特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』「これが差別か」新型コロナ陰性~退院のあとに待っていたもの ④

7月8日(水)

 

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症例14(その4)

第3節:“マジでやばい” 

男性は入院できる場所をみずから探すことにした。

家族を介して連絡がついた病院に行ってみるとー

 

肺のCTを撮ったら、僕が見てもわかるくらい肺が真っ白だったんですよ。それで先生から「あんた、こんなんだったら死ぬよ」って言われて。

酸素レベルを測ると80%位(註1:これは完全な呼吸不全レベルです。)まで落ちていて。


「あんたきつくないねー?」って言われるけど、マスクと、鼻水が詰まってたんで、それできついのかなあ(註2:やはり、この方は明らかに感度が低下しているようです。発熱だけでなく呼吸困難に対してもかなり鈍い方です。このような方は発見が遅れて手遅れになりがちですが、尋常ではない回復力が備わっていたと思われます。無酸素運動やフルマラソンなどで鍛え挙げているようなタイプです。)と思ってたんですよ。

 

「息苦しいけどもマスクのせいだと思っていました」って言ったら、「もしここでアビガンが効かなかったら、でかい病院に転院させないといけないし。死ぬ覚悟しないといけないよ」って言われて。これ、やべえなと思って。

 

男性はそのまま入院したが、ウイルスの症状は想像以上につらかったという

もうマジで立てないぐらいきつい。熱が最高で41度2分まで上がったんですよ。熱がちょっとすごいですね。息苦しさとかは、僕は鼻づまり程度だったんですけども、熱と体のだるさ、インフルエンザかかってタミフル飲む前のきっかけがあるじゃないですか。あれが7日間続く感じです。

 

世間の人たちがSNSで「甘く見るなよ」って言ってたじゃないですか。なった本人からすると、周りの人に「ほんとに甘く見ないほうがいいよ」って言ってます。マジでやばいよ。

アビガン投与して3日ぐらいかけて熱が下がっていった。

4日目ぐらいからは自分でシャワーも浴びられるし、普通に生活できるぐらいまでに回復(註3:驚異的な回復といえますが、救命できた方の中には驚異的な速度で回復を経験している方が少なくないようです。これもCovid-19の特徴なのかもしれません。)したんですよ。

 

<明日へ続く>