水氣道

 

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水氣道稽古の12の原則(6)全面性の原則(1)

 

筋力トレーニングの通説としての「全面性の原則」

 

これは一般的には、全身の筋肉をバランスよくトレーニングしなければならないという原則として理解されているようです。

この原則は、トレーニング効果の向上のためだけでなく、けがや障害の防止という安全確保の目的のためにも強調されています。

 

一か所や一方向に偏った過度な集中トレーニングでは、たとえばヒザや腰を痛めたために休養を強いられ、かえって筋力を落としてしまいかねません。

なぜならば、鍛える部分が偏ると、また偏った動きのスポーツでは、全身のバランスが崩れがちとなり、怪我や痛みの原因になりやすくなるので注意が必要です。

このように部分の筋肉だけを鍛え続けているとケガのリスクを高めてしまうので「全面性の原則」はスポーツ選手に限らずすべての人にとって重要な心得といえるでしょう。

 

そこでバランスよくトレーニングすることで、全体的に機能を向上させようとするのが、そもそもの「全面性の原則」です。怪我なく効率的に筋力向上を達成する上でこの原則は重要だと考えます。

 

たとえば、腕立て伏せだと、肩や上腕二頭筋や三頭筋、大胸筋などの上半身は鍛えられても,下半身は鍛えられにくい傾向にあります。

全身の筋力を高めるのであれば、背筋や下腹部、脚なども併せてトレーニングする必要があります。上半身だけでなく下半身も、身体の前面だけでなく後面も、大きい筋肉も小さい筋肉も、表層の筋肉も、深層のインナーマッスルも、呼吸筋も、姿勢を維持する抗重力筋、さまざまな動きに必要な筋肉も、くまなく鍛えることが全面性を考慮したトレーニングということになります。

 

 

トレーニングの対象を筋力に限らないことも「全面性の原則」

 

全面性の原則はその言葉通り、包括的にトレーニングをしていく必要性を説明した原則です。包括的トレーニングとは、自己の体力や、その他の健康の現状を考慮し、すべての健康要素を高めるトレーニングを行なうことです。そのためにはまず必要とされる体力の各要素をバランスよく全面的に発達させることです。

 

具体的には、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性などの体力要素もバランスよく高めることです。

また、筋力だけの話ではなく、柔軟性やパワー、持久力といった他の体力要素もトレーニングしていくことも全面性です。

 

したがって、「全面性の原則」とは、ある体力要素を向上させたいのであれば、トレーニングの基礎として他の体力要素も向上させなければならないという原則のことです。

つまり、体力というのは色々な要素で構成されているので、可能な限り全ての体力要素を鍛えていかなければならないということです。

 

このように様々な体力要素のトレーニングをすることが全面性なので、筋トレだけでなくランやジャンプ系など、色々と実施していくべきです。しかし、トレーニング実践者がトレーニングに使える時間も無限ではありません。

 

そのため、多くのトレーニングジムでは、効率的に体力を強化しようとしてウエイトトレーニング(筋トレ)が指導の中心になりがちのようです。しかし、こうしたトレーニング内容も基本的にはこの「全面性の原則」に則ってプログラムされてはいるようですが、それは狭い意味で「全面性の原則」に過ぎません。
 

水氣道は、この「全面性の原則」の対象として筋力をはじめとする体力強化のためだけに用いているのではなく、より広い意味で用いています。

 

それは、水氣道では「全面性の原則」を限りなく発展性のある原則として捉え、日々の稽古において「全面性の考慮」を積み重ねてきた結果であるといえます。稽古の時間や場所が限られているから、安全にかつ効率的に稽古を行えるように工夫が凝らされなければなりません。

「全面性の配慮」が行き届いた水氣道の稽古プログラムは、そのような「全面性の原則」が基礎に据えられています。

 

これについては、次回解説する予定です。

 

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昨年の3月にウィーンで開催された第1回の線維筋痛症の国際学会に参加してきましたが、残念なことに日本人医師は私一人でした。

第2回の今年は、Covid-19パンデミックのため延期に加えてバーチャルでの開催となりました。

 

