6月25日(木)

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1980年から現在に至るソフロロジーの展開

結局のところ、歴史だけでは内容を想像するだけになってしまいかねないので、具体的な実践方法を研究し、水氣道の参考にしたいと考えています。

 

De 1980 à 1988 : la sophrologie s’émancipe
1980年から1988年まで:ソフロロジーは解放される

 

La sophrologie dite « sociale » prend de plus en plus d’essor. Certains y découvrent un très important potentiel de développement de la personne. La sophrologie confirme sa place dans la prophylaxie (prévention, promotion de la santé). Elle va aussi conquérir le domaine sportif car elle s’avère être très efficace pour une bonne préparation mentale.

いわゆる「社会的」なソフロロジーが増えてきています。人の開発の非常に重要な可能性を発見するものがあります。ソフロロジーは、予防(予防、健康増進)の分野での位置づけを確認しています。それはまた、それが良い精神的な準備のために非常に効果的であることが証明されているので、それはまた、スポーツ分野を席巻するでしょう。

 

En 1985, un quatrième degré de sophrologie voit le jour. Ce degré développe les valeurs existentielles et individuelles de l’individu.

1985年、第4段階のソフロロジーが誕生しました。この段階は実存的かつ個人的価値観を開発します。

 

Pour un grand nombre de sophrologue, ce quatrième degré est le point d’orgue de la technique sophrologique et un grand nombre de praticiens utilisent ces quatre degrés et leurs exercices dans leur cabinet.

多くのソフロロジストにとって、この第4段階はソフロロジカルテクニックの集大成であり、多くの開業実践家がこの第4段階とそのエクササイズを実践の場で活用しています。

 

1988 : la sophrologie se segmente

1988年:ソフロロジーをセグメント化

 

En 1988, Alfonso Caycedo choisit de s’installer en Andorre afin de continuer à développer la sophrologie selon une optique philosophique, voire spirituelle. Il dépose alors la marque « sophrologie caycédienne » et crée plus tard 8 degrés supplémentaires.

1988年、アルフォンソ・カイセドは、哲学的、さらには精神的な観点からソフロロジーを発展させるために、アンドラに定住することを選びました。その後、「カイセドのソフロロジー」の商標を登録し、後に8つの段階を追加作成します。

 

Cette décision va segmenter la sophrologie en deux grands courants de la sophrologie d’aujourd’hui :

• La sophrologie caycédienne à objectif philosophique, voire spirituelle (degrés 5 à 12)

• La sophrologie non-caycédienne à objectif thérapeutique (degrés 1 à 4)

この決定により、今日のソフロロジーを二つの大きな流れに細分化していく。

 哲学的、さらには霊的な目的を持ったカイセドのソフロロジー(第5ないし15段階)

 治療目的を持つ非カイセドのソフロロジー(第1ないし4段階)

 

Nota : il est important de préciser qu’il s’agit ici d’une description de la sophrologie comme méthode. Les sophrologues caycédiens peuvent également exercer dans un objectif thérapeutique.

注:これは方法としてのソフロロジーの記述であることを明記しておきます。カイセドのソフロロジストは、治療目的での実践も可能です。

 

 

De 1988 à nos jours : la sophrologie se développe

1988年から現在まで:ソフロロジーの展開

 

Qu’elle soit utilisée de manière philosophique ou thérapeutique, la Sophrologie se propage et se découvre sans cesse de nouvelles utilisations.

哲学的にも治療的にも、ソフロロジーは広がりを見せており、常に新しい用途が発見されています。

 

L’efficacité de ses techniques se vérifie dans des champs d’application aussi variés que la gestion du stress et des émotions, la préparation mentale d’événements (accouchement, compétition), l’accompagnement aux traitements médicaux, la gestion des phobies, des addictions ou de la douleur, l’amélioration de la concentration.

その技術の有効性は、ストレスや感情の管理、イベント(出産、競争)の精神的な準備、治療の伴奏、恐怖症、依存症や痛みの管理、集中力の向上など、様々な応用分野で見ることができます。

 

La sophrologie est utilisée par des sophrologues, mais aussi des médecins, des travailleurs sociaux, des infirmières, des responsables du personnel, des entraîneurs, des coachs, des enseignants…

ソフロロジーは、ソフロロジストだけでなく、医師、ソーシャルワーカー、看護師、人事担当者、コーチ、トレーナー、教師などにも使われています。

 

Elle se pratique partout, en cabinet, en salle de sport, en salon de bien-être, en entreprise, à l’hôpital, à l’école…

オフィス、ジム、ウェルネスサロン、企業、病院、学校など、どこでも実践されています。

 

La Sophrologie a aujourd’hui 50 ans, son efficacité est reconnue et elle est rentrée dans le quotidien de nombreuses personnes.

