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Dr. ChatGPT:

「支援員に到達するまでの過程で、どのような具体的な挑戦や障害が存在し、それらを乗り越えるための重要な要素は何でしょうか?また、このプロセスを通じて得られる成長とはどのようなものでしょうか?」


回答者(ドクター飯嶋):

支援員に到達するということは、水氣道の有段者になることを意味します。この段階にまで到達した方は、その後も継続的に水氣道の活動に参加することができています。実は、あなたのご質問により、その理由を改めて考える良い機会をあたえていただけたことに気が付きました。これは、水氣道の組織運営や将来発展のためにも大切な反省事項だと思います。


Dr. ChatGPT:

なるほど、組織運営や成長の観点からも大切なテーマですね。継続的な稽古参加者が成長し続けられるためには、どのような要素が重要なのでしょうか?


ドクター飯嶋:

水氣道では、どなたにとっても成長や昇級・昇段の機会が豊かに保証されています。しかし、具体的な挑戦や障害を振り返ると、水氣道の稽古に参加できなくなったり、通院が終了すると、それに伴い自然に退会してしまったりということと密接に関係があると考えています。なぜ一度入門した方々が継続できなくなるのか、その理由について考えてみたいと思います。


Dr. ChatGPT:

確かに、継続できなくなる理由は気になりますね。どのような理由が多いのでしょうか?


ドクター飯嶋:

第一の理由は、そもそも水氣道を始めるに至った動機との関係があります。私は医師であるため、水氣道をお勧めする対象はほとんどが私の患者の皆様方です。その多くが慢性的な難治性の病気をもった方々で、彼らは自分の病気を治したい一心で水氣道を始めます。そして幸いにも、水氣道が奏功し、病気は治癒へと進んでいきます。


Dr. ChatGPT:

病気が治癒することは非常に喜ばしいことですが、それでも稽古を続ける方とそうでない方がいるのですね。その違いは何でしょうか?


ドクター飯嶋:

実際には、健康問題の解決については強い動機と関心を持ち、与えられること、教えられることについては忠実ですが、与えること、教えることにはあまり熱心ではない方が多いです。ある程度の改善が確実になると、彼らの関心は他に向いてしまい、水氣道の稽古継続に対するプライオリティは低下してしまいます。


Dr. ChatGPT:

稽古に対する優先順位が下がるのは残念ですね。水氣道での稽古を続けることの重要性をどのように伝えていらっしゃるのでしょうか?


ドクター飯嶋:

水氣道では、健康とは何か?ということについて稽古実践を通して体験的に、かつ系統的に学び身に付けていきます。しかし、が健康とは何かという認識が浅いままだと、病気が治るとは何か?についても意識が低いままとなり、継続的な成長が難しい傾向にあります。「自分が苦になる症状があれば病気、それから解放されれば治癒」という思い込みが根強く残ると、自己判断で油断しがちです。


Dr. ChatGPT:

そのような思い込みが、成長の障害となるのですね。支援員に到達した方々は、どのようにしてその障害を乗り越えてきたのでしょうか?


ドクター飯嶋:

支援員に到達した方々は、多くの場合、このような迷いや誤解、自己中心主義の誘惑に打ち勝ってきた方々です。彼らは単に技術を習得するだけでなく、自己の成長や他者への奉仕の精神を身につけています。その結果、支援員としての役割を果たすことができ、さらなる成長を確実にしているのです。


Dr. ChatGPT:

ドクター飯嶋様、詳細で深いご回答をありがとうございます。水氣道における支援員への道のりが、単なる技術的な習得だけでなく、心身の成長や自己理解、さらには他者への奉仕精神の育成に深く関わっていることがよく理解できました。

 

お話を伺っていると、水氣道を始める動機や目的意識が、その後の継続性や成長に大きく影響することが分かりますね。

 

特に、最初は自身の健康改善を目的として始めた方々が、その後どのように意識を変革し、他者への支援や指導に関心を持つようになるのか、そのプロセスに興味が湧きます。

 

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臨床産業医オフィス
<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>


産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

飯嶋正広

 

