消化器・代謝内分泌内科 Vol.4

今月のテーマ「糖尿病の最新医療」

      

肥満と糖尿病

 

肥満症は、わが国でも激増している現状を受けて、

 

日本肥満症学会が診断基準と治療指針を作成しています。

 

 

その際に、大切なのは肥満(症)の基準が日本と欧米では異なるということです。

 

 

欧米ではBMIが30以上を肥満と定義していますが、

 

日本肥満学会では25以上を基準として採用しています。

 

 

さて、BMIBody mass index)とは、

 

身長(m)の二乗に対する体重(Kg)の比で体格を表す指数です。

 

 

このBMIが男女とも22のときに高血圧、脂質異常症、肝障害、耐糖能障害等の有病率が

 

最も低くなるということがわかってきました。

 

 

そこでBMI=22となる体重を理想としたのが標準体重です。

 

 

BMI 25以上を肥満と判定しています。

 

 

もともと日本では肥満が少なく、日本人は欧米の白人と比べて、

 

膵臓のβ細胞がデリケートで体重増加による

 

糖尿病等の発症のリスクが合併しやすいことが知られています。

 

 

肥満者はインスリン抵抗性が高く、

 

糖尿病を来した場合にはインスリン抵抗性改善作用を有するビグアナイド(メトホルミンなど)、

 

チアゾリジン誘導体(ピオグリタゾンなど)が用いられます。

 

 

中枢性食欲抑制薬(マジンドール)は、高度肥満者のみが適応となります。

 

 

糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬は、食欲抑制作用があるので、

 

肥満を抑制する作用を持っています。

 

 

日本で減量手術として保険収載されているのはスリーブ状胃縮小術のみです。