東京藝大大学院音楽研究科(修士課程) 学位審査会公開演奏会を聴いて

2月3日(月)

平成元年度(第56回)の修士課程学位審査公開演奏会は、

1月14日(火)11:00から始まり、2月3日(月)14:30頃に終了しました。

 

最終日の最終演奏が、聖楽院協力アーティストの小松奈津子さんの発表にあたるため本日は、聖楽院基礎科A組の特別課外体験レッスンという名目で、藝大の奏楽堂に向かいました。

 


小松奈津子さんは、藝大大学院で古楽を専攻し、バロック声楽を専門とするソプラノ歌手です。

学位審査というアカデミックな演奏会に相応しく、プログラムに記載されている学位のテーマは「A.スカルラッティのソプラノ独唱のための世俗作品-手稿譜に基づいた演奏解釈を中心にー」とありました。

 

藝大内の奏楽堂で演奏される専攻は独唱、オルガン、オペラそして古楽のみであす。

 

そして、小松さんの声楽のための伴奏を担当する古楽器は、リコーダー、ヴァイオリン、チェロそしてチェンバロが揃うなど、とても贅沢なひと時を過ごすことができました。

 

ホール後方が教員席、中ほどが一般席、前方はクローズドにされていました。予想以上の数の聴衆が一般席に陣取っていました。

 

演奏曲を紹介します。

Jean-Baptiste Drouart de Bousset (1662‐1725)

<Pourquoy, doux Rossignol>

 

Jean-Baptiste Drouart de Bousset

<Quel’angelica bocca ≻

 

Alessandro Scarlatti (1660-1725)

  Cantata 《Solitudini amene》

 

Alessandro Scarlatti

 <Son tutta duolo> Opera 《La donna ancora è fedele》

 

Alessandro Scarlatti

 Cantata 《La Fenice》

 

 

プログラムはJean-Baptiste Drouart de BoussetとAlessandro Scarlattiという同時代を生きた2人の作曲家の作品です。

後者のA.スカルラッティはイタリア古典声楽曲集などでも必ず収載されている名曲も多く、小松さんはこの作曲家の作品を研究して演奏発表に臨んだものと思われます。

 

本日、小松奈津子さんの演奏を聴くことができた方は幸運だったと思います。

 

小松さんの生の演奏の様子をお届けできないのは残念ですが、その代わり、youtubeで検索できたA.スカルラッティの <Son tutta duolo>「私は悩みに満ちて」を他の演奏者による音源をご紹介します。

 

この曲は、聖楽院基礎科の皆様と勉強してみたい曲の一つです。すべての声種(カウンターテナーも含む)で歌うことができます。

 

 <Son tutta duolo>


イタリア語歌詞および日本語訳つき

テノール 井原義則 「私は悩みに満ちて」


メゾソプラノ Cecilia Bartoli


María José Burguillos del Valle