武蔵野音大別科生の手記

 

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聖楽院主宰 テノール 

飯嶋正広

 

 

第12回レッスン(6月28日)

 

第12回レッスンは、思いがけないことがありました。岸本先生から次年度の大学院修士課程の受験の意思の有無を突然打診されました。私は全く想定していなかったため、とても驚きました。

 

私は全く情報を持っていなかったのですが、課題曲や候補曲等についてご紹介してガイダンスしていただきました。

 

仮に私が受験する場合には、

スカルラッティのイタリア歌曲
<Già il sole dal Gange>(陽はすでにガンジス川から)

 

チャイコフスキーのロマンスから1曲、

 

今後レッスン予定のラフマニノフのロマンスから1曲、

 

そしてチャイコフスキーのオペラ・アリア:

歌劇「エフゲニー・オネーギン」第2幕から、「レンスキーのアリア
(青春は遠く過ぎ去り)

 

というアドバイスを戴いて、ひたすら呆然としております。
 

受験情報も乏しく、開業医でもあるため、この年齢で大学院生を目指すことの困難は明らかです。しかし、受験するかどうかの最終決定は保留としつつ、仮に受験した場合に、合格できるような研鑽には努めたいと考えています。

 

#1.チャイコフスキー・ロマンス<нет,толькотот,ктознал...>

(憧れを知る者のみが...)

8月の門下コンサートの演奏候補曲として、第10回レッスンから稽古復活となった作品です。しかし、大学院受験準備曲としての意義が加わりました。現時点で、暗譜ができています。

 

 

#2.チャイコフスキー・ロマンス<Oтчего?...>

(何故?)

門下コンサートでの演奏候補曲であるため第10回からレッスン復活となりました。#1の作品と同様ですが、現時点で暗譜は不十分です。

 

 

#3.チャイコフスキー・ロマンス<Cредь шумного бала.>

(騒がしい舞踏会の中で...)

この曲も、同様ですが、暗譜する方針で稽古をすることになります。

 

 

#4.チャイコフスキー・ロマンス<Cеренада дон-жуана>

(ドン・ファンのセレナード)

この曲も、門下生コンサートでの演奏候補曲ですが、他の候補曲と同様に、念のため暗譜して歌えるように心がけることにしました。
   
  

 

次回第13回(7月5日)のレッスンでは、新たな月を迎えるため、私としては珍しく、チャイコフスキーの新たな2曲を自主的に選択し、歌曲の歌詞の歌詞読みのチェックを岸本先生にお願いしました。

 

すると、岸本先生は快諾してくださったのですが、その後「ラフマニノフを始めるつもりでしたが」と仰るのでした。私は、前期はチャイコフスキーのロマンスをしっかり固めて、後期からラフマニノフの手ほどきをいただくことになろうと思い込んでいたのでした。

 

そのように申し上げると、私の熱心さをとても評価してくださり、その流れで、院試のお話に繋がったのかもしれません。

 

そこで、次回のレッスンは、

Полюбила я на печаль свою (私は悲しい恋をした)の歌詞を読み、発音等のチェックをしていただく予定となりました。
  

この曲は、私がラフマニノフの作品で最初のレッスン曲になります。

 

岸本力デビュー50周年記念バス・リサイタル(6月3日)のプログラムで第一部の最後を飾るロマンスだったので印象に残っています。
   

元来女性の歌で、メゾ・ソプラノに好まれる作品ですが、岸本先生の珠玉のレパートリーの一つであると感じました。ですから、おそらく、この曲が、院試でのラフマニノフから1曲になる可能性が高いのではないかと考えました。

 

またチャイコフスキーのオペラ・アリア:

歌劇「エフゲニー・オネーギン」第2幕から、「レンスキーのアリア」
(青春は遠く過ぎ去り)

の稽古も復活することになりそうです。