新型コロナ感染症対策に関する重要な5つの質問(その2)

 

前回はこちら

 

 

 

今週は、ゴールデンウィークを迎える前に、上記の重要な課題について、
実際のお受けしている以下の5つの質問に対して20日(火)から24日(土)の5日間にわたり順次回答しております。

 

質問2:

ファイザー社のワクチンの有効率が95%と発表されていますが本当ですか?

 

回答2:

本当ではない可能性があります。

 

根拠としては、原著論文のデータをもとに私が独自に計算してみると19%だったからです。私の計算方式が絶対に誤っていないというほどの自信が持てなかったので、これまでは発表を控えておりました。しかし、新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦先生の計算結果も19%であったので、まず、間違いではなさそうです。

 

参考のため原著論文のサマリー部分に対訳を付して紹介いたします。

 

 

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

ニューイングランドジャーナル・オブ・メディスン

 

 

Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine

BNT162b2 mRNA Covid-19 ワクチンの安全性と有効性について

 

 

established in 1812  December 31, 2020 vol. 383 no. 27

設立1812年発刊  2020年12月31日 383巻 27号(2604-2615ページ)

 

 

Dr. Absalon at Pfizer 

ファイザー社のアブサロン博士 

 

 

BACKGROUND Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) infection and the resulting coronavirus disease 2019 (Covid-19) have afflicted tens of millions of people in a worldwide pandemic. Safe and effective vaccines are needed urgently.

背景 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染とそれに伴うコロナウイルス感染症2019(Covid-19)が世界的に大流行し、数千万人の人々が苦しんでいる。安全で効果的なワクチンが早急に必要である。

 

 

METHODS In an ongoing multinational, placebo-controlled, observer-blinded, pivotal efficacy trial, we randomly assigned persons 16 years of age or older in a 1:1 ratio to receive two doses, 21 days apart, of either placebo or the BNT162b2 vaccine candidate (30 μg per dose). BNT162b2 is a lipid nanoparticle–formulated, nucleoside-modified RNA vaccine that encodes a prefusion stabilized, membrane-anchored SARS-CoV-2 full-length spike protein. The primary end points were efficacy of the vaccine against laboratory-confirmed Covid-19 and safety.

方法 現在進行中の多国間プラセボ対照観察者盲検有効性試験において、16歳以上の人を、プラセボまたはワクチン候補であるBNT162b2(1回あたり30μg)のいずれかを21日間隔で2回接種するよう1:1の割合で無作為に割り付けた。BNT162b2は、プレフュージョンで安定化され、膜に固定されたSARS-CoV-2の全長スパイクタンパクをコードするヌクレオシド修飾RNAワクチンで、脂質ナノ粒子製剤である。主要評価項目は,Covid-19 に対するワクチンの有効性と安全性であり、これらは実験室で確認された。

 

 

RESULTS A total of 43,548 participants underwent randomization, of whom 43,448 received injections: 21,720 with BNT162b2 and 21,728 with placebo. There were 8 cases of Covid-19 with onset at least 7 days after the second dose among participants as-signed to receive BNT162b2 and 162 cases among those assigned to placebo; BNT162b2 was 95% effective in preventing Covid-19 (95% credible interval, 90.3 to 97.6). Similar vaccine efficacy (generally 90 to 100%) was observed across subgroups defined by age, sex, race, ethnicity, baseline body-mass index, and the presence of coexisting conditions. Among 10 cases of severe Covid-19 with onset after the first dose, 9 occurred in placebo recipients and 1 in a BNT162b2 recipient. The safety profile of BNT162b2 was characterized by short-term, mild-to-moderate pain at the injection site, fatigue, and headache. The incidence of serious adverse events was low and was similar in the vaccine and placebo groups.

結果 合計 43,548 名の参加者が無作為化を受け,そのうち 43,448 名が注射を受けた。そのうち,43,448人がBNT162b2を21,720人に,プラセボを21,728人に接種した。BNT162b2を投与するように指定された参加者のうち、2回目の投与後7日以上経過して発症したCovid-19は8例、プラセボを投与するように指定された参加者のうち162例であり、BNT162b2のCovid-19の予防効果は95%であった(95%信頼区間、90.3~97.6)。年齢、性別、人種、民族、ベースラインの肥満度、併存疾患の有無などで定義されたサブグループにおいても、ワクチンの有効性は同様(概ね90~100%)であった。初回投与後に発症した重度のCovid-19の10例のうち、9例はプラセボを受けた患者で、1例はBNT162b2を受けた患者で発生した。BNT162b2の安全性プロファイルは、短期間の軽度から中程度の注射部位の痛み、疲労感、および頭痛で特徴付けられた。重篤な有害事象の発生率は低く、ワクチン群とプラセボ群で同程度であった。

 

 

CONCLUSIONS A two-dose regimen of BNT162b2 conferred 95% protection against Covid-19 in persons 16 years of age or older. Safety over a median of 2 months was similar to that of other viral vaccines. (Funded by BioNTech and Pfizer; ClinicalTrials.gov number, NCT04368728.)

結論 BNT162b2の2回接種により,16歳以上の人はCovid-19に対して95%の予防効果が得られた.中央値2ヵ月間の安全性は,他のウイルスワクチンと同様であった.(BioNTech社およびPfizer社が資金提供。ClinicalTrials.gov番号、NCT04368728)。

 

 


有効性の計算方法:(論文の表2から)

 

 PCR陽性    疑い例(PCR未実施)有効率

ワクチン群 8人  +1,594人 ?      
プラセボ群 162人 +1,816人 ?    ?

 

 

ファイザー社のアブサロン博士の計算方式(簡略法)では、
単純にPCR陽性者のみに焦点を当てて計算しているようです。

 

みせかけのワクチン有効率

 

=ワクチン接種によりPCR陽性を免れた人数/PCR陽性者全員

 

=(プラセボ群でのPCR陽性者数-ワクチン群でのPCR陽性者数)÷(プラセボ群でのPCR陽性者数+ワクチン群でのPCR陽性者数)
       

=162-8/162+8
       

=154/170
   

=90.5%

 

 

実際には、ワクチン群とプラセボ群の被験者の総数は同数でないため、それで修正するとたしかに概ね95%になります。

 

しかし、この計算方法には重大なトリックがあります。それは、顕著な感染症症状が現れた対象者のみにPCR検査を実施し、非典型例や軽症例は疑い例としてPCR検査を実施していないからです。これは、明らかにインチキです。

 

そこで、私は疑い例(PCR未実施)を含めて計算することを試みました。
すると、

 

真のワクチン有効率

=(プラセボ群での症状発現者数-ワクチン群での症状発現者数)÷プラセボ群での症状発現者数
          

=[(プラセボ群でのPCR陽性者数+プラセボ群での疑い例数)-(ワクチン群でのPCR陽性者数+ワクチン群での疑い例数)]÷[(プラセボ群でのPCR陽性者数+プラセボ群での疑い例数)]
          

=(1979-1602)÷1979
           

= 19%

 

 

 

以上より、ファイザーワクチンの真の有効率は95%ではなく19%に近いものと判断した方がよさそうです。この程度の有効率では、年によっても変わりますが大体30~60%の間といわれているインフルエンザワクチンの有効率より高いどころか、かなり低いということになります。そのうえ、PCR検査の精度を勘案すれば、ワクチンの有効性はますます疑問であると私は判断します。