『嘱託産業医』の相談箱

 

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9月9日(月)

 

臨床産業医オフィス

<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>

 

産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

 

飯嶋正広

 

産業医講話シリーズNo1.:

労働衛生管理について

 

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はじめに

 

皆さん、こんにちは。今日は、労働衛生管理についてお話ししたいと思います。おそらく、普段の業務の中で「労働衛生管理」という言葉はあまり耳にしないかもしれませんが、実は私たちの健康や安全を守るために非常に重要な取り組みです。

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労働衛生管理とは?

 

まず、「労働衛生管理って何?」というところからお話しいたしましょう。労働衛生管理というのは、簡単に言うと、私たちが安全で健康的に働けるようにするための取り組みのことです。その目的は、危険な要因や有害な要因を取り除いたり、できるだけ少なくしたりすること、そして健康障害を防ぐことです。でもそれだけじゃなくて、私たちの健康をもっと良くすることや、働く場所を快適にすることも目指しているのです。

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3つの基本管理


労働衛生管理には3つの基本的な柱があります。それが「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の3つです。まず、これを簡単にご説明しましょう。


1. 作業環境管理

o これは、私たちが働いている環境そのものを管理することです。たとえば、職場の空気はちゃんときれいか、温度や湿度は適切か、騒音がひどくないか、そういうことを確認します。具体的には、作業環境測定というものを使って、有害な物質がどれくらいあるのか、音がどれくらいうるさいのかをチェックします。これを定期的に行うことで、問題があればすぐに対策を講じることができるのです。

 

2. 作業管理

o これは、実際にどのように仕事をするかを管理することです。作業の手順を決めたり、安全に作業をするためのルールを作ったりします。また、機械や設備がちゃんと安全に使えるように、定期的に点検することも含まれます。私たちが安心して働けるようにするためには、こうした管理が欠かせません。

 

3. 健康管理

o 最後に健康管理です。これは皆さんの健康状態をチェックして、必要なサポートを提供することです。定期健康診断やストレスチェックは、この一環です。また、もし体調が悪いと感じたときに、すぐに相談できるような仕組みを整えることも大切です。これによって、病気の早期発見や予防ができるようになりますし、皆さんが健康に働き続けられるようサポートします。

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作業環境要素について

 

それでは、もう少し詳しく作業環境管理について話しましょう。職場の環境には、私たちの健康に影響を与える様々な要素があります。例えば、職場の空気に含まれる化学物質、ホコリ、騒音、温度や湿度、照明の明るさなどです。これらの要素が適切に管理されていないと、健康を害するリスクが高まります。だからこそ、定期的な作業環境測定が大事なんです。


例えば、ホコリが多い職場では、呼吸器系の病気になるリスクが高くなりますし、騒音がひどいと、聴力に影響が出たり、集中力が低下してミスが増えることがあります。温度や湿度が不適切だと、熱中症や風邪のリスクも高まりますね。こうした要素をしっかり管理することで、皆さんが安心して働ける環境を作り出せるのです。

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まとめ
今日は、労働衛生管理の基本的なことについてお話ししました。安全で健康的な職場を作るためには、作業環境、作業方法、そして健康管理の3つの柱が大事なのです。皆さんの日々の業務が、この3つの柱で支えられているということを知っていただければと思います。


もし、今日の話の中で何か気になることや質問があれば、どうぞ遠慮なく聞いてください。皆さんが健康で快適に働ける職場づくりを、一緒に進めていきましょう。