『抜毛症の患者さん』を支援する、 第3回:診断までの流れ

 

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杉並国際クリニック版 抜毛症診療マニュアル
(令和3年3月9日初版)

 

第3回:診断までの流れ

 

心理検査

必要に応じて心理検査を受けていただきます。

※心理検査はない場合もあります。

 

検査は主に筆記または口頭での検査となります。
患者さんにご自宅にお持ち帰りいただき、回答を次回持参していただくこともあります。

 

知能検査

発達検査

人格検査(YGテスト、SCIテストなど)

心理テスト(POMS、SDS、STAIなど)

心身医学的テスト(CMI、KKSIなど)

 

※上記の各心理検査は保険適用です。

 

なおクリニック内で行う構造化された心理面接では1~3時間ほど時間がかかる検査に関しては、保険適応外となるものがありますが、その場合は、予めご了承を戴いた場合のみ実施いたします。

 

 

診断

臨床基準:典型的には,診断基準は以下の通りです。

 

A.毛を引き抜く行為が認められる

・繰り返し体毛を抜き、その結果体毛を喪失する。

 

B.毛を引き抜くのをやめようと繰り返し試みている

・または体毛を抜くことを減らそう繰り返し試みる。

 

C.本行動により著しい苦痛または障害を経験している

・体毛を抜くことで、臨床的に意味のある苦痛、
または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能 の障害を引き起こしている。

苦痛には当惑感または恥辱感(例,自分の行動をコントロールできないことに対して,脱毛による美容上の結果に対して)を含めてもよい。

 

ただし、

D.体毛を抜くこと、または脱毛は、他の医学的疾患(例:皮膚科学的状態)に起因するものではない。

 

E.体毛を抜くことは、他の精神疾患の症状(例:醜形恐怖症における本人に認識された外見上の血管や傷を改善する試み)によってうまく説明されない。