金曜シリーズ < よくある問い合わせ ㉘ >

 

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先週の話題をより身近な質問を題材にして再検討してみましょう。


ある日、私のクリニックの会員患者のお1人が、「飯嶋先生のようなライフワークを続けていれば誤嚥性肺炎にはなりにくそうですね?」と発言されました。

 

私は、誤嚥性肺炎防止を念頭に置いて毎日を過ごしている訳ではないのですが、「確かに、一理ある」と思いました。しかし、それと同時に、この発想を検証するのは難しいであろうことも考えました。そこで、次のような質問を用意してみることにしました。

 

 

インタヴュアー(ドクター飯嶋)


空気嚥下症により腹部膨満に苦しむ患者が、誤嚥による肺炎を予防するために、外国語の勉強をして適切な発音を学んだり、クラシック声楽を楽しんだりすることは有効な手段の一つとなり得るでしょうか?

 

 

ChatGPT

空気嚥下症による腹部膨満を予防するために、外国語の勉強やクラシック声楽を通じて適切な発音を学ぶことは、一般的な予防方法とは異なりますが、効果的な手段となり得ます。以下にその理由を示します。


1. 呼吸トレーニング:

外国語の勉強やクラシック声楽の練習は、呼吸技術や制御を向上させることができます。適切な呼吸パターンを習得することで、口や喉に余分な空気を含まないようにし、空気嚥下のリスクを減らすことができます。


2. 発声と嚥下の連動:

声楽のトレーニングや外国語の発音練習では、喉や口の筋肉の調整が必要とされます。これにより、正確で制御された発声が可能となり、嚥下時に口や喉に空気が進入するリスクを減らすことができます。


3. 気道の制御:

外国語の発音や声楽の練習を通じて、気道の制御が向上します。このため、誤嚥や肺に空気が入るリスクが減少し、肺炎を予防する助けとなります。


ただし、これらの方法が必ずしも効果的であるかどうかは個々の状況や能力によります。空気嚥下症の症状や原因にはさまざまな要因が関与するため、個別の治療計画を医師や言語聴覚士と相談することが重要です。それに加えて、呼吸療法や嚥下リハビリテーションなどの専門的なアプローチも検討されるべきです。

 

 


ドクター飯嶋のコメント:


ムッシュGPTは一般的な総論においては肯定しているようです。これは、質問者や私と共通する理解です。しかし、どうしても個人差の問題があるため、クリアな結論は出せません。


これも私と同じ立場です。とくに「空気嚥下症による腹部膨満を予防するために」という前提であっても、この質問者がすでに空気嚥下症という診断が成されている場合、「腹部膨満を予防」と言っても、実際には「腹部膨満を伴う空気嚥下症」の治療に役立つかどうか、という質問だからです。

 

予防と治療は無関係ではありませんが、この場合の予防は再発予防なので、早期発見・早期治療が求められる第2次予防と同列に扱われることになります。


ただし、この場合であっても、そもそも、このような症状を経験したことがない皆様の発症予防についてであれば、これは第1次予防に該当します。

 

私は、「水氣道」と同様に、外国語の勉強やクラシック声楽を専門家の指導で続ければ、少なくとも1次予防には有効なデータを出せると考えております。なお、「水氣道」を定期的に継続している方は、2次予防にも有効となったケースを多数経験してきました。