ソフロロジーは今日で50年、その効果が認められ、多くの人々の日常生活に入っていきました。

6月25日(木)
第4週:神経病・内分泌・代謝病    


高Na血症と高K血症と様々な内分泌異常

高ナトリウム血症
高ナトリウム(Na)血症は、水バランスの破綻によって起こります。生体にはそのための防御機構として、口渇感による水分摂取量増加とバゾプレシン(AVP)分泌機構による腎での水排泄低下がもたらされ、体内に水を貯留することでNa濃度は希釈されて高Na血症は改善されます。
高Na血症を来す代表的内分泌疾患である尿崩症は、AVP分泌または作用が症が障害される疾患であるが、口渇感の障害または水摂取困難な状況を伴う場合には顕著な高Na血症を生じます。

高Na血症の病態鑑別のためには尿浸透圧の測定による病態鑑別が有用です。
・尿浸透圧が高い場合(≧600mOsm/㎏・H₂O):
腎以外からの水分喪失、浸透圧性利尿
・尿浸透圧が低い場合(<300mOsm/㎏・H₂O):
尿崩症
・尿浸透圧が中間の場合(300~600mOsm/㎏・H₂O):
浸透圧利尿、部分的尿崩症

口渇感の障害:成人において最も多い原因は、高齢者で水を摂取できない状況下(寝たきり・認知機能障害等)での脱水です。この場合、感染症が誘因となることが多く、また意識障害を伴うことがあります。下痢、嘔吐ならびに多尿による脱水の有無の確認とともに、血糖や尿糖の測定が必要です。
尿崩症
    診断は、高張食塩水負荷試験と水制限試験によります。
また中枢性と腎性の鑑別にはAVP負荷試験を行います。
中枢性尿崩症
・特発性尿崩症(リンパ球性漏斗下垂体後葉炎、IgG4関連下垂体炎、
多発血管炎性肉芽腫症)
     ・続発性中枢性尿崩症
腎性尿崩症
・薬剤性(リチウム内服)
・高カルシウム血症
無飲性尿崩症
     抗Nax抗体の存在および脳弓下器官(SFO)の自己免疫機序による障害が原因です。

高カリウム血症
高K血症は様々な病態で生じます。まず、腎機能が正常であるにもかかわらず尿中K排泄低下がみられる場合はアルドステロン作用不全が原因であると考えられます。多くの病態ではNa喪失による低血圧を伴います。しかし、偽性低アルドステロン症Ⅱ型は、Na吸収亢進のため高血圧となります。各病態の把握のためには、高レニンか低レニンか、また、高アルドステロンか低アルドステロンかで考慮すべき疾患を鑑別することができます。

高レニン・高アルドステロン性
偽性低アルドステロン症Ⅰ型(PHAⅠ型)、間質性腎炎・尿路閉塞、
薬剤性(MR拮抗薬、ENaC-I)
高レニン・ 低アルドステロン性
・アジソン病
⇒原発性副腎皮質機能低下症、先天性副腎皮質低形成
・副腎水酸化酵素欠損症(21、18)
⇒コルチゾール合成障害+ミネラルコルチコイド過剰
・薬剤性(ATⅡR拮抗薬、ACE・I)
低レニン・低アルドステロン性
・偽性低アルドステロン症Ⅱ型(PHAⅡ型)
・Ⅳ型尿細管性アシドーシス(糖尿病に合併)
・薬剤性(β遮断薬、NSAIDs)

鷺ノ宮体育館温水プール(第5レーン使用)

 

参加者:支援員1名、修錬生1名、訓練生2名、特別体験生1名

 

指導トレーナー:水氣道正弐段下 林亮博

 

修錬生インストラクター:水氣道2級 坂本光昭

 

報告担当ファシリテーター:水氣道5級(中等訓練生)植田栄喜

 

受付:主当番:支援員トレーナー:林亮博

 

 

 

稽古内容

 

1) 親水航法

 

2) 準備体操(イキイキ体操)
広がって、各8カウントの短縮版

 

