェッブでの口コミを通してたびたび気づかされます。
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