水氣道稽古の12の原則(15)弱点優先の原則(その2)

 

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今回は、「水氣道における弱点優先の原則」についてです。この原則は『理想の健康法』としての水氣道の本質にかかわる大切な考え方です。

 

世間で流布している「健康法」は数限りなくあります。そのすべてを実行することは不可能であるし、また、<過ぎたるは及ばざるがごとし>といって、やりすぎ、欲張り過ぎはかえって健康を損ねてしまします。そこで、「健康法」を選択する必要がでてきます。

 

「健康法」の選択に当たってとても大切なことは、自分の心身の弱点を補ってくれるような「健康法」に巡り合うことです。そのためには、いろいろな「健康法」を試してみるのではなく、まずはしっかりと自分自身の身体の弱点を認識することが不可欠になってきます。

 

そして、身体の弱点を補強するための「健康法」は心身のトータルな健康の維持・増進のためには真に理に適っています。そして真に理に適っている「健康法」には、文字通り真理が宿っているはずです。水氣道の真理は、水氣道の神髄をはじめ水氣道実践の三徳、五原理および十二原則に宿っています。

 

そして「健康法」の真理に適うということと、自分の健康に適う、ということが表裏一体になるような選択ができたときに、理想の「健康法」と出会ったことになります。

 

ですから漠然と「健康になりたい」ということで「健康法」を探してみても、そのような理想的な「健康法」に巡り合うことができる可能性はほとんどありません。要は場当り的な健康法ははずれが多いということです。

 

同じようなことが栄養補給法でもしばしば観察されます。とくにサプリメント接種による弊害も散見されます。サプリメントとは本来「欠乏もしくは不足した栄養素を補充すること、あるいはそのための補充栄養剤」を意味します。

したがって、予め、「欠乏もしくは不足した栄養素」を調べておくべきなのです。

 

しかし、実際にはこうした必要な手続きは省略して個人の思い付きや思い込みだけで摂取をはじめてしまいがちです。するとどのような結果が発生するでしょう。

その方にとって真に必要な栄養素は欠乏したままで、すでに充足あるいは過剰になっている栄養素が補給されてしまいかねません。栄養プロフィールのアンバランスの是正どころか、不均衡を増大させてしまうことにならないでしょうか。

 

スポーツについても同じことが言えそうです。元来優れていることや他に秀でて得意なことを続けることは楽しいことであり、そうした技術を伸ばすことで競技スポーツの成績の向上も期待できることでしょう。

 

しかし、その人の劣っていることや苦手なことはなおざりにされてしまいがちになるのではないでしょうか。そのような方向性でスポーツを続けていたとすれば、中高年以降に健康を損ねてしまうことは何ら不思議ではないでしょう。

 

それでは、どうしたら良いのでしょうか。上に挙げた残念な結果をもたらさないためには、『弱点補強の目的意識をもって行なう』意識をもって、それに適った「健康法」を探求することが理に適う選択に繋がります。

そのためには、まず「弱点」を発見することが決め手になります。ですから、病気の治療ではなく健康のための手段として「健康法」を選ぶ段階で、かかりつけの医師に相談することは、とても賢明なことです。どのような主治医を選ぶかも寿命のうちかもしれません。

 

水氣道の理論と技法の体系は、実に、この目立たない、あるいは気づきにくい、さらには避けて通りたくなるような各人の健康上の「弱点」を克服することを目標としてきたと言っても過言ではありません。

健康上の「弱点」を克服するためには、どのような運動を実施すれば克服できるかについて、20年以上に及び、信頼に足る理論仮説をもとに試行錯誤を繰り返して、実証的に検証し続けることで日々完成度を高めているのが水氣道なのです。

 

そこで、次回は、「水氣道における弱点優先の原則」について、どのようにして、個々人の「弱点」を検出し、しかも、集団のエクササイズの中に取り込んでいくのか、についてより具体的にごしょうかいしたいと思います。