本日の演題のポイントは、引き続き線維筋痛症の診断と治療についての近年の動向についてです。

 

診断については、線維筋痛症の症状が慢性疼痛以外にさまざまな非疼痛性の症状を伴うこと、併存する随伴症状を含めて積極的に線維筋痛症を診断していくようになってきたことが紹介されています。

 

特に線維筋痛症を除外診断ではなく他のリウマチ性疾患との併存疾患として認識し、その評価、疾患活動性スコア、治療、転帰などに影響を与えることが強調されています。

 

そして、新しい診断基準の中には、一般的な医学的および精神医学的併存因子、心理社会的および機能的影響などを取り入れています。

 

そこで、線維筋痛症の治療に際しては、精神科疾患の併存疾患を心理療法で具体的に扱うことで、身体症状や身体的苦痛の負担を軽減することも可能であることを指摘しています。

 

また、治療に関しては、非薬物療法として

1)神経変調療法(経頭蓋磁気刺激、神経フィードバック)、

2)高圧酸素療法が新たに注目されていること、

薬物療法としては医療用大麻について議論が続いていることが紹介されています。

 

杉並国際クリニックでは、20年間一貫として世界に先駆けて、非薬物療法として神経変調療法にも通じ、また水中での深い呼吸を経験することにより、酸素摂取能力の向上を図るなどの技法を体系化した水氣道®を創始・展開してきました。

 

その結果、多数の線維筋痛症患者を、しばしば劇的に完治させてきました。

 

Is there Anything New Around the Corner?
(すぐそこに何か新しいものがあるのか?)

 

という問い掛けに対しては、多数のエキスパートを要する統合的アプローチというのが答えのようですが、それでは、わが国の多くの線維筋痛症の患者さんの置かれている実情から乖離するばかりです。

 

ですから、それ以外に、すでに確立しているのだが、未だ十分に認知されていない水氣道がある、というのが私の答えです。

 

水氣道自体が統合的アプローチをとっているからです。

 

そして、繰り返しになりますが、水氣道にアクセスすることが可能である限り、医療用大麻の使用は論外だと考えています。

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

Is there Anything New Around the Corner?

 

すぐそこに新しいものはあるのか?

 

 

Valerie Aloush

(ヴァレり・アルシュ)

 

Tel Aviv Sourasky Medical Center, Israel

(テル・アヴィヴ スラスキ医療センター、イスラエル)

 

 

 

Summary 

 

For years considered an unexplained disorder, with controversies about its definition, causes, management, and even its existence, fibromyalgia has evolved in recent years into an impressive field of research and progress; this evolution has been associated with better understanding of pathophysiology as well as increasing recognition and awareness regarding this highly prevalent syndrome among both health care professionals and society at large.
Diagnostic criteria have considerably changed during the last decade, attempting to integrate new clinical and pathophysiological insights, better define generalized pain, emphasized the presence of associated symptoms and recognize the validity of making a diagnosis of fibromyalgia as a potential comorbid entity, rather than defining the syndrome by exclusion. Last year, an international fibromyalgia working group on behalf of the American Pain Society published a new set of diagnostic criteria, incorporating the core symptoms of fibromyalgia, associated features, common medical and psychiatric comorbidities, psychosocial and functional consequences, as well as pathophysiology, enabling better diagnosis and classification of fibromyalgia among other chronic pain syndromes.
Research in the field of pathophysiology has expanded considerably, exploring the role of genetics, immune system, autonomic system, gut microbiome, inflammatory response, neurotransmitters, psychological factors and life events, leading to a better and more holistic comprehension of fibromyalgia.  Recognition of fibromyalgia as a comorbid disorder, especially along with other rheumatic diseases, with its implications on evaluation, disease activity scores, treatment and outcomes, is crucial to improve management of these diseases. On the other hand, specifically addressing psychiatric comorbidities with psychological therapies will also permit a decrease in the burden of somatic symptoms and physical distress.
New therapeutic options are also emerging, in order to mitigate the aberrant patterns of central pain processing demonstrated in fibromyalgia, alleviate symptoms and improve functioning. Neuromodulation by transcranial magnetic stimulation or neurofeedback are promising strategies, and further research will help in defining the optimal stimulation protocol and the most effective brain targets. Recent studies have shown symptomatic improvement in fibromyalgia patients treated by hyperbaric oxygen therapy (HBOT). Better understanding the effects of HBOT on brain activity and the mechanisms underlying such effects, as well as defining clinical/psychological settings responsive to this therapy, will help identify patients likely to improve with HBOT.
Finally yet importantly, despite considerable uncertainty regarding mechanisms of action and its exact role in the management of pain and non-pain symptoms in fibromyalgia, medical cannabis has become in the last years a focus of intense research and controversies, but also a source of hope for patients.
Understanding and treating fibromyalgia is still challenging, but the future definitely lies in an integrative approach, taking into account all we are still learning in terms of genetic background, psychosocial factors, comorbidities, neurotransmitter profile and neuroimaging pain signature in order to define the optimal individualized patient  profile and in order to devise the necessary elaborate, unique, personalized treatment approach.