3) 基本五航法(起のみ):一列縦列行進方式
修練生1名、訓練生1名を頭尾位に配置し、指導トレーナーがサポート

 

4) 各種航法:名宣り稽古方式
理気航法、調血航法、活水航法、経絡航法

 

 

【まとめ】

稽古プログラムの流れは、水氣道の原則にしたがって実施

 

各種航法では、特別体験生の名宣り「初伝」、訓練生の名宣り「脇伝」の稽古を実施

 

活水航法、経絡航法は5枚目まで実施

 

整理体操(のびのび体操)は行わなかった

 

 

・先週と比べて、稽古の流れを思い出せていたので全体的にスムーズに行えた

 

・水温が今までで一番暖かく、身体から熱が逃げないので少しやり辛かった

6月24日(水)

 

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症例12(その2)

第2節:経験したことが無い病気 

最初は普通のかぜかなと思っていた(註:予め『玉弊風散』で備えていただきたい事例です。)んですね。

初診の4月1日は、のどが痛くて(註:第2ステップA『金羚感冒散=銀翹散』が効き易いです。とくに、日頃第1ステップ『玉弊風散』を服用している方の反応は良いと思われます)、かぜかなと思っていまして、かかりつけの耳鼻科に行ったんですけど、その時はへんとう炎ということで、その次の2日に、ごはんを食べていたら急に熱がどーんとあがって(註:ステップ2C『柴葛解肌湯』やステップ3『地竜』が良い適応です)異常だなという感じがありました。


1日に病院に行って、2日の日にばーんと上がってしまって。一応その県の発熱外来みたいな所に電話をして確認をとって、近所の医者に行っていいのかというのを確認して行きました。そうしないと行っちゃいけないというお話を聞いたので、変に動けないじゃないですか、やっぱり。


最初から疑っていたんで、仕事も仕事だし、いつかは来るんだろうなと思って(註:「いつかは来るんだろうな」という気持ちになる場合は、すでにどこかでリスクのある局面に気づいている場合があります。そのリスク局面を丁寧に除去しない限り、感染を免れないのがCovid-19の辛辣さ、ということになるでしょう。)、そしたら本当にこうなってしまって。2日の夜に熱が上がって、その時に、これは本当におかしいぞと思って、そこから本格的に別のお医者さんに連絡したりとか、県もそうですし、保健所にもかけたりして。とにかく僕としては異常な感じがしていたので、いろいろな人の意見を聞いてみようと思いました。


ぼく、インフルエンザとか子どもの手足口病とか最近うつったことがあるんですけど、どーんてきます(註:急激に悪化するのがCovid-19の特徴の一つです。ですから、安全で確かな常備薬を確保して、速やかに内服できるようにしておくことが大切です。仮にステップ1の『玉弊風散』を使用していても急性症状が現れる可能性がありますが、その場合は、ステップ2C『柴葛解肌湯』が助けになることでしょう。)ね。

じわじわくるのではなくて。本当にウイルスが入った感じが分かりますね。体が一気に重くなるというか、漫画でいうと顔が紫色になるというか、ありますね。精神的にいちばんしんどいですね。


怖いというのか。やっぱり有名な方も亡くなっていたりしますし、テレビでも「死者が何名」とか、とにかく怖いですね。食事もふだんの半分くらい(註:ステップ1の『玉弊風散』は食欲低下による免疫力低下を予防してくれます。)かな。必要最小限くらいは食べられていたので、本当は熱が出て食べたくなかったですけど、食べなきゃいけないなと思って食べていましたね。


発熱の感じがずっと同じ体温で、解熱剤が切れたら、また戻る。解熱剤が効いたら、また下がるみたいな、太刀打ちできていない感じ(註:《解熱剤》を服用して、体温の乱高下を引き起こすことで抵抗力を失い、肺炎や敗血症や血栓症を招いて死亡という転帰になった方が多数例報告されています。小島さんは基礎体力があったので、幸いにも生還できたものと思われます。解熱剤の代りにステップ2C『柴葛解肌湯』やステップ3『地竜』という清熱剤を用いることをお勧めしています。《清熱剤(熱さまし)》は《解熱剤》とは異なり、暴力的な体温低下を来さず、免疫力を低下させません。)がありましたね。

でも普通のへんとう炎と言われているから、そういう気持ちもまだ残りつつ微妙な感じでした。

 

