最新の薬物療法

 

認定内科医、アレルギー専門医、リウマチ専門医、認定痛風医

飯嶋正広

 

新シリーズのはじめに

 

薬物の使用や管理は、「医療安全」の主柱の一つです。ワクチンなどの予防薬を含めて、広い意味での治療薬に関する情報の更新は目まぐるしく、特に最近の変化は著しいといえます。

 

薬物療法を熟知していなければならない内科医にとっては、新規に得た情報を従来の医学理論体系の中に整合性をもって組み入れていく地道な作業を継続していくことが必須となります。

 

とりわけ、アレルギーやリウマチ・膠原病方面の専門医としては、ある系統の新規薬剤が様々な疾患分野に共通して適応されてきていることをたびたび経験しています。つまり、医学理論体系の章立ての変更に伴い、体系全体を俯瞰して再検討する必要がますます高まってきたように思います。

 

新型コロナウイルス感染症の流行によって、将来に向けての人類の平和と繁栄が脅かされてきました。しかし、逆の側面から言えば、をこれまでは洞察することすら難しかった医学の国際情勢や有名無名の国際組織の影響力の大きさとその危険性に覚醒する契機にもなりました。

 

そこで、今月は、まず新型コロナウイルスワクチン(4月14日)について概観したあとで、感染リスクや重症化リスクに繋がる代表的な基礎疾患である糖尿病治療薬(4月21日)、さらには、当クリニックで注目している近年の骨量低下や腎機能低下の傾向との関係で腎性貧血治療薬(4月28日)について勉強していきたいと思います。