 

線維筋痛症は、定義、原因、管理、そしてその存在さえも議論され、長年にわたり原因不明の疾患と考えられてきた。しかし、近年になって、研究と進歩において印象的な分野へと発展してきた。すなわち、この進化は、医療従事者や社会全体の間で、きわめて発症頻度の高いこの症候群の病態生理の理解を深めるとともに、その認知度を高め認識を深めることに繋がってきた。

 

診断基準はこの10年間でかなり変わってきた。新しい臨床および病態生理学的洞察を統合する試みは、広範囲化した痛みをより良く定義する。

 

関連症状の存在を強調し、線維筋痛症を除外診断によって定義するのではなく、むしろ、線維筋痛症がこれらの関連症状と併存する可能性があるものとして診断することが妥当であると認識するようになってきた。

 

昨年、米国疼痛学会を代表する国際的な線維筋痛症ワーキンググループは、線維筋痛症の中核症状、関連する特徴、一般的な医学的および精神医学的併存因子、心理社会的および機能的影響、さらには病態生理学を取り入れた新しい診断基準を発表し、他の慢性疼痛症候群の中で線維筋痛症のより良い診断と分類を可能にした。

 

病態生理学の分野では、遺伝学、免疫系、自律神経系、腸内細菌叢、炎症反応、神経伝達物質、心理的要因、ライフイベントなどの役割を探求する研究が大きく広がり、線維筋痛症のより良い、より全体的な理解につながっている。 線維筋痛症を他のリウマチ性疾患との併存疾患として認識し、その評価、疾患活動性スコア、治療、転帰などに影響を与えることは、これらの疾患の管理を改善するために極めて重要である。

 

一方で、精神科疾患の併存疾患を心理療法で具体的に扱うことで、身体症状や身体的苦痛の負担を軽減することも可能になる。

 

また、線維筋痛症に見られる中枢性疼痛処理の異常パターンを緩和し、症状を緩和し、機能を改善するための新たな治療法も登場している。

 

経頭蓋磁気刺激や神経フィードバックによる神経変調療法は有望な戦略であり、最適な刺激方法と最も効果的な脳の対象を明確にするためには、さらなる研究が必要である。

 

最近の研究では、高圧酸素療法(HBOT)による治療を受けた線維筋痛症患者の症状改善が示されている。脳活動に対する高圧酸素療法(HBOT)の効果とその基礎となるメカニズムをよりよく理解し、この療法に反応する臨床的/心理学的設定を定義することは、高圧酸素療法(HBOT)で改善する可能性の高い患者を特定するのに役立つであろう。

 

最後に、重要なことは、作用機序や線維筋痛症における疼痛症状および非疼痛症状の管理における正確な役割についてはかなりの不確実性があるにもかかわらず、医療用大麻はここ数年、激しい研究と論争の焦点となっているだけでなく、患者の希望の源にもなっていることである。

 

線維筋痛症の理解と治療はまだ課題が多い段階であるが、将来的には、遺伝的背景、心理社会的要因、併存疾患、神経伝達物質の特徴、神経画像の痛みの信号などの観点から、我々がまだ学んでいることをすべて考慮に入れた統合的なアプローチが必要となる。

