ブログ休止中の活動報告(その4:予防医学の社会的実践活動の転換)

 


<失われた30年を克服するために!>

 

高円寺南(産業医)労働衛生コンサルタント事務所の業務拡大

 

コロナパンデミック禍の影響によって、日本の医療や介護を財政的に支えている一般企業の収益も伸び悩み、経済成長は低迷し、労働者や生活者の収入の確保が難しい局面となってきました。

 

とくに現役世代の受診者が主体である当クリニックにおいては、安心して受診できる体制の維持のために、セルフケア能力を高めていただくことを含めた予防医療体制の強化、ならびに時間的隔離のために「完全予約制」を徹底させ、会員制を導入しました。

 

予想通りであり、覚悟の上ではありましたが、医療収益は激減し、クリニックの経営状態は悪化しました。税制上も優遇されている新型コロナワクチン接種業務や、それ以前からのPCR検査業務には関与を控える方針を固めていたため猶更でありました。

 

それにも関わらずクリニックの運営を維持できているのは、受診者個人のみならず、広く諸企業における労働現場での予防医学や健康経営に積極的に関与し、はからずしも大いに評価されるようになったためです。

 

主として、昼休みの時間帯等を積極的に活用して、都内の複数の企業へ産業医あるいは労働衛生コンサルタントとして出向したり、週末等においては茨城県や福島県へ向かったりして様々な重要事業の従業員の健康管理のサポートを展開しております。

 

内科の臨床医としての私は、個人的にはオンライン診療の導入には消極的な立場ですが、企業における安全衛生委員会参加やリモート業務に従事している労働者の方々のための健康相談や産業医カウンセリングのツールとしてのオンライン業務は有効な手段であると考え、今後も妥当なケースにおいては積極的に活用していきたいと考えております。

 

産業医活動を積極的に推進していく中で、医療機関での臨床医としての限られた視点だけでなく、家庭での生活環境や職場での就労状況などの情報を、日常診療においても、これまで以上に尊重して扱う習慣が定着してきたように思われます。

つまり、産業医活動は、日常診療の質を大きく向上させるための修錬であるとさえ言い切って良いように思われます。

 

産業医としての収益性に関しては、率直に申し上げて、日常の診療業務と比較すると、かなり地味なものであり、移動時間等も加味すると、時間単価としてはかなり低廉なもので敢えて関わろうとしない臨床医も少なくありません。

しかし、医師としての総合的力量を高めて、より多くの人々に貢献していくためには、重要欠くべからざる業務であると考えております。

そして、結果的には、クリニック運営維持のための支柱の一つになりつつあることを実感しております。

 

いかに高邁な理想を掲げての医療であっても、経営を維持できずに撤退してしまう結果を招いてしまうと、多くの皆様の期待を裏切り、失望を招くだけでなく、継続的な健康管理を損なってしまうため、何としても更なる経営安定化をはかっていかなければならないと反省しているところです。

 

 

当クリニックは、会員制です。

 

当会員の皆様は、一般の平均的な皆様とは異なり、医学的検査から始まるのではなく、概ね3カ月に1回(つまり、春夏秋冬の四季折々の季節の変わり目ごとに)フィットネス・チェックを経験されています。

その定期的な御体験の反復、継続により、フィットネス・データ(健康水準評価情報)とメディカル・データ(疾患の拡がりや重症度の情報)とを、日常的に組み合わせてご確認され、更には様々な、セルフチェックによるモニタリングの習慣を獲得されています。そのため、病気になる前段階の半病さらには半健康状態になっているかどうか、何が計画的な健康管理習慣が定着し、セルフケアに関する具体的なスキルを獲得されています。

そうした健康意識の高い皆様が、家庭や御親戚あるいは身近な共同体で触れ合う方々に、とても有益な影響を与えてくださっているものと信じております。皆様にとって大切な方の健康改善のために、ともにお手伝いできるならば、それは、まさに当クリニックが目指す「善意の拡大再生産」に適うものです。

 

杉並国際クリニックは会員の皆様方全員がリーダーであり健康エキスパートです。

 

御自分自身が育てる手作りのクリニックであるとのご理解のもとに、今後も共に成長させていただければ幸いです