Q2. 今年は、インフルエンザワクチンを接種した方が良いでしょうか?
新型コロナパンデミックが世界中を混乱させている一方で、インフルエンザの流行については情報が入ってきません。
A2. 今年も、インフルエンザワクチンを接種することをお勧めします。
実は、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスとの鑑別が十分に可能ではなかったのではないかということを強く示唆する間接的な発表がなされています。
米疾病管理予防センター(CDC)は7月21日、新型コロナウイルスについて、「PCR検査を推奨しない」とする新たなガイドラインを発表しました。
そして来年以降は、今後は新型コロナウイルスとインフルエンザを区別できる「マルチプレックスアッセイ」という検査法を推奨するとしています。
この発表でほぼ明らかになってきたのは、PCR検査はインフルエンザウイルスでもPCR検査で陽性になってしまう可能性があるということです。そして、「マルチプレックスアッセイ」法を導入してはじめて、両者を鑑別することができるということです。
このことから懸念されることは、毎日発表されているPCR陽性者数のなかには、インフルエンザ感染症者も含まれていたのではないか、という高い可能性です。
インフルエンザ感染症は、新型コロナウイルスと同様に遺伝子変異を来しやすいRNA型ウイルスですが、夏季に流行することは少ないです。しかし、9月を迎え、徐々に気温が低下し、大気が乾燥し始めると感染者が増え始めます。インフルエンザ感染のために、PCR陽性者とされてしまうと、ご本人が困惑するだけでなく、周囲の多くの方にも不必要な行動制限が及ぶなど不自由と心配をかけてしまうことになります。
今年のインフルエンザ感染シーズン中に、インフルエンザ感染の発生についての情報がほとんど入手できないことに対する疑問を感じていらした皆様は、すでに何となく不自然な現象だとお気づきであったかもしれません。
明日9月2日(木)は、「PCR検査についての問題点について」を掲載予定です。