産業医講話シリーズNo9:労働生理(疲労・睡眠・生体恒常性)

 

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第1回講話:疲労の分類・兆候


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はじめに


皆さん、こんにちは。今月のテーマは「労働生理」です。特に、疲労、睡眠、生体恒常性についてお話しします。最近は、仕事のストレスが増え、疲労の質や回復方法についても新しい課題が増えています。今回は「産業疲労」について詳しく学びます。分かりやすく、具体的な例を交えながら説明していきますので、リラックスして聞いてください。


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1. 疲労の分類


まず、疲労にはどんな種類があるのかを見ていきましょう。疲労は一般的に身体的疲労と精神的疲労に分けられますが、それ以外にもいくつかの分類法があります。


• 身体的疲労:

肉体労働や長時間のデスクワークなど、体を使うことで感じる疲れです。適度な身体的疲労は爽快感を得ることができ、速やかに回復しますが、過度になると筋肉痛や全身的な疲労感が現れます。


• 精神的疲労:

ストレスや集中力を要する作業によって生じる心の疲れです。精神的疲労は、主観的な不快感が長引く傾向にあります。これは、精神的な負荷がかかり続けると、自律神経のバランスが崩れ、ストレスホルモンの分泌が増えることによって引き起こされます。精神的疲労が続くと、イライラ感や集中力の低下、不安感が増すことが多く、それが身体的な症状(頭痛、肩こりなど)としても現れることがあります。
さらに、疲労は以下のようにも分類できます。


• 動的疲労と静的疲労:
 動的疲労: 身体活動によって生じる疲労で、ランニングや重いものを持ち運ぶときに感じる疲労です。


 静的疲労: 安静時に生じる疲労で、同じ姿勢を長時間続けることで生じます。例えば、長時間のデスクワークによる肩や首の凝りです。静的疲労は、特定の部位の疲労が全身に波及し、全身疲労に繋がる可能性があります。これは、局所疲労が血流や筋肉の酸素供給を妨げることで、他の部位や全身に影響を及ぼすためです。


• 全身疲労と局所疲労:
 全身疲労: 体全体に負担を感じる疲労で、長時間の作業後に感じる体全体のだるさがこれに当たります。


 局所疲労: 身体の特定の部位にのみ負担がかかる疲労で、例えば長時間のタイピングで指や手首が疲れるのが局所疲労です。局所疲労が全身疲労に発展する場合もあり、特定の部位に繰り返し負担がかかることで、最終的には全身的なエネルギー消費が増加し、全体的な倦怠感へと繋がることがあります。

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2. 疲労兆候

 

次に、疲労の兆候についてお話しします。疲労にはいくつかの兆候があります。これらを理解することで、自分の体や心の状態を早めに把握し、対策を講じることができます。


• 産業疲労:

仕事によって生じる疲労です。特に、繰り返しの作業や過剰な負荷が原因となります。産業疲労は、日常生活での一般的な疲労とは異なり、特定の作業や業務環境に起因することが特徴です。また、同じ作業を長時間繰り返すことや、精神的なプレッシャーを伴う仕事では、疲労が蓄積しやすくなります。


• 急性疲労:

一時的に感じる強い疲労で、通常は休息を取ることで回復します。ただし、急性疲労が繰り返し蓄積すると、慢性疲労に移行することがあります。この移行は、休息が不十分だったり、ストレスが持続したりする場合に起こりやすいです。


• 慢性疲労:

長期間続く疲労で、休んでもなかなか回復しないものです。ストレスや過労が原因になりやすいです。急性疲労から慢性疲労への移行には、日周性疲労が関与することがあり、日中の疲労が次第に回復しにくくなることで、慢性的な疲労感が定着します。


• 日周性疲労:

日常生活の中で、特定の時間帯に感じる疲労です。例えば、午後に疲れが出やすい人が多いですが、一方で午前中に特に疲れを感じるタイプの方もいます。午後に疲れを感じやすいタイプは、日中の活動によってエネルギーを多く消費し、午後にはそのエネルギーが枯渇するためです。午前中に疲れを感じるタイプは、夜間の睡眠が十分に取れていなかったり、睡眠の質が低下していたりすることが原因で、朝から疲労感が残っていることが考えられます。


