特集:シリーズ『新型コロナウイルス罹患者の体験から学ぼう』「これが差別か」新型コロナ陰性~退院のあとに待っていたもの ①

7月5日(日)

取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ14症例の研究


新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。

新型コロナウイルス 感染者・家族 遺族の証言

4月27日取材 福岡放送局 森並慶三郎



福岡市に住む38歳の自営業の男性は、新型コロナウイルスが陰性となって退院したあと、病院や美容室の利用を拒否されたといいます。「これが差別かと思った」。男性の話です。

 

症例14(その1)

第1節:コーヒーの味がしない病院からは“来ないでくれ” 

男性に症状が出たのは3月下旬。
友人たちと食事をして帰宅しようとしたとき、異変を感じた

 

ごはん食べて、帰りにコンビニでコーヒー買って飲んだら全く味がしなくて。コーヒー一気飲みできるくらい、味がなかった(註1:味覚障害が初発症状という特徴的なケース)ですね。


まさかと思って(自宅で)目の前にあった香水をにおったらにおいがなく(註2:嗅覚脱失も味覚障害関連の症状です)て。

熱を測ったら38度5分(註3:体温が38.5℃になっても発熱の自覚がなかったとすれば、発熱に鈍感な体質か、平熱が高めであったのかもしれません。いずれにせよ、味覚や嗅覚が障害される前に、すでに微熱が生じている可能性があったことは否定できません。そして、この段階で感染性あり、ということになるでしょう。)あったんですよ。


で次の日、自分の知り合いの内科に電話して、こういう症状だっていうふうに言ったら、「薬を出すからとりあえず病院には来ないでくれ」と。「処方箋だけメールで送るから、それを持って薬局に行って飲んでくれ」と。「それを3日間飲み続けて症状が治まらなければ、コロナの可能性が高い」(註4:この医師の判断は、この段階では妥当だと思います。)と。


結構強い抗生物質とせき止めと鼻水の薬、あと熱さましをもらって3日間飲んだ(註5:処方について異議あり!特に抗生物質と熱さまし⇒この場合消炎解熱剤か?を処方することには慎重であっていただきたいと思います。しかし、このような処方をする医師が多数に及んでいることも、残念ながら事実のようです。)んですけども、全然、症状が改善されず、

「改善されません」と先生に言ったら、「保健所に電話しよう」(註6:この医師も、本来であれば抗生剤や解熱剤を処方したくなかった可能性があります。つまり、保険所でPCR検査を拒否されないような条件づくりのために、やむを得ず処方された可能性があります。)って言って電話してくれたんですよ。


でも保健所は門前払いで全然取り合ってくれなかった。「検査できません」(註7:患者や主治医の願いと努力は無にされてしまいました!)と。

 

<明日へ続く>