 


ソ連崩壊前までは米ソの二大国が世界覇権を競っていましたが、現在、そして近未来は、米中の間で繰り広げられています。そこで、今後のロシアは、米露・中露関係だけでなく、対EU関係にどのような展望を持っているのかが気になるところです。そのような背景が理解できないと、今後どのように日露関係が進展していくのかについて見通すことはできません。

 

そのような中で、ロシア外交評議会の資料にアクセスすることができました。現実の国際関係についての分析は洗練された内容でありながら、同時に詩的で哲学的でさえあることに驚かされます。

 

混沌とした国際状況にあって、舵取りが難しくなっていることはロシアも日本も同じです。ただし、日本人以上に拠って立つべき人間観・世界観などのイデオロギーを希求する真摯な姿をロシア人に見出すことができます。そこでこのシリーズを8回にわたり、年を超えて掲載することにしました

 

 

РОССИЙСКИЙ СОВЕТ ПО МЕЖДУНАРОДНЫМ ДЕЛАМ

 

ロシア外交評議会

 

 

О Совете
Какой должна быть внешняя политика России в эпоху стратегической нестабильности: полемика

 

戦略的不安定時代のロシアの外交政策はどうあるべきか:極論

 

 

 

27 ноября 2020

 

2020年11月27日

 

 

Grigory Sysoev via REUTERS

 

ロイター通信グリゴーリィ・シソエフ

 

 


Андрей Кортунов

 

アンドレイ・クルノフ

 

 


Дмитрий Евстафьев

ドミトリー・イェフスタフエフ

 

 

К.полит.н., профессор кафедры интегрированных коммуникаций НИУ ВШЭ

 

政治学博士候補、国立研究大学高等経済学部総合コミュニケーション学科教授

 

 

 

Текст данной статьи основан на полемике профессора Кафедры интегрированных коммуникаций НИУ ВШЭ Дмитрия Евстафьева и генерального директора РСМД Андрея Кортунова в день открытия XX Юбилейной Международной школе ПИР-Центра по проблемам глобальной безопасности. Дискуссия «Какой должна быть внешняя политика России в эпоху стратегической нестабильности?» прошла в Звенигороде 27 сентября 2020 г. Дальнейшее обновление текста было проведено авторами, а его редактирование осуществлено редакторами по согласованию с обоими авторами полемики.

 

本稿の本文は、「世界安全保障のためのPIRセンターの二十周年記念国際学校」の初日に行われた、国立研究大学高等経済学部統合コミュニケーション学科教授のドミトリー・エフスタフィエフ氏とRSMD事務局長のアンドレイ・クルノフ氏の極論を基にしている。2020年9月27日、ズベニゴロドで「戦略的不安定時代におけるロシアの外交政策はどうあるべきか」という議論が行われた。本文は、極論の両著者と一致して、著者がさらに更新し、編集者が編集した。

 

 

Дмитрий Евстафьев:

 

ドミトリー・イェフスタフエフ

 

 

Специалистам в области международной безопасности свойственна секторальность мышления, то есть зацикленность на том, что проблемы международной безопасности, стратегической стабильности, ядерного разоружения являются фокусом мироздания и национальной политики соответствующих государств. Но это не так.

 

国際安全保障分野の専門家は、国際安全保障、戦略的安定性、核軍縮の問題が、宇宙と各国の国策の焦点であるという事実に固執する部門別思考を特徴としている。しかし、それは妥当ではない。

 

 

Мы являемся представителями сервисной функции внутри государства, внутри социально-экономической системы этого государства, и мы призваны обеспечивать комфортные условия для развития общества и государств. В современном мире есть гораздо более важные вещи, нежели вопросы, связанные с эволюцией стратегической стабильности. В частности, социокультурные отношения, культура в общем, то, что происходит в сфере эстетики. Какие эстетические перспективы нам предлагаются? Мы пришли к ситуации, близкой к идеологическому вакууму. Какие идеологические парадигмы определяют развитие международных отношений? Какие социальные структуры возникают в новом мире?

