循環器・腎臓・血液内科 Vol.2

今月のテーマ「血液病の最新医療」 

 

 

<骨髄異型性症候群(MDS)>

 

 

骨髄異型性症候群とは、骨髄中の造血幹細胞に異常が起き、

 

正常な血液細胞が造られなくなる病気です。

 

正常な血液細胞が減少することで、貧血、出血傾向、感染に伴う発熱などの症状が現れます。

 

 

成熟した細胞になる途中で血液細胞が壊れてしまう「無効造血」や、

 

造られた血液細胞の形が異常になる「異形成」といった特徴が認められます。

 

また、一部では、MDSが進行し「芽球」と呼ばれる

 

未熟で異常な細胞が増える「急性白血病」に移行することがあります。

 

 

MDSの中で、「芽球」増加が無く、

 

5番染色体長腕欠損<del(5q)>を有する病型があり、5q-症候群として知られています。

 

 

このタイプの特徴は中年女性に多く、骨髄中の芽球は5%未満で白血病転化しにくいことです。

 

 

5q-症候群の約3分の2の患者は、レナリドミドの投与にて輸血不要となり、

 

異常核型も減少・消失します。

 

 

MDSは染色体異常を調べないと<急性骨髄性白血病(AML)>との鑑別が難しい場合があります。