2022年1月1日進級、各種認定合格者発表

 

Ⅰ 進級検定合格者

 

令和3年12月に実施された進級検定(中審査・小審査)において、中審査の対象者はありませんでした。以下に小審査の合格者を発表します。なお、次回の小審査は令和4年3月、中審査・大審査は同年6月に予定しています。

 

 

・准3級(特別訓練生)

植田栄喜

 

・4級(高等訓練生)

大場康弘

小池享子

福丸慎哉

 

 

・5級(中等訓練生)

大野道子

西川みつ子

深瀬淳子

 

 

・6級(初等訓練生)

近藤正子

漆弘雄

漆正子

 

 

・7級(特別体験生)

須田和江

村松忠夫

佐々木明彦

 

 


Ⅱ 各種技法認定試験合格者

 

令和3年12月に実施された各種技法認定試験は、水氣道4級(高等訓練生)および5級(中等訓練生)を対象とするファシリテーター検定のみを実施しました。次回の検定は令和4年3月に予定しています。なお、水氣道3級(初等修錬生)以上の修錬生を対象とするインストラクター検定、水氣道弐段以上の支援員を対象とするトレーナー検定は令和4年6月を予定しています。

 

 

・F5、交差航法ファシリテーター認定

濱屋幸一(現4級、高等訓練生)

鈴木けい子(現4級、高等訓練生)

 

 

・F3、基本航法ファシリテーター認定

林知子(現4級、高等訓練生)

 

 

・F2、いきいき体操ファシリテーター認定

4級足立博史(現4級、高等訓練生)

5級松田要(現5級、中等訓練生)

5級平田範子(現5級、中等訓練生)

 


来週の水曜日は、昨年のシリーズ水氣道稽古の12の原則に引き続き、
新たなシリーズとして水氣道実践の五原理の解説から始める予定です。

 

内科認定医、

心療内科指導医・専門医

飯嶋正広

 

毎週火曜日は、昨年からの、からだの健康(心身医学)というタイトルを引き継ぎ、上半期は最近、進歩の目覚ましい血液病学、消化器病学、呼吸器病学について、私が気になる話題を取り上げていく予定です。

 

あくまでも医師としての生涯学習が主目的であるため、一般の方には解りにくいかもしれません。そのわかりにくいところをわかりやすく説明できるようにトレーニングすることも臨床医にとって大切な責務であると認識しています。

 

しかし、率直なところ、こうした基礎的なスキルほど生来の才能が求められることもあるような気がします。

私自身は、そのような才覚に恵まれている方ではないことを自覚しているので、今年も、気持ちを新たにして少しずつ精進していきたいと考えています。

 

ところで、からだの健康(心身医学)というタイトルは少し、あるいはかなり、奇妙であり、不可解な印象を持たれる方も少なくないものと拝察いたします。

 

しかし、これには訳があるのです。当クリニックの初診の方の特徴として、からだの症状を主訴とされる方の多くが精神的ストレスをも抱えておられることが少なくないことです。

 

たとえば、線維筋痛症などのように、通常の保険診療での通り一遍の対応のみでは、異常所見が検出されないため、解決のための道筋が見えづらく、そのため難治性の全身性慢性疼痛疾患とされてしまうことがしばしばあります。

 

ただし、線維筋痛症のほとんどは決して難病ではありません。難治化させている最大の原因は、医師も患者も、保険診療を唯一絶対のシステムであると盲信しているからです。

 

発想を変えようとせず、狭い範囲の発想の中で試行錯誤を繰り返してみても、大局的には同じような試みを漫然と繰り返していることと大差ありません。原因不明で難治性とされる身体疾患の中には、精神面からのアプローチも同時並行的に実施していくことによって顕著に改善していくケースも散見されます。

 

 

次週から、約半年の間、このコラムは消化器病、血液病、呼吸器病の領域の病気を取り上げます。心身医学的なアプローチが常に採用されるわけではありませんが、私は、そうした視点を踏まえた上で病態を理解し患者さんの診察にあたることが有用だと考えています。

 

前回はこちら

 


臨床産業医オフィス

<高円寺南労働衛生コンサルタント事務所>

産業医・労働衛生コンサルタント・第一種作業環境測定士・衛生工学衛生管理者

飯嶋正広

 

 

私は平成元年7月に、当クリニックの前身の高円寺南診療所を開設し、臨床実務に携わる中で<法律の素人>であり続けることの危険性に気づきました。臨床医は科学者として医学を研究する修養することだけでは事足りないということは、医療のもつ社会性から考えても当然であったわけです。