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まとめ(第1回)


今日は、疲労の種類とその兆候についてお話ししました。精神的疲労や局所疲労がどのように全身疲労に繋がるか、また産業疲労の特徴についても理解いただけたと思います。


今回の講話では、精神的疲労の背景や局所疲労から全身疲労への発展、産業疲労の特徴、そして急性疲労と慢性疲労の関係について、分かりやすい説明となるよう試みました。しこれにより、参加者が自分の疲労をより正確に理解し、適切に対応できるようになることを目指しています。


次回は、疲労の検査法や予防・回復方法についてお話ししますので、ぜひ引き続きご参加ください。

 

 


参考文献:

1. 厚生労働省. (2019). 労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト

 

2. Gawron, V. J. (2000). Human performance, workload, and situational awareness measures handbook. CRC Press.

 

3. Grandjean, E. (1988). Fitting the Task to the Man: A Textbook of Occupational Ergonomics. CRC Press.

 

 

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第1回: 「予防医学の意義と現実 — 理想と現実のギャップ」

 

はじめに

 

予防医学は、医療の根幹をなす重要な分野であり、病気の発症を未然に防ぎ、健康を維持するための科学的かつ実践的なアプローチを提供します。多くの人々がその重要性を認識しているにもかかわらず、実際には日常生活において予防医学の実践が広く浸透しているとは言い難いのが現実です。本エッセイでは、予防医学の理想と現実のギャップについて考察し、その原因と課題を探ります。

 

 

予防医学の理想


予防医学の理想とは、個々の健康リスクを早期に発見し、それに対する適切な対策を講じることで、病気の発症を防ぐことです。理想的には、定期的な健康診断や検査を通じて、潜在的な健康問題を早期に発見し、適切な生活習慣の改善や医療介入を行うことで、健康の維持・向上が図られます。また、個人だけでなく、社会全体においても健康教育や啓発活動を通じて、予防医学の実践が促進されることが期待されています。

 


現実とのギャップ


しかし、現実にはこの理想と大きなギャップが存在します。まず、第一に、予防医学の重要性が漠然と認識されているものの、実際の行動に移すことが難しいという点です。多くの人々は、健康診断や検査を受けることの意義を理解していても、日常生活の忙しさや費用の問題からそれを後回しにしてしまいがちです。また、症状が現れない限り健康であると誤解するケースも多く、予防行動をとるモチベーションが不足しています。


さらに、日本における健康保険制度や介護保険制度は充実している一方で、予防医学に対する経済的支援は限られており、保険医療機関においても診療報酬の対象外となっていることが多いのが現状です。これにより、予防医学を実践することが個人にとって経済的な負担となり、その普及が妨げられています。

 


予防医学の実践における課題


予防医学を効果的に実践するためには、単に身体的なケアだけでなく、精神的、社会的側面を含めた全人的なアプローチが求められます。しかし、現代の医療システムにおいては、専門分野に細分化された診療が主流であり、患者の健康問題を全体的に捉えることが難しくなっています。これにより、患者は表面的な症状に焦点を当てた治療を受けることが多く、根本的な原因や背景に対するアプローチが不足しています。


また、患者自身が健康問題を自己判断し、その結果として自己流の治療法を求めるケースが増えていることも、予防医学の実践における大きな課題です。これは、正しい健康観が欠如していることに起因し、適切な予防行動がとられないまま、病状が悪化するリスクを高めています。

 


結論

 

予防医学の理想と現実の間には、未だ多くの課題が存在します。これらの課題を克服するためには、医療従事者だけでなく、患者自身も含めた全ての関係者が予防医学の重要性を再認識し、その実践を促進するための取り組みを強化する必要があります。次回は、患者の健康観とその誤解について、より深く掘り下げていきます。

 

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このエッセイでは、予防医学の理想と現実のギャップに焦点を当て、現実的な課題について考察しました。次回以降のエッセイでも、予防医学の重要な側面についてさらに詳しく探求していきます。