イタリア語旅行、新型コロナ下でのイタリア・オペラ

 


Teatro alla Scala (Milano): comunicazione
スカラ座(ミラノ):

コミュニケーション

 

オペラ好きにとってイタリアのミラノといえば、スカラ座。しかし、今年のミラノは欧州の新型コロナパンデミックの総輸入元の感があります。中国人港湾労働者の出入りが多いヴェネチアの港からも至近距離です。私のイタリア観もミラノに対する想いも大きく揺れ動きました。そこで、そのスカラ座のいま、を検索してみることにしました。

 

 

5 Novembre 2020

2020年11月5日

 


Il Consiglio di Amministrazione del Teatro alla Scala riunito in data odierna ha preso atto che nell’attuale quadro epidemiologico e normativo non sussistono le condizioni per provare e realizzare una produzione aperta al pubblico e del livello e con le caratteristiche richieste per un’inaugurazione di Stagione. Le rappresentazioni di Lucia di Lammermoor previste per il 7 dicembre e per i giorni seguenti sono quindi rinviate.

 

本日開催されたテアトロ・アッラ・スカラ座(註1)の理事会では、現在の疫学的・規制的な枠組みでは、一般公開されている作品をリハーサルして制作し、シーズン開幕に必要な水準と特徴を持つ作品を制作するための条件が整わないことが指摘されました。そのため、12月7日に予定されていたランメルモールのルチア(註2)の公演は延期となりました。

 

 

(註1)テアトロ・アッラ・スカラ座    

イタリア・ミラノにある歌劇場。初代の宮廷劇場以来の伝統を持つイタリアオペラ界の最高峰とされます。現在の建物は2代目のもので、初代の歴史的建築物のテアトロ・ドゥカーレ(Teatro Ducale)は1776年2月25日、謝肉祭のガラ・コンサート後に焼失しました。劇場は2002年1月19日から2004年11月までの間、スイス・ティチーノ州の建築家マリオ・ボッタによる大改修プロジェクトのため閉鎖されました。その間オペラ座は市の中心部を遠く離れた新しいアルチンボルディ劇場に移動。改修に対して伝統派から歴史的なディテールが失われる虞があるという異論を招きました。しかし、オペラ座当局は内部構造およびホール内部の分厚い赤絨毯を撤去した際の音響の改善効果に感心しているといわれます。舞台は全面的に造り替えられ、拡大された舞台裏はより多くの舞台装置を収容でき、従来より多数の公演に対応できるようになりました。客席にはモニタが設置され、観客はオペラのせりふを英語、フランス語およびイタリア語で読むことができます。

 

(註2)ランメルモールのルチア

ドニゼッティのオペラ、「狂乱の場」が有名で、これは、陰謀にかかった ルチアが狂乱する場面で、非常に高度のコロラトゥーラの技巧が要求されます。
    

 

以下のYoutubeアドレスでお楽しみいただけます。

 

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Inoltre è stato richiesto al Sovrintendente e Direttore Artistico Dominique Meyer di approfondire la sua proposta per una soluzione alternativa di alta qualità per la serata del 7 dicembre. Non ritenendo di poter avere pubblico in Teatro si cercherà una formula per raggiungere una platea la più ampia possibile.

 

また、12月7日の夜に向けて、総支配人兼芸術監督のドミニク・メイヤー(註3)氏が、質の高い代替案を提案していることを詳しく説明するよう求められています。劇場に観客を招くことができるとは思っていないので、できるだけ広く観客を呼べるような解決策を模索していきます。

 

(註3)ドミニク・メイヤー

Dominique Meyer、1955年フランス・アルザス生まれ。フランスの政治家、経済学者、学者、オペラ演出家。1989年から1990年までパリ・オペラ座総監督、1994年から1999年までローザンヌ歌劇場総監督を務めた。また、1995年から1999年までローザンヌ歌劇場の理事を務めた。1991年から2007年まではプレリョカージュ・バレエ団の理事長、1999年から2010年まではシャンゼリゼ劇場の総監督兼芸術監督を務めた。2001年から2010年までフランス・ユース・オーケストラの理事長を務めた。2010年からはウィーン国立歌劇場のディレクターを務めている。現在、ヨーロッパ音楽演劇アカデミーとパリ国立音楽院の理事を務めている。