 

私たちは、国家の社会経済システムの中で、国家内のサービス機能の代表者であり、社会と国家の発展のために快適な条件を提供することが求められている。現在の世界では、戦略的安定性の進化に関わる問題よりも、はるかに重要なことがある。特に、社会文化関係、文化全般、美学の領域で何が起こるか。どのような美的視点が提供されているだろうか。イデオロギーの空白に近い状況になってきた。国際関係の発展は、どのようなイデオロギー・パラダイムによって決定されるのだろうか。新しい世界ではどのような社会構造が生まれているのだろうか?

 

 

Сфера мировой политики и глобальной безопасности не то, чтобы «надстройка», но некое «зеркало», которое в превращенной форме отражает глубинные процессы. Причем процессы эти могут быть неспешными, многолетними, а мировая политика — существенно более быстрой.

 

世界政治と世界安全保障の領域は、単なる「上部構造」ではなく、変容した形で深いプロセスを反映するある種の「鏡」である。さらに、これらのプロセスはゆっくりとした長期的なものである可能性があり、世界の政策の方がはるかに早い。

 

 

Ровно поэтому важнейшим фактором для российской политики в сфере обороны и безопасности является смерть российской газовой дипломатии. Это важнейший итог последних двух лет и будет иметь долгосрочные последствия.

 

まさにそのために、ロシアのガス外交の死は、ロシアの国防・安全保障政策にとって最も重要な要素である。これは過去2年間で最も重要な結果であり、長期的な結果をもたらすだろう。

 

 

Мы стоим перед осознанной необходимостью пересмотра подходов к нашей роли в углеводородной политике на мировом рынке. Но это будет иметь неизбежные последствия в сфере военно-политических отношений.

 

世界市場における炭化水素政策の役割について、意識的にアプローチを見直す必要性に直面している。しかし、これは軍事・政治関係の領域では避けられない結果をもたらすだろう。

 

 

Сделаю, однако, несколько замечаний о сути современных процессов.

 

しかし、現代のプロセスの本質については、少しだけ指摘しておこうと思う。

 

 

Во-первых, однополярность уже невозможна: то, что мы наблюдаем — это остаточная однополярность. Она может продолжаться довольно долго, и, вероятнее всего, будет продолжаться долго, но тем не менее она уже достигла апофеоза. Стоит отметить, что длительность продолжения остаточной однополярности зависит скорее от внутренней ситуации в США, нежели чем от внешнего контекста.

 

第一に、単極性はもはや不可能である:私たちが見ているのは残留単極性である。それはかなり長い間続くことができますし、ほとんどの場合、長い間続くであろうが、それはすでに細胞死に達している。残留一極性の持続時間は、外部の文脈よりも米国の内部状況に依存していることは注目に値する。

 

 

Во-вторых, сетевизация — остается стратегической линией развития так называемого «коллективного Запада», хотя это понятие и спорно. Поздняя, если хотите «угарная» (если пользоваться аналогиями с советским НЭПом) монополярная глобализация подразумевала единый мир, в котором будут жить отдельные люди — реализация концепции максимально возможной сетевизации. Вопрос только в том, что бумеранг сетевизации вернулся в своё ядро — в то, что называется метрополией.

 

第二に、ネットワーク化は、この概念には議論の余地があるものの、いわゆる「集団的西洋」の発展の戦略ラインであることに変わりはない。あなたは 「炭素一極」(ソ連のNEPを類推をする場合)を欲するならば、一極グローバリゼーションは、個々の人々が住んでいる単一の世界を意味し、そこで個々人はた場合は、最大可能なネットワーク化の概念の実践して生きることになる。唯一の疑問は、ネットワーク化のブーメランがその核心、つまり欧州の大都市と呼ばれるものに戻ってきたことだ。

 

 

В-третьих, многополярность не сложилась. За китайской концепцией многополярности при ближайшем рассмотрении скрывается не многополярность, а биполярность, где Китай — второй «полюс». Мы ожидали развития регионализации, но пока она развивается более медленными темпами, чем предполагалось, в том числе, и из-за активного и эффективного сопротивления США. А главное, нет никакой идеологической конструкции, которая бы соответствовала регионализации. Ключевым поворотным пунктом в системе международных отношений будет реализация уже четко обозначенного запроса на новую идеологию, на новый образ будущего. Запрос есть, а ответа нет ни у кого.