よく、けん怠感があるとか話があるんですけど、僕の場合は発熱に際して関節が痛かったりとか、寒気がするとかいうのがあったですね。普通は3、4日したら症状が改善されたりとか復活の兆しが見えるんですが、全く見えなかったので、ずっと毎日同じというか。


何か分からないですし、めちゃくちゃ不安ですよね。やっぱりニュースとかインターネットとか、悪いほうが目に付きますよね。死者が何人出ましたとか、そういう怖い話ばかり頭に入るようになってきて、冷静じゃないといけないんだけどなかなか冷静じゃいられないような気持ちにはなりました。

 

<明日へ続く>

6月24日(水)

 

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セバスチャン・クナイプの生涯と業績(その1)

 

セバスチャン・クナイプは、1821年ドイツに生まれた神父・自然療法士です。彼は、バランスの取れた生活には、定期的な運動、健康的な食事、それに心のバランスが必要だと考えました。今でこそ当たり前となりつつある、ホリスティック(全体論的)な考え方の先駆者でした。

 

Sebastian Kneipp
aus Wikipedia, der freien Enzyklopädie
Dieser Artikel behandelt die Person Sebastian Kneipp

 

フリー百科事典「ウィキペディア」より
この記事では、セバスチャン・クナイプという人物を扱っています

 

Sebastian Kneipp

セバスチャン・クナイプ

 

Sebastian Anton Kneipp (* 17. Mai 1821 in Stephansried in Oberschwaben; † 17. Juni 1897 in Wörishofen) war ein als die Kaltwassertherapie betreibender Hydrotherapeut und Naturheilkundler bekannt gewordener bayerischer römisch-katholischer Priester. Er ist der Namensgeber der Kneipp-Medizin und der Wasserkur mit Wassertreten usw., die schon früher angewandt, aber durch ihn erst populär wurden.

セバスチャン・アントン・クナイプ(* 1821年5月17日に上シュヴァーベンのシュテファンスリートに生まれ† 1897年6月17日にヴェーリスホーフェンにて死去)は、冷水療法を実践した水療法士や自然療法士として知られるようになったバイエルン州のローマ・カトリックの司祭です。彼はクナイプ医学の命名者であり、古くから実践されていた水踏み(註1)などを用いた水治療法は、彼を通して初めて普及した。

 

(註1)

水踏みWassertreten

Hierbei wird in kaltem (leitungskaltem) Wasser auf der Stelle geschritten. (Hinweis: Es wird empfohlen, nur Wasser zu treten, wenn sich die Füße zu Beginn des Wassertretens warm anfühlen.) Ein Bein sollte dabei immer vollkommen aus dem Wasser herausgezogen werden und die Fußspitze etwas nach unten gebeugt werden (der so genannte Storchengang). Nach ca. 30 Sekunden spürt man dann ein starkes Kältegefühl in den Füßen und Unterschenkeln. Dann sollte man kurz das kalte Wasser verlassen, um die Füße wieder zu erwärmen. Diesen Vorgang wiederholt man mehrmals. Nach dem Wassertreten das Wasser lediglich abstreifen (nicht abtrocknen) und zur Erwärmung ein klein wenig Bewegung machen.

身近なところにあるで水(パイプ冷水)で行います。

(注:水を踏み始めに両足が温かく感じる場合は、水を踏むだけにしておくことをお勧めします)。

片脚は必ず完全に水から引き、足の先は少し下に曲げておく(いわゆるコウノトリ歩き)。

30秒ほどすると、足や下腿に冷たさを強く感じるようになります。その後、冷水を手短に残して再び足を温めましょう。これを数回繰り返します。水を踏んだ後は、水気を拭き取って(乾かないように)、足を少し動かして温めるだけでOKです。

 

Wassertreten kann man in einer Badewanne oder Duschwanne, in kühlen Bachläufen, an seichten See- oder Flussufern oder in zum Wassertreten hergerichteten „Moormatschbecken“ (wenn das Wasser im Frühjahr, in kühlen Sommern oder im Herbst hinreichend kühl ist).

