特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』「これが差別か」新型コロナ陰性~退院のあとに待っていたもの ②

7月6日(月)

 

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症例14(その2)

新型コロナウイルス 感染者・家族 遺族の証言
「これが差別か」
新型コロナ陰性~退院のあとに待っていたもの

 

その後も熱は下がらなかったがなかなか検査を受けられなかった。医師のすすめで胸のCT画像を撮った(註8:重症化リスクを早期に発見するうえでは、PCR検査よりも遥かに重要な検査だと思います。)ところ新型ウイルスの症状(註9:患者言葉なので仕方がないのですが、念のため。この場合、症状ではなく「検査所見」といいます。症状はあくまでも患者さん固有のものです。)が出ていた

 


「(保健所に)何を言ってもだめだから、結果で示すしかないから」(註10:この医師は、保健所行政の実態を知り、患者を救うために戦略的に行動していることがうかがわれます)って言われて、胸のCTを撮りに行ったんですよ。肺炎像が胸のところに出てて、コロナの可能性が高いって、その病院の先生から保健所に連絡してもらったんですよ。


そしたら「いったん帰って保健所からの連絡を待ってくれ」(註11:たいていの保健所には医師は所長を含めて2名程であり、必ずしも臨床医ではありません。保健師を含めて、事実上、上司からの指示待ち族なのでしょう。ですから、お伺いを立ててから行政判断をいただいて、それから動いているようなので、とても時間がかかります。現場に与えられた裁量権が乏しいため、現場の職員を非難することは的外れとされ、患者や医療機関は泣き寝入りを余儀なくされてきました。)って言われて。

そこから丸1日半全く連絡がなくて、1日半後に連絡が来てやっとPCR検査が受けられたっていう感じですね。

 

<明日へ続く>