 

そこで医業の傍ら、法律の基礎を学ぶために慶應義塾大学に学士入学(通信制)し、平成12年に卒業しました。

 

同16年に産業医資格取得、同19年に労働衛生コンサルタント国家試験合格などを経て、博士号(医学)取得は平成22年でしたが、全く悔いは残っていません。高円寺南診療所としての平成の30年間は、令和の杉並国際クリニック誕生までの成長の歴史であったものと振り返っています。

 

そして、現在でも私はなお<法律の素人>のままであることには変わりありませんが、まがりなりにも医学理論と実社会の仕組みの両方に馴染んできたことによって、社会的存在であるはずの患者さんの抱える様々な問題を立体的に把握することに役立ってきたという実感を持っています。

 

そこで、現役世代の皆様に密接にかかわる働き方改革関連法案について、今年の注目のポイントをご紹介させていただこうと思います。

 

 

2022年の重要改正3項目

 

2022年には、雇用保険や健康保険法、育児・介護休業法、厚生年金保険法等を中心にいくつかの改正が予定されています。すでに打刻ファーストで解説済みのテーマではありますが、企業が特に重視すべき3つの改正項目を改めてまとめます。

 

○ パワハラ防止措置の義務付け

(中小企業で2022年4月1日から※大企業で2020年6月より施行)

 

○ 改正育児・介護休業法  

(すべての企業で2022年4月1日及び10月1日から)

 

○ 短時間労働者への社会保険適用拡大

(従業員数101~500名規模の企業で2022年10月1日から)

 

 

そこで、今月は、働き方改革関連法案の変更点と産業医の役割をテーマとして、次週から4回に分けて解説していきたいと思います。

令和4年1月2日

  

この年始の時期を、東京で過ごす方、地方に帰省して過ごす方、それぞれの方がいらっしゃることでしょう。

そして、東京で過ごされる方の中には、生まれも育ちも東京、三代以上続いているから、れっきとした江戸っ子、というような皆様もいらっしゃる一方で、諸事情で帰省できないという皆様も多数おいでになることを私は存じております。

 

この年末年始も、さまざまな要因で「帰省」が「規制」されることが当然であるかの如く「既成」事実となりつつあることに寂しさを感じています。

 

「帰省」とは郷里に帰り、父母の安否をうかがうことが本来の意味らしいです。まず初めに高齢の父母や縁者の感染・重症化のリスクを考えるのは当然のように受け止められています。

東京在住の家族の面会を警戒し、歓迎しない高齢者入居施設がほとんどであるようです。

 

医療供給のキャパシティの乏しい地方にとっては、感染が拡大すればすぐに危機に陥る事情もあり、已むを得ない事情もあります。そのような昨今を過ごす中で、自然に思い出され、口をついて出てきそうな詩歌が、私には二つあります。

 

一つ目は、欧州での医学・音楽研修が困難になった背景から、せめてフランス文学の世界へ、と考えてカミュの「ペスト」を細々と翻訳をしている自分自身にとって、より身近に感じられるようになった詩です。

 

萩原朔太郎の旅上(純情小曲集)より、

ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背廣をきて きままなる旅にいでてみん。

汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに。

 

もう一つは、これは、室生犀星の望郷の詩句です。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」

 

「遠きにありて思ふもの」とうたわれていますが、犀星が郷里の金沢に帰郷したおりに作られた詩とされます。帰郷することをためらいつつ望郷の思いに駆られて作歌されたのではなく、実際に故郷に帰ってみて落胆したもののようです。

 

東京で思うにまかせぬ暮らしを強いられ、懐かしい故郷にはるばる帰ってさえも温かく受け入れてもらうことがなかったとしたら、どれだけわびしく、そして切ないことでしょうか。その悲哀、郷里への愛憎半ばする思いが「遠きにありて……」の言葉となったらしいのです。

 

故郷とは時に複雑な思いを呼び起こす場所です。それは、久しぶり訪れる故郷を理想化し、過剰な期待を抱いてしまいがちであるためでもあることでしょう。

 

「遠きにありて思う」とは、現在の故郷ではなく、傷つきつつも心の奥深くに刻み込まれたままの在りし日の故郷なのかもしれません。

 

とはいっても、人と故郷の事情は千差万別です。私などは幸い「遠きにありて」を「悲しくうたふ」人ではなく、「いつも身近に感じていて」「楽しくうたう」人の一人になろうとしています。

