血の分類と「調血航法」No.1

血は全身の血管を巡る赤い色の液体です。

 

 

この液体が、五臓六腑、骨・筋肉・皮膚などの諸組織に

 

栄養作用をもたらします。

 

 

血の病変の主なものとして血虚(ケッキョ)、

 

瘀血(オケツ)その他、血熱(ケツネツ)があります。

 

 

 

 

1)血病(血の失調)の分類

 

血の不足によるもの

 

血虚(ケッキョ)・・・貧血で栄養失調の状態

 

体内の血の量不足か、血の作用が減退した状態で栄養障害も含みます。

 

 

原因としては出血や種々の栄養障害が考えられます。

 

 

多くは氣虚(キキョ)を伴い、

 

氣血両虚(キケツリョウキョ)という状態ですが、

 

氣虚を伴わない血虚は痩せて色黒で肉が硬く活動力のある人に相当します。

 

 

<水氣道式自己鑑別法> 集中力が低下して、気が散り易い

 

『朝起きは何とかできるが朝食が進まない』、

 

『意欲はあるが持続力が無い』、

 

『水氣道の稽古に参加する氣力はあるが、体がだるくスタミナの不足を感じる。』

 

『水氣道の稽古をしてしばらくすると動悸や息切れや疲労を感じたり、めまい感やふらつきを覚えたりする。』

 

『稽古中、しばしばふくらはぎが痙攣する』

 

 

 

血の過剰によるもの

 

瘀血(オケツ)・・・血が滞っている状態

 

全身の血流の滞り、または局所の血液が停滞して生じる病的状態。

 

 

炎症による血管の変化、動脈硬化性病変、血液凝固因子の亢進、うっ血、

 

多血症等に伴う慢性的な変化は総じて瘀血です。

 

 

また、打撲や痔も瘀血と解釈できます。

 

 

特に女性では、月経およびその前後、

 

出産、産褥、更年期などに生じやすい病態です。

 

 

 

血熱(ケツネツ)・・・熱が血分に侵入することによって生じる症状。

 

 

血熱妄行して皮膚や粘膜の充血、新鮮血出血、紅斑等を生じます。

 

熱が心を侵すと異常興奮や意識障害、

 

うわごとなどの精神症状を呈することがあります。

 

 

発熱時に瘀血が関与して錯乱や出血など強烈な症状を呈したものをいいます。

 

 

 

 

<水氣道式自己鑑別法>

 

『稽古をすると、のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重感などが解消できる。』

 

『稽古直後までは元気で体も軽くなるが、稽古を終えてから少しずつ体が重くなる。』

 

『稽古した翌日か翌々日になって筋肉痛や疲労を感じる。』

 

この場合、以下のいずれかの傾向はないでしょうか。

 

 

 

1、『水氣道の稽古場に行けば充実した時間を過ごせて、

 

達成感が得られるが、前日に安眠できず便秘傾向もあるので、

 

何となく不安な気がして胸騒ぎがする。』

 

 

『ふだんから頭痛・肩こり・腰痛・生理痛など体の一部にコリや痛みがある。

 

水氣道の稽古をすると全体的には軽くなるが、

 

痛みやだるさが部分的に残ったままのことがある。』

 

瘀血

 

 

 

2、『水氣道の稽古中は涼やかで快適だが、

 

稽古の後から少しずつ全身がほてってきたり、

 

口が渇いてきたりする。』

 

 

『のぼせたり、カッとなったり、イライラしたり、

 

精神的に不安定で落ち着かない。』

 

 

『水氣道の稽古の後も、物足りなさを感じたり、かったるさを感じたりするので、

 

自分一人でひと泳ぎをするなどをして調整したくなる。』

 

血熱

 

 

次回は、それぞれのタイプ別の他覚徴候・診察所見について説明します。