私たちは何故、英語以外の複数の外国語も学ぶ必要があるのでしょうか?

 

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私たちは何故、英語以外の複数の外国語も学ぶ必要があるのでしょうか?

 

 

ここまで日本語以外に、英語をはじめ、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ロシア語、中国語など7つの外国語で、単純にOpenAIそのものに対する同じ内容の質問をChatGPTに試みたところ興味深い結果を得ました。


私は個人的に、組織の設立者(イーロン・マスク氏など)の情報は重要だと考えていますが、日本語、英語、イタリア語の回答では具体的に示されていないことを疑問に思いました。

 

これからの時代は、英語以外の複数の外国語を学ぶ必要があるかもしれません。

 

 

<質問21>

OpenAIについて興味があり、少しでも多くの情報を得たいので、複数の言語で質問をしました。

質問する言語によって回答の内容が少しずつ異なり、情報の量や質、具体性などの違いがありますが、どうしてこのような違いが生じるのか教えてください。


ChatGPT

質問の言語による違いは、主に言語モデルがその言語に特有の文化、ニュアンス、表現方法を学習しているためです。私はGPT-3.5言語モデルとして訓練されており、複数の言語での質問に対応できるように設計されています。ただし、各言語において学習データの質や量に違いがあるため、回答の内容にも違いが生じることがあります。


具体的には、英語については豊富な学習データがありますが、他の言語においてはその情報が制限されている可能性があります。その結果、言語ごとに回答の信頼性や具体性に差が生じることがあります。


また、文化的背景や地域差も考慮する必要があります。異なる言語や文化では同じ言葉でも異なる意味や文脈で使用されることがあります。それにより、回答の適切さや理解度にも差が生じる可能性があります。


総じて、質問の言語による違いは、言語モデルが学習したデータの特性とその言語における表現の複雑さに関連しています。

 


飯嶋医師のコメント:

上記の回答をまとめ直して考察してみます。


1)質問の言語による回答の内容の違いの原因:

主に言語モデルがその言語に特有の文化、ニュアンス、表現方法などの複雑な要素までをも学習し、各言語において学習データの質や量などのデータ特性に違いがあるため
  

⇒各言語ごとにデータ特性(質・量)に違いがあるということは、前回までの調査で確認することができました。

 


2)英語の優位性:

ムッシュChat GPTの訓練背景として、GPT-3.5言語モデルとして訓練され、複数の言語での質問に対応できるように設計されているが、英語については豊富な学習データがあるのに対して、他の言語においてはその情報が制限されている可能性がある。


⇒たしかに、英語については豊富な学習データがあることは、それが学習データの量についてであれば了解可能です。しかし、これは、必ずしも英語での学習データの質までをも保証するものではなさそうです。学習データに限らず、データ情報は量よりも質が決定的に重要であると私は考えています。圧倒的な情報の洪水に押し流されないように懸命に吟味していくことが望まれます。

 


3)文化的背景や地域差:

異なる言語や文化では同じ言葉でも異なる意味や文脈で使用されることがあり、それにより、回答の適切さや理解度にも差が生じる可能性がある。


⇒この回答は、一般的で紋切り型だと思います。質問者である私は、もし複雑な質問をすれば、こうした回答がよこされることを予測していました。そのため、簡潔で単純な質問にしました。使用言語の違いによって基本的な意味や文脈による回答の差異が出にくいように工夫してみたのです。


「OpenAIとは何ですか?」という内容の質問は、最も基本的な文法構造の質問形体であるとともに、異なる言語や文化で概念に違いがでにくい一般的な技術用語です。しかし、それでも、実際の結果において、言語の違いによって「回答の適切さや理解度にも差が生じる」ことが確認できました。


ただし、今回の質問に限っていえば、異なる意味や文脈で使用されているから、という理由では、言語による回答の差異については十分に説明できていないと考えられます。また「回答の適切さ」の差異は、質問に対するChatGPTの「理解度」の差異によるものであると理解することは可能です。しかし、私が問いかけた質問は、どの言語であれ「理解度」の差異が生じる程の違いを生み出す原因とは考えにくいです。

 

これは、各言語による情報の質と量、各言語を使用するユーザーの興味と関心ならびにリテラシー水準の違いによるものかもしれません。
   

なお当クリニックの患者さんでインド系アメリカ人の方の意見によれば、ChatGPTを使用しているユーザーの認識水準にもよるのではないか、ということでした。

 

そうだとすると、日本語、英語、イタリア語での質問者の平均的な知的・技術的レベルは他の言語での質問者よりも相対的に低い、という仮説を立てることはできるかもしれません。