『水氣道』週報

 

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水氣道実践の五原理・・・集団性の原理(結論)その4

 

(教学不岐・環境創造の原則)

 

 

水氣道の指導員(プロフェッショナル)とは水氣道家の入門者である

 

将棋の例にとどまらず、戦前のわが国において、武道の振興、教育、顕彰を目的として活動していた財団法人である大日本武徳会にも、自己超越を志向する顕彰活動がなされていました。武徳会は、段級位とは別に武術家を表彰する「精錬証」を発行していました。

 

明治35年(1902年)、教士・範士の2つからなる称号を制定し、柔道・剣道・弓道に導入しました。1934年(昭和9年)、精錬証を廃し、新たに「錬士」を制定し、錬士・教士・範士の3称号が確立しました。

 

水氣道においても、「教習不岐」の原則および環境創造の原則に基づく集団性の原理に則り、錬士・教士・範士の3称号を整備しています。水氣道においては、これらの3称号と段位を結び付けていることに特徴があります。

 

水氣道では四段以上が、いわゆる職業水氣道家(プロフェッショナル)ですが、水氣道指導員階級である四段、五段および六段は、それぞれ、錬士、教士および範士という称号を伴うものとしています。
 

以上のような構想を持っていますが、現在のところ目標達成には至っておりません。2000年の水氣道発足以来、22年目を迎えましたが、将来に向けての重要な課題です。

この間、必ずしも平坦な道のりではなく、幾多の試練に遭遇してきましたが、それらの一つ一つを当時の参加者と共に克服していくことによって、より完成度の高い組織構築が可能となり、新たな技法を創出することができました。
 

最近では、新型コロナパンデミックの影響が大きかったのですが、水氣道は予測通り、この危機的な時期を見事に乗り越えることができました。なぜ、単なる希望的観測ではなく、予測まですることができたか、ということについてコメントしておきましょう。

 

その理由は、水氣道は、そもそも「防災訓練」の要素を包含していたからです。遅かれ早かれ今回のような状況に見舞われる時期が訪れることを想定した上でのエクササイズであったからです。

 

水氣道は、感染症の蔓延時であっても、一般の陸上でのエクササイズより安全に集団訓練を継続できるように設計されている、と言っても良いでしょう。

しかし、実際には、施設側の方針により少なからざる影響を受けたことは事実です。それでも、稽古中止の期間は限定的であったことは幸いでした。

 

この間、杉並区内での稽古場は、上井草会場(人数制限:8人⇒10人に緩和)のみ継続し、隣接市区での施設に助けられました。中野区鷺宮会場(人数制限8人⇒10人⇒制限解除)、新宿区ハイジア会場(制限なし)、三鷹市スバル会場(人数制限10人⇒12人⇒制限解除)です。当初は厳格な人数制限がありましたが、徐々に緩和されてきました。


水氣道発祥の稽古場は最寄りの杉十温水プールですが、現在工事中とのことで完了予定が延長されています。人数制限や使用規則が他の施設より厳格で、かつ団体使用料金が格段に高額であるため、使用できないまま経過していました。1レーンでの人数制限は8人のまま維持されているようですが、従来通りの水曜日、もしくは木曜日の復活を図ることができれば幸いです。
 

核施設の管理関係者も、今回の新型コロナ禍での様々な工夫と努力の積み重ねを経験して、温水プール施設が感染拡大期にあっても安全に継続できることを認識されたのではないかと思われます。