7月31日(金)
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心療内科のエキスパートであり労働衛生コンサルタント資格を持つ産業医として事業場の衛生環境の指導や教育を行なう労働衛生コンサルタントは、産業医と似ている資格です。企業が労働衛生コンサルタントを雇用するメリットは、一体どのようなことがあるのでしょうか。
ここでは労働衛生コンサルタントの特徴や業務内容、メンタルヘルス対策への対応についてまとめています。
労働衛生コンサルタント(労コン)とは
繰り返しになりますが、労働安全衛生法に基づく国家試験に合格し、厚生労働省に備え付けられた名簿に登録を受けた労働衛生の専門家が労働衛生コンサルタントです。「労コン」と短く呼ばれることもあります。
「労コン」は、労働衛生に関する専門知識と豊富な実務経験に基づいて指導を行ない、事業場の診断を行ないます。
労働コンサルタントは試験区分によって「保険衛生」と「衛生工学」に分類。保健衛生は健康管理面、衛生工学は環境管理面からのアプローチを得意分野としています。産業医の中には労働衛生コンサルタントを取得することで、業務に関する知識を深めている医師もいます。
労働衛生コンサルタントの業務
労働者の衛生水準の向上を図り、事業場の衛生について診断または指導を行なう労働衛生コンサルタント。主な業務は以下のとおりです。
• 労働衛生状況を診断し、改善の計画を立てる
• 労働衛生に関する社内規則や点検基準の構築
• 労働衛生に関する責任者・社員への指導と教育
• 職場全体の局所排気装置や換気装置、粉塵防止装置の設置が適切か確認。適切でない場合は、最適な状況に変更
• 労働衛生を適正に保つためのシステムの構築や管理
労働衛生コンサルタントは、安全衛生の専門家として事業者の求めに応じてさまざまなサポートをします。
メンタルヘルス対策への対応
最近は精神障害の労災認定件数が増えており、メンタルヘルス対策の重要性が高まっています。労働衛生コンサルタントが行なうメンタルヘルス対策は、
1)始めに事業場の就業規約やメンタルヘルスに関する社内規定・基準を確認。労働安全衛生法に規定されている労働衛生管理体制の確立や、健康に関する法定遵守事項が適切に行なわれているか調査します。
2)その後、事業場での問題点を整理し、実態を踏まえたメンタルヘルス対策に関する改善を作成。助言や指導を行なうといった流れです。
産業医の中でも労働衛生コンサルタントの資格を持つ産業医を選任すると、社員の心身状況に対して幅広い意見を聞くことができるので、先見性のある企業は、こうしたハイレベルの産業医を積極的に活用していると聞いています。
メンタルヘルス問題が増えている現代社会では、心療内科のエキスパートでもある労働衛生コンサルタントが担う役割は、今後ますます大きくなるといえるでしょう。
さらに広がっている産業医へのニーズは?
外国人比率が急速に高まる中、働き方の多様性も求められるようになり、産業医へのニーズも大きく広がっています。例えば、企業のグローバル化が進んでいる現在、英語対応を行なう産業医も増加傾向です。
また、月に決まった時間だけ会社に訪問するのではなく、必要に応じてスポット対応や産業医選任義務のない小規模事業所での業務もこなすことが普通になってきました。
働き方の変化に合わせて、産業医もさまざまな取り組みを行なうようになっていると言えるでしょう。
外国人労働者への英語対応
数ある産業医ニーズの中でもっとも高まりを見せているのが、産業医の英語対応が可能かどうかという点です。グローバル化を進めている企業にとって重要なポイントが、外国人労働者の健康管理。慣れない環境での労働はストレスが溜まりやすく、まったく生活習慣や文化の違う国から来ている外国人労働者にはケアが重要です。
外資系企業や外国人の社員を多く抱えるIT企業はコミュニケーションに関してストレスを溜めないように、独自にさまざまな取り組みをしています。
企業の変化に合わせて、英語対応が可能な産業医も増加傾向です。英語が話せる産業医がいれば、外国人労働者が感じる不満点をすぐに把握できます。
外国人労働者が多い・外国人労働者を増やす予定がある企業に力強い存在と言えるでしょう。
英語対応できる産業医の紹介
一般の産業医であれば、医師会経由や人脈などで探すことはできます。しかし、英語対応ができるといった特定のスキルを持った産業医を探すのであれば、医師会はお勧めできません。専門の紹介会社を使う方が効率良く進められます。紹介会社のメリットとしては、経験値や人柄などの相談もできることが大きいからです。
外国人労働者に英語対応できる産業医は、紹介会社によっては紹介可能です。さまざまなニーズに応えるため、紹介会社もさまざまなタイプの産業医を紹介できる準備をしています。特に外国人労働者へのケアを得意とする産業医は英語で会話ができるだけでなく、出身国の生活習慣や文化の違いを理解して、コミュニケーションを行なってくれるでしょう。職場のグローバル化を進める上で、英語対応ができる産業医は不可欠になってきます。
コメント:
杉並国際クリニックが既に発揮している診療機能についての評価は、すでに高まりつつあります。それは、英語診療が可能な心療内科指導医としての総合医療の豊富な臨床経験をもち、さらに労働衛生コンサルタント資格をもつ産業医が、日本の国益に適い、国力の維持・発展に大きな役割を果たすことができることに気づき始めた政府をはじめ、自治体、企業経営者や人事担当者等が増えてきたからです。
令和3年6月から、杉並国際クリニックは、こうした時代の要請を受けて「完全予約制」から、さらに大きく前進して「会員制」に移行する計画を準備しているところですが、その会員には法人会員も含めることを予定しております。
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