水踏みは浴槽やシャワートレイの中や、冷涼な小川の流れの中、あるいは浅い湖や川の岸辺で、あるいは(春、涼しい夏、秋に水が十分に冷えていれば)
整備された「泥湿原」でもすることもできます。

 

 

Leben

生涯

 

Kindheit und Jugend

幼少期と青年期

 

Sebastian Kneipp wurde am 17. Mai 1821 im bayerisch-schwäbischen Stephansried (heute Ortsteil von Ottobeuren) als Sohn des Webers Xaver Kneipp und dessen Frau Rosina geboren. Er hatte zwei Schwestern und zwei Halbschwestern. Die Familie war arm, sodass er schon als Elfjähriger beim Vater am Webstuhl oder als Viehhirte des Dorfes arbeiten musste. Von 1827 bis 1833 besuchte Kneipp die Dorfschule in Stephansried und von 1833 bis 1839 die Sonn- und Feiertagsschule in Ottobeuren. Nachdem sein Elternhaus abgebrannt und dadurch seine Ersparnisse in Höhe von 70 Gulden verloren gegangen waren, verließ er den Heimatort und fand eine Anstellung als Knecht in Grönenbach. Ein weitläufiger Verwandter, Kaplan Matthias Merkle, nahm sich seiner an, unterrichtete ihn in Latein und bereitete ihn so auf das Gymnasium vor. In Grönenbach lernte er auch den evangelisch-reformierten Ortspfarrer und Botaniker Christoph Ludwig Köberlin kennen, der ihn in die Pflanzenheilkunde einführte.

セバスチャン・クナイプは1821年5月17日、バイエルン・シュヴェーバー州のシュテファンスリート(現在のオットーボイレンの東部地区)で、織工のザフェェル・クナイプと妻ロジーナの息子として生まれた。彼には二人の姉と二人の異母姉がいた。家が貧しかったので、11歳の時には父親のために機織り職工として働いたり、村の牛飼いとして働いたりしなければならなかった。1827年から1833年まではシュテファンスリートの村立学校に、1833年から1839年まではオットーボイレンの日曜・休日学校に通った。両親の家が全焼し、70グルデンの預金を失った後、彼は故郷の村を離れ、グレーネンバッハで農作業員として働き始めた。遠い親戚の牧師マティアス・メルクレが彼の世話をし、ラテン語を教えてくれたので、ギムナジウム(註2)に通う準備ができた。グレーネンバッハでは、プロテスタント改革派の地元の牧師であり、植物学者でもあるクリストフ・ルートヴィヒ・ケーバーリンと知り合い、彼から薬草学(註3)の手ほどきを受けた。

 

1844 wurde Kneipp in die die königliche Studienanstalt Dillingen aufgenommen. 1848 begann er am Dillinger Lyzeum (von 1923 bis 1971 Philosophisch-Theologische Hochschule Dillingen) ein Studium der Theologie.

1844年、クナイプはディリンゲン王立学院に入学した。

1848年にはディリンジャー高等学院(1923年から1971年までディリンゲン哲学神学大学)で神学を学び始めた。

 

(註2)

ギムナジウムGymnasium
大学進学を前提としたドイツの中等教育機関。16世紀ドイツの古典語学校に個の名称が使われるようになった。1812年の「ギムナジウム卒業試験規定」によって、大学の準備教育機関として確定した。クナイプはこの制度が確立した草創期にラテン語を学んだことがわかる。現在は古典語系の他に、現代語系、数学・自然科学系がある。

(註3)

薬草療法(ハーブ療法)Pflanzenheilkunde

Die Pflanzenheilkunde (oder Phytotherapie, auch Kräutermedizin genannt) ist die Lehre der Verwendung von Heilpflanzen als Phytotherapeutika genannte Arzneimittel. Mit der Erforschung und Herstellung von Phytotherapeutika befasst sich die Phytopharmazie.

薬草療法(または植物療法、あるいは薬草医学とも呼ばれる)は、薬物療法学と呼ばれる医薬品としての薬用植物の応用学です。植物薬局は、植物療法学の研究と治療に関与している。

 

Traditionelle Phytotherapie in europäischen Ländern

欧州諸国の伝統的植物療法

 

Die traditionelle Phytotherapie war bis 1800 in Europa unumstößliche Grundlage für alle Arzneibücher, geriet aber durch das Aufkommen der Naturwissenschaften auf ein Nebengleis. Mit der Entwicklung der naturwissenschaftlich orientierten Medizin seit dem frühen 19. Jahrhundert wurden aber auch pflanzliche Arzneimittel vermehrt Gegenstand der wissenschaftlichen Analyse. Die traditionelle Phytotherapie ist eine Therapierichtung, die sich primär auf überlieferte Erfahrungen stützt (Volksheilkunde). Dabei kann eine volkstümliche bzw. traditionelle Verwendung je nach Land unterschiedlich begründet sein. In der EU gibt es schätzungsweise 29.000 auf Pflanzenheilkunde spezialisierte Heilpraktiker.

