水氣道の稽古は弥撒(みさ)形式で発展し、進行している。
水氣道は、どうやら弥撒(みさ)形式で発展し、進行しているようです。
そのことに気づいたのは、親水航法を始めた頃でした。
つまり、私が水氣道を弥撒(みさ)形式に整えたのではなく、水氣道参加者全体が、知らず知らずのうちに、弥撒(みさ)形式に導かれ始めた、
あるいは、水氣道創始のインスピレーションは、弥撒(みさ)形式に導かれてきたといってもよいのかもしれません。
水氣道の恐ろしさの源泉は、ここに由来するのかもしれません。
また水氣道の稽古の前に、私に指示されることもなく、自律訓練法(註)を試みている会員は、私からではなく、導き手によって、すでに選ばれて、直接導かれている姿を示しています。
水氣道が水中自律訓練法と呼ぶべきものであろうことは、水氣道という名称が定まる以前から、私が体感していたことでした。
(註)
自律訓練法の原点は、ドイツの大脳生理学者オスカー・フォクトの臨床的催眠研究です。フォクトの研究に刺激されたシュルツは、練習によって自分自身で心身の弛緩を体系的に進めるとその結果催眠と似た状態が自然発生的に作り出せると考えました。
この方法の実験的、および臨床的研究結果をまとめ、臨床的にも有用なことを明らかにしました。
1932年シュルツは著書『自律訓練法(Das Autogene Training)』を公にしました。
日本で自律訓練法が初めて紹介されたのは1950年代に入ってからのことで、現在では、心身医学療法の最も基本となる3本柱の第一に位置付けられています。
我が国では厚生労働省によって認められた限られた数の『広告可能な専門医』の中でも、とりわけ数の少ない心療内科専門医として、さらに、その指導医としての私の使命の一つが、この自律訓練法の普及と発展にあることは、自覚をあらたにしなければならないと考えています。
なお、自律訓練法の提唱者シュルツ医師の父は牧師であったことを知ったことが契機となり、自律訓練法の公式と「主の祈り」の関連性に着目するようになり、2011年に、飯嶋はカトリック月刊誌『福音宣教』4月号に発表しました。
ご希望の方には複写した見開き二頁の印刷物を差し上げます。
さて、日々の水氣道(本稽古)の流れは、以下の通りです。
稽古会場へ入る際の一礼、退出する際の一礼は、励行したいものです。
水中訓練は、親水航法からはじまり、イキイキ体操、基本五航法、応用航法(発展航法)、のびのび体操の五段階です。
これらは、また東洋哲学の「五行説」(木・火・土・金・水)にも対応していることにも気づかされます。
水氣道の動作は、「陰陽説」に対応して、陰と陽、虚と実が、相互に交替しながら進行していることと合わせて、「陰陽五行説」に親和性が高いことにも気が付かされました。
つまり、水氣道の稽古の仕組みは、方略的には五行説、方術的には陰陽説に則っていると考えると、理解の助けになるのではないか、と思います。
これらのことは、空論で終わらせるべきではないので、皆様の稽古が十分進んだ段階で、いずれかの機会に恵まれれば、実践を通して紹介させていただきたいと思います。
親水航法(キリエ)木
求憐誦(憐みの賛歌)(神に憐みを求める祈り)
私が心密かに唱えている言葉《主よ、憐み給え…》
自律訓練法(標準訓練)の背景公式から第六公式「額涼感公式」までを実践しています。
イキイキ体操(グロリア)火
栄光頌(栄光の賛歌)
私が心密かに唱えている言葉《天には神に栄光、地には善意の人に平和あれ…》
基本五航法(クレド)土
信経(信仰宣言)
私は自律訓練法(標準訓練)の第一から第五公式を五航法の流に沿って実践しています。
・第一航法(素歩き)自律訓練法(標準訓練)第一公式「重感公式」
私が心密かに唱えている言葉《私たちの日毎の糧を…》
・第二航法(棒歩き)自律訓練法(標準訓練)第二公式「温感公式」
私が心密かに唱えている言葉《今日もお与えください。》
・第三航法(前蹴り歩き)自律訓練法(標準訓練)第三公式「心拍公式」
私が心密かに唱えている言葉《私たちの罪をお赦しください。》
・第四航法(つま先浮かし歩き)自律訓練法(標準訓練)第四公式「呼吸公式」
私が心密かに唱えている言葉《私たちも人を赦します。》
・第五航法(前後蹴り歩き)自律訓練法(標準訓練)第五公式「丹田公式」
私が心密かに唱えている言葉《私たちを誘惑に陥らせないでください。》
応用航法(サンクトス)金
三聖頌(感謝の賛歌)
私が心密かに唱えている言葉《聖なるかな、…》
なお、発展航法(ベネディクトス)が加わることがあります。
私が心で唱えている言葉《誉むべきかな、…》
のびのび体操(アニュス・デイ)水
神羔頌(平和の賛歌)
私が心密かに唱えている言葉《神の子羊、世の罪を除きたもう主よ…》
最後に、「私が心密かに唱えている言葉」と書きましたが、実は内緒で歌っています。
そんなところから、<聖楽療法>が生まれ、現在、聖楽院という組織が出来上がりました。
杉並令和音楽祭(11月14日)は、水氣道と聖楽院と杉並国際クリニックが三位一体となった祭典として花開きます。皆様のご協力、ご関心、ご興味に感謝いたします。
水氣道 創始者 飯嶋正広
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