中国語旅行:スマート香港からクール台湾へ、台湾「中国時報」から読み取る未だクールでない中国報道No1

7月13日(月)

 

台湾といえば地理的に最も近い親日国です。今日の台湾世論の大勢は、台湾が中華人民共和国の主権に帰属するものではなく、中華民国という国家であるという点で一致しています。

その上で中華民国の立法府たる立法院の議員などの政治家は今なお、「台湾も中華人民共和国も同じ中華民族の国家である」とみなす泛藍連盟派と、「台湾と中国は別々の国である」とする泛緑連盟派(台湾本土派および独立派)のいずれかに大別されます。


中国時報は中華民国(台湾)で発行される繁体字中国語の日刊新聞で、政権交代以降は泛藍寄りで親中的な論調と評されます。

台湾の新聞は、かつては中国時報と聯合報が二大新聞で、中国時報は台湾を代表する新聞としての地位を確立してきました。

その後、報道の禁制が解除された後の1992年から1994年にかけて部数を伸ばした自由時報と、2003年に創刊された蘋果日報がこれに加わり、現在は四強の状態です。

また政権交代以降も親中的な論調と評されていることもあってか、世新大学の実施した世論調査によると、台湾で4番目に読まれる新聞とされます(世新大學傳播媒體資料庫-2012媒體風雲排行榜)。

 

以下は、中国時報の電子版「中時電子報」からの記事です。

 

陸美合作、對話與管控清單
米中協力・対話・統制リスト

 


大陸國務委員兼外交部長王毅昨在「中美智庫媒體視訊論壇」致詞時表示,陸美面臨建交後最嚴重挑戰,但陸美關係不能另起爐灶、強行脫鉤,應該與時俱進。他建議陸美應梳理出合作、對話與管控清單,包括把明確可合作事項、可通過對話解決事項,以及管控好少數難達共識的難題。王毅也表明,大陸對美政策並沒改變,無意與美對抗,願隨時敞開對話大門。

中国の王毅国務院議員兼外相は昨日の中米シンクタンクメディア・ビデオフォーラムでの講演で、米中は国交樹立以来、最も深刻な危機に直面していると述べた。 米中関係は新しいストーブで無理に縁を切るのではなく、時代とともに進化していくべきだと述べた。 米中の協力・対話・統制リストを整理し、協力できる課題、対話で解決できる課題、対話で解決できる課題を明確にするなど、米中の協力・対話・統制リストを整理すべきだと提案した。 合意が得られにくい少数の課題を管理するのは大変な作業だ。 米国とは対峙する気はなく、いつでも対話の扉を開く準備ができている。

 

コメント:

陸美關係」という表記があります。これは中米関係を指しています。ふつう、台湾で中国を表すときには中もしく中國と書きます。陸と表記するのは大陸の中国、という意味でしょう。

これに対して、台湾はさしずめ島の中国、ということでしょうか。スマートな台湾人は、自らを中國人であるとは認めたがりません。

台湾は中国の一部でないと考えているからです。

新聞名を中國時報のままにしておくことが多くを物語っている、といえるかもしれません。引き続き来週も、台湾の「中國時報」紙から見た中米関係報道についてみていきたいと思います。