 

第三に、多極化は発展しなかった。中国の「多極性」という概念の背後には、よくよく考えてみると、多極性ではなく、中国が第二の「極」である「二極性」がある。地域化の進展を期待したが、今のところ米国からの積極的で効果的な抵抗もあり、予想以上に遅いペースで進展している。そして何よりも重要なのは、地域化に対応したイデオロギー構造が存在しないことである。国際関係システムの重要な転換点は、すでに明確に定義されている新しいイデオロギー、新しい未来像の要求を実行することである。需要があり、誰も答えを持っていない。

 

 

Нынешнюю ситуацию можно назвать ситуацией предхаоса. Хаоса нет, так как ещё работают определенные институты, соблюдаются отдельные нормы международного права, в особенности в региональных объединениях (но все меньше и меньше).

 

現在の状況は、カオス一歩手前の状況と言っても良いだろう。ある種の制度がまだ機能しているため、国際法の一定の規範が守られており、特に地域組織では(しかし、それが少なくなってきているため)混沌とした状況はない。

 

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昨年の3月にウィーンで開催された第1回の線維筋痛症の国際学会に参加してきましたが、残念なことに日本人医師は私一人でした。第2回の今年は、Covid-19パンデミックのため延期に加えてバーチャルでの開催となりました。

 

本日の演題のポイントは、線維筋痛症の治療についてですが、それには大きく分けて

1)薬物療法と

2)非薬物療法

とがあります。

 

薬物療法では、抗うつ薬や抗てんかん薬のような向精神薬の他に、イスラエルを中心に阿片/大麻類の抽出物質や合成類似物質までもが積極的に用いられています。

昨年の第一回国際会議では、特に2)非薬物療法の有効性について関心がもたれていましたが、実施している医療機関は世界中でもわずかなようでした。

 

2012年カナダ、(1)ドイツ、(2)EULAR(註:欧州リウマチ学会) 2016年ガイドライン(3)などの現在の治療ガイドラインでは、薬理学的手段と非薬理学的手段を組み合わせ、心理療法士、理学療法士など様々な分野の医療専門家の参加を募り、集学的アプローチを実施する必要性がますます強調されるようになってきています。運動は線維筋痛症症候群(FMS)治療のための最もエビデンスに基づいた治療法の一つとして、最高レベルの推奨がなされています。追加される非薬理学的介入としては、認知行動療法(CBT)、運動瞑想療法、水治療法などがあります。

 

杉並国際クリニックでは、20年間一貫として世界に先駆けて、認知行動療法(CBT)、運動瞑想療法、水治療法などの要素を体系化した水氣道®を創始・展開し、多数の線維筋痛症患者を、しばしば劇的に完治させてきました。したがって、線維筋痛症の治療のために、わざわざ麻薬類似物質の使用については否定的な立場に立っております。

 

 

Update on Fibromyalgia Treatment and Guidelines

 

線維筋痛症の治療とガイドラインの最新情報

 

 

Jacob Ablin

(ヤコブ・アブリン)

 

Tel-Aviv Sourasky Medical Center, Israel
(テル・アヴィヴ スラスキ医療センター、イスラエル)

 

 

Summary 

 