1800年までは、伝統的な植物療法はヨーロッパのすべての薬局方の根拠となっていたが、自然科学の出現によって主流ではなくなった。しかし、19世紀初頭からの科学的志向の医学の発展に伴い、生薬も科学的分析の対象となることが多くなった。伝統的な植物療法とは、主に伝統的な経験(民間療法)に基づいた治療法である。民俗的または伝統的な使用は、国によって理由が異なる場合がある。EUでは、薬草を専門とする約29,000人の代替医療従事者がいると推定されている。クナイプが薬草療法を学んだ19世紀前半は、伝統的な療法の上に近代科学が導入されはじめた過渡期にあったことが推測される。

 

 

6月24日(水)
   


低Ca血症と低P血症と内分泌異常(副甲状腺機能障害など)

 低カルシウム血症
低Ca血症は特異的な自覚症状に乏しいので見落とされやすい電解質異常です。しかし、血清Ca値は厳密に調節されているため、軽度の異常でもCa代謝調節機構の異常を考えなくてはなりません。鑑別診断が重要であり、Ca、P、Mg;Alb、Cr;25(OH)D、1,25(OH)₂D値;PTH等の測定を行います。とくにPTH値から原因が副甲状腺か否かを判断し、頻度の多い原因から鑑別していきます。低Ca血症の治療は活性型ビタミンD製剤による治療が主体です。

 低リン血症
低P血症は、血清Pi濃度が2.5㎎/dl未満になることです。日内変動があるため、早朝空腹時に採血することになります。また食事によりインスリン分泌が促進されると、血中のPiは細胞内に取り込まれるため、食後には一過性に血清Pi濃度は低下します。

慢性低P血症の原因疾患

1) ビタミンD作用不全
2) 腎尿細管障害(腎尿細管性アシドーシス等)
3) FGF23作用過剰
FGF23は、血中Pi濃度を低下させるとともにビタミンD活性化を抑制するホルモンです。

低P値症との関連が深い内分泌疾患は、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)関連低P血症性くる病・骨軟化症と原発性副甲状腺機能亢進症です。血清FGF23の測定、抗FGF抗体のブロスマブ

ビタミンD作用の著しい不足がなければ、通常の食生活でP級数が不足することはありません。したがって、生体におけるP恒常性は、主に腎におけるP再吸収の調節を通じて維持され、腎尿細管でのP再吸収が障害されると血清Pi濃度は低下します。腎機能が正常な場合にはP代謝障害がもんだいとなうことは稀ですが、Pの細胞内への急速な移行によっても低P血症をきたすことがあります。

低P血症をもたらす内分泌疾患

1) 原発性副甲状腺機能亢進症
PTH作用の過剰をもたらすため
2) ビタミンD欠乏症・作用不全は、腸管からのP吸収が低下させ、また続発性副甲状腺機能亢進症によるPTH作用の過剰により、腎尿細管でのP再吸収を抑制するため
3) クッシング病・クッシング症候群
糖質コルチコイドの過剰は、腎尿細管でのP再吸収を抑制するため

低P血症がもたらす疾患

1) 低P血症性くる病・骨軟化症
2) 腫瘍性骨軟化症
3) 伴性優性低P血症性くる病・骨軟化症

6月24日(水)
水氣道

 

前回はこちら


水氣道の定例稽古会場の再開および再建計画

 

水氣道稽古再開計画は概ね順調に進んでいます。
9日、12日の中野支部(鷺宮会場)定員5名に続き、13日の新宿支部(ハイジア会場)定員10名中9名の予約参加による稽古を実施しました。

 

また、再開第二週目の16日、19日の中野支部(鷺宮会場)定員5名も予定通り、20日の新宿支部(ハイジア会場)定員19名の予定のうち16名の予約参加による稽古を実施しました。

 

さらに、すでに再開第三週目に入りましたが、23日、26日の中野支部(鷺宮会場)定員5名も予約が確定し、27日の20日の新宿支部(ハイジア会場)は全面貸し切りで定員20名で実施する予定です。

 

