号外:<訃報> 救えたはずの貴重な生命を救うために!

 

8月26日(木)の昼前に、警察から至急の問い合わせがありました。
当クリニックの野口が電話を受けました。

 

 

8月21日(土)に発熱があり、その日のうちに検査予約をされたそうです。
しかし、予約日になっても検査のための来院がなかったため、検査機関の職員が様子を観察に行かれたとのことでした。


そこでSさんが自宅で亡くなられていたのが発見されたとのことでした。

 

Sさんが当クリニック(当時、高円寺南診療所)の診察券を所持されていたため、
「Sさんについてお尋ねたいことがあります」とのことでした。

 

お尋ねの内容は「Sさんの最終受診日と受診内容」についてでした。
Sさんの最終受診日は平成30年の年度末でした。定期的に鍼灸治療を受けておられ、
処方内容も漢方薬とビタミン剤、それぞれ2種類ずつとなり、健康状態は安定していました。

 

御父上が亡くなられたため実家に帰省するとの連絡がありましたが、
それ以来、受診はありませんでした。

 

8月27日(金)に司法解剖が実施されるとのことでした。
転帰の医療情報を記録しておきたい、ということと、時節柄、不慮の病死を遂げられた方を含め、御縁のあった方の死因の情報を確保し、今後の診療に役立てたい、との旨で野口氏を通してお伝えしたところ、結果を知らせていただけることになりました。

 

8月31日(月)朝に、解剖の結果「新型コロナ感染症による肺炎」による死亡
という所見が得られたとの報告を受けました。

 

野口氏とほぼ同年代の独身男性であったため、驚きとショックを受けた模様です。

 

当方の提案する治療プランをきちんと受け入れ、きちんと養生して健康を回復した方でした。そのような方でしたので、当クリニックに引き続き通院されていれば、当クリニックの<新型コロナ対策>戦略にしたがった予防法を素直に実践されていたであろうことが推測されます。

 

昨年策定した第1戦略:

発熱した後、検査を受けるまでの数日間を無駄に過ごさないようにする戦略が、有効であって、漢方薬のオリジナル・レシピは多くの患者の皆様ばかりでなく、そのご家族や親類、友人の皆様にまでたくさんの感謝をいただいております。Sさんのお役に立てなかったことは、返す返すも残念でなりません。

 

 

今年は、第2戦略:

新型コロナ感染症を発病してから、入院できるまでの貴重な数日間を無為に過ごさないための戦略、を打ち立てました。

日本医師会の中川会長から私にとどいた手紙」の文中にもあるとおり、通常医療とコロナ医療の両立どころか、共倒れの危機に瀕していて、事実上、医療崩壊が進行しています。

 

ただし、第2戦略は、すでに、第1戦略を実践中の皆様が対象です。とりあえず第一弾として、デキサメサゾン錠(4㎎)を一人2錠ずつ配布させていただく予定です。「天は自ら助ける者を助ける」という警句が現実となって参りました。この治療薬の使用法については、改めて説明いたします。

 

Sさんのお人柄からして『発熱』したため、当方への相談を遠慮されていた可能性も少なくありません。そんなSさんのお手元に、最後まで、「高円寺南診療所」の診察券が確保されていたとのこと、胸が痛みます。

 

このような悲しい出来事が二度と繰り替えさないで済むよう、より一層の準備態勢を整えていきたいと考えております。