4月19日(日)日曜日:ブラジル(ポルトガル)語旅行

ブラジル大統領ボウソナーウの研究No2.

 

「ブラジルのトランプ」と呼ばれるボウソナ⁻ゥ大統領は、コロナウイルスを「ちょっとした風邪」「あらゆる病気の最大の治療法は仕事だ」と言いきり、経済活動を重視しています。この点で、「第一に人々の生命、次に経済」という考えの保健省の大臣や各州の州知事と相反し、分裂劇が発生しています。

 

ブラジルのような新興国では、低所得者の比率が高いです。これは、たとえ、新型コロナ防疫に成功しても経済活動が停止したとたんに食べられなくなる人が続出し死亡者が急増することを意味します。そこで、コロナウイルスの防疫と経済活動はどちらも同じように重要です。欧米諸国のような多額の援助を国民にすることは不可能です。それだけに、政府の舵取りは非常に難しいことがわかります。

 

ボゥソナーゥ大統領はたびたびテレビで国民に呼びかけていますが、なかなか決定されない対策案に、国民の多くは苛立っているようです。それでも、ブラジル有数の調査会社ダッタ・フォーリャによると大統領の支持率は依然として高く58%に上っています。国民の半分以上はコロナウイルスも怖いが、餓死することをも恐れているからなのかもしれません。

 

国や州、市とは別に対策をとっている地域としてファベーラと呼ばれる貧困街があります。サンパウロやリオ・デ・ジャネイロなど都会には、出稼ぎに訪れている人も暮らすこうした街が複数あり、多くは麻薬組織が仕切っています。そこが犯罪の温床になっているとされる一方、強固なコミュニティがあることでも知られており、ブラジルの二面性を垣間見た感じがします。

 

さて、先週に引き続きポルトガル語のジャーナルを引用します。政治・経済・文化の背景を知らずに、私たちのイメージだけで判断してしまうと、なぜこのような事態が生じているのかがわからなくなっていたことでしょう。

 

 

Isolamento do presidente

 

大統領の孤立

 

 

A iniciativa de Bolsonaro de concentrar o anúncio de medidas sobre a covid-19 no Palácio do Planalto se deu em meio a um processo de esgarçamento do seu apoio em diversos setores, avalia a cientista política Marcia Ribeiro Dias, professora da Universidade Federal do Estado do Rio de Janeiro (Unirio).

 

大統領府でCOVID-19対策の報道を集約しようとするボウソナーウの指導力は、数多くの部門が(コロナ)対策支援を容易にしようとする過程で行われた、とリオデジャネイロ連邦大学教授の政治学者のマルシア・リベイゥ・ディアスは言う。

 

 

Além da divisão dentro do governo – ministros importantes, como Luiz Henrique Mandetta (Saúde), Sergio Moro (Justiça) e Paulo Guedes (Economia), manifestaram apoio ao isolamento social ou compreensão com a importância da medida –, Dias identifica desgaste do presidente entre a população, o setor militar e empresários, o que o acabou deixando "muito isolado".

 

政府内部の部門に加えて、ルイス・エリンケ・マンデッタ(保健相)、セルヒオ・モル(法務相)、パウル・ゲデス(経済相)などの重要閣僚は、隔離支援すなわち対策の重要性を理解すべきことを表明したーディアス教授は、国民、軍部、産業界の間で、こうした分裂がもとで大統領が自分自身を「究極の孤立」に導く結果を招くことになるとの不快感を表明している。

 

 

"Tivemos, nos últimos 12 dias, panelaços nas principais capitais, não se viu algo assim nem no auge da impopularidade da [ex-presidente] Dilma [Rousseff]. Entre os militares, há sinais demonstrando contrariedade com o discurso do presidente. E, mesmo nos segmentos empresariais mais bolsonaristas, a maioria entendeu que não dá para andar na contramão do mundo", afirma.

 

「直近の12日間で、主要都市において不人気の絶頂期であった前大統領ジルマ・ルセフですらそのようなことはなかった。軍部内では、大統領演説に反する姿勢を示している。もっとも零細企業部門においてさえ、世界に逆らってはやっていけない」ことを肯定した。

 

 

Para a cientista política Rachel Meneguello, da Unicamp, Bolsonaro vinha perdendo controle sobre a narrativa do seu próprio governo. "A centralização da comunicação é apenas um recurso do presidente para procurar retomar voz nacional, mas não creio que, à essa altura, em que a gravidade da situação mundial e nacional está já compreendida por boa parte da população, essa estratégia tenha sucesso", diz.

 

ウニカンプ大学の政治学者のラケル・メネヘヨに対して、ボルソナウは自分自身の政治についての説明の制御不能に陥っていた。「報道の集権化は国民の声を取り戻すことを模索する大統領にとって唯一の資源だが、私は今回についてはそれを信じることはない。世界と国家の状況が非常事態にあることは、国民の大多数によってすでに周知のものとなっているので、この闘争は成功することだろう」という。