6月中は支援員⇒修錬生⇒訓練生までの参加を拡大しています。訓練生も特別訓練生(准3級)⇒高等訓練生(4級)⇒中等訓練生(5級)⇒初等訓練生(6級)と次々に復帰し、復帰調整として、親水航法を中心に行なっています。

 

稽古は1時間以内として、新規再開者は専用の班で稽古をはじめていただいております。

 

この間、稽古指導体制が順調に再稼働し、7月3日以降は、体験生を含め、すべての階級の皆様の参加が可能となる見込みです。ただし、今後の稽古は、定員を設定し、すべて事前登録制となりますので、早めのお問合せを御願い致します。
 

6月23日(火)



取材報道<NHK特設サイト 新型コロナウイルス>から学ぶ14症例の研究
新型コロナウイルスに感染したとき、どんな事態に直面するのか。感染した人や家族の話を通して、その一端を知るため、NHKが行ったインタビューの内容をできるかぎり詳細にお伝えします。

 

以下は、取材記事を下敷きとし、加筆や編集部分は赤もしくは緑文字として区別しました。



4月21日取材 さいたま放送局 古市駿


新型コロナウイルスに感染した当事者だからこそ感じたことを伝え、正しい理解を広めたい。埼玉県川越市の小島大補さん(37)は、その思いから実名で証言してくれました。語られたのは病気の怖さや家庭内感染の不安、そして感染者に対する偏見への懸念でした。


コメント:実名で写真付きでの取材に応じた勇気と貴重な体験談に感謝します。以下、小島さんと呼ばせていただきます。

 

症例12(その1)

 

第1節:備えていたのに… 
人と接する飲食店経営。できる対策はやっていたという


新型コロナウイルスにかかるかもな(註:このような思いを抱きながら努力を続けて、結局罹患してしまった、というケースは医療従事者にも多いです。)というのは思っていました。

人と接する機会も多いですし、すぐには終息しないだろうなというのも思っていて、これからもどんどん増えるなとは思っていました。

 

こんなに早くかかるとは思っていなかったんですけど、なるべく注意するようにするとか健康にいるようにはしたんですけど、それでもかかってしまうというか難しい病気というか、大変ですよね。

なので、ふだんからできることは全部していて、手洗い、うがいもそうですし、マスクも着用したりですとか、あと特に遊びに行くということは控えていました。仕事の用事以外では動かないようにしていたので。仕事場の換気はもちろんですし。

 

感染の経路は、はっきりしていない(註:感染経路が明確でないケースが多いのはCovid-19の問題点の一つです。その理由は、感染者のすべてが発症するわけではないこと、発症者が出て濃厚接触者が特定されても、PCR検査の実施が限られているからだと思います。)んですけど、仕事がですね、飲食店と小売りを一緒にやっているようなお店で、カウンターにお客さんが座るというようなこともあったので、どう考えても、つばが飛ぶような距離ではあった(註:リスクのある現場であることの認識があっても、それに見合った対処行動がとれない限り、リスクは少しも軽減されない、という典型的な具体例の一つであるといえるでしょう。)ので、やっぱりずっと怖かったなというのもありますし、それをやらないと仕事にならないし、難しいところですよね(註:せめて、この段階から杉並国際クリニックの推奨生薬セットのステップ1:『玉弊風散』を開始していただければ、と思いました。)


店ではコーヒーとか、お酒とかも提供しているんですけど、みんなが集まれる場所がなくなったら精神的につらいんじゃないかなと思って、新型コロナウイルスにかかることよりも、自分が普通にしているということが大事なんではないかなと思った部分もあります。

お客さんのために(註:小島さんのお店は禁煙または分煙がなされていたのでしょうか。お客さんのためという思いやりのために禁煙にしないで頑張っている喫茶店が高円寺にもあります。残念ながら、これはお客さんのためには決してなりません。また、マスクをしないで夫婦で営業している食堂も近所にあります。しかも、喫煙可です。いずれの店舗もワンルームで小規模かつ三密です。私は、以前から、親しくしていたので、それとなく勧告していたのですが、いずれも聞き入れていただけませんでした。いずれも世間的には良い人たちなのですが、医師である私にとっては残念な人々です。それ以来、いずれにも足を向けないようにしております。)怖いけど仕事しないといけない(註:医療従事者も同様ですが、恐怖を感じながら仕事を続けていると免疫力と注意集中力とが共に低下し、感染リスクを増大させてしまう可能性を増やしてしまったのではないかという事例が目につきます。)

 

<明日へ続く>

6月23日(火)

 

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«Внутрисосудистое свертывание крови при COVID-19 определяет весь ход болезни»
"COVID-19での血管内凝固が疾患の全経過を決定する"

 


5 Июня 2020

2020年6月5日

 

 

Беседа с академиком А.Д. Макацария, крупнейшим специалистом в области клинической гемостазиологии

臨床止血学の最高峰の専門家であるアカデミアA.D.マカッツァリア氏にインタビュー

 

– Но ведь не у всех пациентов развивается сепсис и септический шок?