 

せめて、遠く隔たっていてもオンライン時代の「帰省」に工夫をこらしたいものだと考えています。たとえリモートであっても、昔から音程が正確で歌声の美しかった老母と一緒に楽しく歌える正月を過ごしたいものです。

 

文学や音楽をはじめとする芸術の価値は、このような時節において、改めて、しみじみと有難みを感じるものなのかもしれません。

 

令和4年元旦

 

皆様、あけましておめでとうございます。

 

本年も共に健やかに穏やかな日々を過ごして参りたいと存じます。

 

さて、昔から、「一年の計は元旦にあり」と言われてきましたが、改めてこの警句を考察してみることにしました。

 

【注釈】一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切だということ。

 

【出典】月令広義・春令「四計」の項に、

「一日之計在晨、一年之計在春、一生之計在勤、一家之計在身

(一日の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり)とあることに基づく。

 

【考察】「一年之計在春」が原点であるとすれば、「春」をどのように捉えるかで解釈に広がりが出てきそうです。もし、「春」を新春の初日と解釈すれば、文字通り、「一日の計は元旦にあり」に一致することになります。これに対して、1月から3月までを「春」とするならば、「一年の計画は最初の3カ月までに計画しておきなさい」という緩やかな解釈で良いことになります。

 

かく云う私自身は、上記とは異なった2つの解釈というか指針を持っています。

 

最初の一つは、よそ様向け(患者様向け)の指針です。

 

これは、職業上、多くの場合、年明け最初の検査の結果は芳しいものではないことから経験的に学んだことです。

 

それは「暦上の一年のスタート時の不調は、その年度のスタート時に仕切り直しをしてみましょう。」というものです。日本は有難いことに、年度初めの4月があります。1年のうちに計画したり、計画を見直したりするチャンスが2回もあるのは素晴らしいことだと思います。

 

もう一つは、私自身に向けた指針です。

 

これは、これまでの私生活上、やはり経験的に学んできたことから身に着けた習慣です。

 

それは、「一年の計画は、前年の自分の誕生日(1114日)を迎えてから大みそかまでの間に準備しておくべし」という自分自身に対する戒めです。そもそも一年間の計画を元旦という特定の一日のうちに打ち立てることのできるような才能を私自身は持ち合わせていないということを熟知しているからです。たとえば、初日の出を拝んでから元旦のあいさつ文をしたためることができるような能力をもっている人は特別な存在だと思います。凡人にとっては到底及びがつきません。

 

杉並国際クリニックにとっての令和4年元旦の計は、時代が令和に突入する前から準備してきたものです。この間に、診療システムは、フリーアクセス制⇒部分的予約制⇒完全予約制⇒会員制と計画的に改革を進めることに成功しました。新型コロナ感染症の警戒態勢下にあっても安全・安心の医療を安定的に供給すると同時に、より質の高い外来診療に向けての着実な歩みも遂げることができました。そして、完全予約制を基盤とする会員制クリニックとして確立したことにより、日本の経済を支え、医療・介護・福祉の財源の提供源として社会貢献している企業の顧問医・産業医としても、従来以上にフレキシブルに活動できるようになったことは私のささやかな誇りの一つにもなっております。

 

医療と社会との接点を開拓することによって、医療機関の外来診療だけでは気づき得なかった多くの貴重な知識と知恵を授かることができました。いくつもの新たな視点が生まれ、それらが拡がっていくことによって日本という祖国や世界の状況がより身近に感じ取れるようになりました。

 

杉並国際クリニックは、その名称どおり、英語やフランス語などの国際語を併用して、広く外国人診療にも門戸を広げていますが、当クリニックの会員としてふさわしい方ばかりに恵まれていることも、大いに感謝すべきであると認識しています。

 

当クリニックの曜日替りのブログは、会員の皆様に限らず、その他多くの皆様にお読みいただけているまでに支持を広げています。今年も、少しずつ工夫を加え改良を試みながら、皆様のために、少しでも有益なメッセージを発信し続けていきたいと願っております。

 

皆様、それでは、今年は、さらに良い一年となりますよう、お互いに暖かな真心を通わせて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

なお、来週の土曜日は、昨年に引き続き、アルベール・カミュ『ペスト』(仏文原書)の訳読に挑戦!アルベール・カミュ作 『ペスト』を読むNo12から再開する予定です。