While increasing knowledge is accumulating regarding the pathogenesis and underlying neurological pathways of the fibromyalgia Syndrome (FMS) and other centralized pain disorders, this progress has yet to be associated with major breakthroughs in the therapeutic realm. Treating FMS remains a complex and all-too-often frustrating endeavor. While there is evidence indicating that some patients significantly improve, or even cease to fulfill diagnostic criteria of FMS, many patients continue to experience a chronic course with ups and downs and fail to achieve any dramatic improvement after starting treatment. Moreover, while the introduction of three FDA – approved medications, i.e. Pregabalin, Duloxetine and Milnacipran during the first decade of the century, appeared to usher in a new era in the pharmacological treatment of FMS, these three have not been followed by any additional drug – approvals and evidence has since shown that only a relatively small proportion of patients are significantly improved with these treatments as well. This reality has led to an increasing emphasis on the necessity of implementing a multidisciplinary approach, combining pharmacological with non – pharmacological tools and recruiting the participation of healthcare professionals from various areas, e.g. psychotherapists, physiotherapists etc. as recognized by current treatment guidelines such as the 2012 Canadian, (1) German (2)  and the EULAR 2016 guidelines (3). Exercise has been recognized as one of the most evidence-based modalities for treating FMS with the highest level of recommendation. Additional non-pharmacological interventions include cognitive behavioral treatment (CBT), movement meditative therapies, hydrotherapy etc.
Among pharmacological treatments, amitriptyline is still often used as first line therapy and has received a strong recommendation from some of the guidelines. Anticonvulsants, which mainly include Pregabalin and gabapentin, are still used with varying rates of success although their use is often limited by side effects. The Serotonin – Norepinephrine reuptake inhibitors (SNRIs), Duloxetine and Milnacipran, also receive mixed – recommendations by various guidelines and appear to have a role in specific patients. Cyclobenzaprine, a centrally acting muscle – relaxant, is recommended by the EULAR (weak for). Selective serotonin reuptake inhibitors (SSRI) are not recommended by EULAR but are recommended by German and Canadian guidelines. In real life, combining SSRIs with amitriptyline is often a practical option, since many patients may present already being treated with SSRI (for depression or anxiety) and adding amitriptyline may be easier than switching to a SNRI under such circumstances.
Strong opioids are generally not recommended for use in fibromyalgia and there are indications that their use may in fact be deleterious, due to exacerbating opioid – induced hyperalgesia. Tramadol, a weak opioid with additional 5-HT and norepinephrine reuptake inhibition activity, does show some efficacy in FMS and is recommended by EULAR and Canadian guidelines. Cannabinoids continue to receive a great deal of attention in the field of FMS, as well as chronic pain in general. There is both theoretical as well as multiple anecdotal indications supporting the use of cannabinoids in the treatment of FMS for both improving sleep as well as combating pain, although this form of treatment cannot be regarded as evidence – base at present and most guidelines remain guarded on the question. Moreover, there is currently no consensus regarding the question which cannabinoid or cannabinoids is optimal for FMS, i.e. THC, CBD, an “entourage” of cannabinoids etc. There is an obvious need for further research on this topic.
In view of the limited success rates of pharmacological interventions, there is growing interest in the prospect of achieving neuroplasticity and reducing central sensitization in FMS, through various techniques. Among the more established of these, one might mention Trans cranial magnetic stimulation (TMS) and Trans cranial direct current stimulation (tDCS), while more experimental approaches include the implementation of hyperbaric oxygen therapy (HBOT) and neuro-feedback. Interesting results have been achieved with these last two modalities and research is ongoing. At present however these modalities remain investigational in nature and are not included in current management guidelines.


線維筋痛症症候群(FMS)や他の中枢性疼痛障害の病態やその根底にある神経学的経路に関する知識が蓄積されつつあるが、この進歩は治療領域における大きなブレークスルーとはまだ結びついていない。

 

線維筋痛症症候群(FMS)の治療は依然として複雑で、しばしばイライラさせられることが多い。

 

一部の患者では有意に改善したり、線維筋痛症症候群(FMS)の診断基準を満たさなくなったりすることを示すエビデンスがある一方で、多くの患者は浮き沈みを伴う慢性的な経過を経験し続け、治療を開始しても劇的な改善を達成することができなかった。

 

さらに、今世紀の最初の10年の間に、プレガバリン(註:リリカ®)、デュロキセチン(註:サインバルタ®)、ミルナシプラン(註:トレドミン®)という3つのFDA承認薬が導入され、線維筋痛症症候群(FMS)の薬理学的治療に新たな時代が到来したかに見えましたが、これら3つの薬はその後も承認されておらず、これらの治療で有意に改善された患者さんは比較的少数にすぎないことが示されている。

 

このような現実から、2012年カナダ、(1)ドイツ、(2)EULAR 2016年ガイドライン(3)などの現在の治療ガイドラインで認められているように、薬理学的手段と非薬理学的手段を組み合わせ、心理療法士、理学療法士など様々な分野の医療専門家の参加を募り、集学的アプローチを実施する必要性がますます強調されるようになってきた。

 

運動は線維筋痛症症候群(FMS)治療のための最もエビデンスに基づいた治療法の一つとして、最高レベルの推奨がなされていると認識されている。追加される非薬理学的介入としては、認知行動療法(CBT)、運動瞑想療法、水治療法などがある。

 

薬物学的治療の中では、アミトリプチリン(註:トリプタノール®)が第一選択薬として使用されることが多く、いくつかのガイドラインでは強い推奨がなされている。

 

抗けいれん薬(主にプレガバリンとガバペンチンを含む)は、副作用のために使用が制限されていることが多いが、成功率は様々である。セロトニン-ノレピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるデュロキセチンとミルナシプランもまた、様々なガイドラインで混合した推奨を受けており、特定の患者には役割があるようである。

 

中央に作用する筋弛緩薬であるシクロベンザプリン(註:フレクセリル®、わが国では未認証)は、EULARでは(弱い)推奨がなされている。

 

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、EULARでは推奨されていないが、ドイツやカナダのガイドラインでは推奨されている。

現実的には、SSRIとアミトリプチリンを併用することは、多くの患者がすでにSSRI(うつ病や不安症のための)で治療を受けている場合があり、そのような状況下ではアミトリプチリンを追加する方がSNRIに切り替えるよりも簡単な場合があるため、現実的な選択肢となることが多い。

 

強力なオピオイドは一般的に線維筋痛症での使用は推奨されておらず、オピオイド誘発性の痛覚過敏を悪化させるため、実際にはその使用は有害である可能性があるとの指摘がある。

 

5-HTとノルエピネフリン再取り込み阻害作用を持つ弱いオピオイドであるトラマドール(註:トラマール®、ワントラム®)は、線維筋痛症症候群(FMS)に対してある程度の効果を示しており、EULARとカナダのガイドラインで推奨されている。

 

カンナビノイド(医療用大麻)は、線維筋痛症症候群(FMS)の分野だけでなく、慢性疼痛一般の分野でも引き続き大きな注目を集めている。

 

線維筋痛症症候群(FMS)の治療に医療用大麻を使用して睡眠を改善し、痛みと闘うことを支持する理論的な説明と複数の逸話があるが、現在のところ、この治療法はエビデンスに基づいたものとは考えられず、ほとんどのガイドラインでは、この問題については慎重な姿勢がとられている。

さらに、どの医療用大麻もしくは医療用大麻群が線維筋痛症症候群(FMS)に最適なのか、つまりTHC(註:テトラヒドロカンナビノール⇒日本では2009年11月20日より指定薬物として規制されている)、CBD(註:カンナビジオール⇒カナダ、米国、欧州で承認されている)、カンナビノイド「近縁薬物」などについては、現在のところコンセンサスがない。このトピックについてのさらなる研究が必要であることは明らかである。


薬理学的介入の成功率が限られていることから、様々な手法を用いて線維筋痛症症候群(FMS)の神経可塑性を達成し、中枢性感作を減少させることへの関心が高まっている。これらの中で、より確立されたものとしては、経頭蓋磁気刺激(TMS)や経頭蓋直流刺激(tDCS)などが挙げられるが、より実験的なアプローチとしては、高圧酸素療法(HBOT)や神経フィードバック療法の実施などがある。これらの最後の2つの治療法で興味深い結果が得られており、研究が進行中である。しかし、現在のところ、これらの治療法は研究段階にあり、現在の管理ガイドラインには含まれていない。

 

1. Fitzcharles M-A, Ste-Marie PA, Goldenberg DL, Pereira JX, Abbey S, Choinière M, et al. 2012 Canadian guidelines for the diagnosis and management of fibromyalgia syndrome: executive summary. Pain Research and Management. 2013;18(3):119-26.

 

2. Sommer C, Häuser W, Alten R, Petzke F, Späth M, Tölle T, et al. Drug therapy of fibromyalgia syndrome. Systematic review, meta-analysis and guideline. 2012.
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