- でも、すべての患者さんが敗血症や敗血症性ショックを発症するわけではありませんよね?

 

– Конечно, не у всех. Поэтому очень актуальным и далеко не изученным в настоящее время является механизм патогенеза осложнений, вызванных коронавирусной инфекцией. Во многом это обусловлено особенностями вируса, а также особенностями организма человека, начиная от количества и качества рецепторов, представленных у человека и их способностью связываться с этим вирусом. Безусловно, на исходы заболевания огромное влияние оказывает коморбидность, то есть наличие сопутствующих хронических заболеваний у пациента.

- もちろん、すべての患者さんがそうではありません。したがって、コロナウイルス感染による合併症の発症メカニズムは非常に関連性が高いのですが、現在のところ研究がまだ進んでいません。これは、ヒトに代表される受容体の量と質、そしてウイルスと結合する能力に始まる、ウイルスの特異性によるところが大きいです。もちろん、疾患の転帰は、併存性、すなわち患者の慢性疾患の併存の有無に大きく影響されます。

 

– Почему, по вашему мнению, эта особенность течения болезни проявилась не сразу?

- この病気の流れの特殊性がすぐには現れなかったのはなぜだと思いますか?

 

- Я считаю, что все это проявилось сразу, но не было адекватно оценено врачами изначально: еще не было такого количества вскрытий и широкого тестирования на гемостазиологические маркеры. Надо сказать, мы занимаемся изучением этой проблемы довольно давно, практически с самого начала эпидемии. Еще в самом начале апреля мы опубликовали работу, основанную на первых наблюдениях наших китайских коллег. Работа называлась «COVID-19 и синдром диссеминированного внутрисосудистого свертывания крови». Она имела чрезвычайно широкий резонанс, поскольку уже тогда врачи начали понимать роль свертывающей системы крови в инфекционном процессе.

- 私は、このすべてのことは直ちに自明なものと考えていますが、当初は医師たちが十分に吟味していなかったと考えています:まだそれほど多くの解剖や止血マーカーの大規模な検査は行われていませんでした。この問題は、ほぼ流行当初のかなり前から研究されてきていると言わざるを得ません。4月初旬に、私たちは中国の同僚の最初の観察結果に基づいた論文を発表しました。研究題名は「COVID-19と播種性血管内凝固症候群(DIC)」。それは非常に広範な反響があって、当時すでに医師たちは感染プロセスにおける血液凝固システムの役割を理解し始めていました。

 

– Каков механизм тромбообразования при covid-19 и отличается ли он от этого процесса при других патологиях?

- covid-19の血栓症のメカニズムはどのようなもので、他の病態ではこのプロセスとは異なるのでしょうか?

 

– Это очень непростой вопрос. На сегодняшний день однозначно можно утверждать – при этом вирусе с самого начала имеет место активация гемостаза, внутрисосудистое свертывание крови и тромбообразование в сосудах мелкого калибра жизненно важных органов. При этом повреждаются не только легкие, а блокада микроциркуляции и ее необратимый характер определяют исход заболевания. Позднее начало антикоагулянтной терапии является неблагоприятным фактором. Причем этот процесс внутрисосудистого свертывания в капиллярах легкого играет важную роль в развитии острого респираторного дистресс-синдрома (ОРДС), о котором все говорят. Но далеко не все с самого начала уловили связь между внутрисосудистым свертыванием крови и ОРДС.

- これは非常に難しい質問です。今日では、ウイルスが最初から、生命維持に必要な臓器の毛細血管の止血、血管内血液凝固(註1)、血栓症(註2)を活性化することは間違いありません。肺の損傷だけでなく、微小循環の遮断とその不可逆性が結果を左右します。抗凝固療法(註3)の開始時期が遅いことが好ましくない要因となっています。そして、この肺毛細血管内の血管内凝固の過程が、誰もが言及する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)(註4)の発症に重要な役割を果たしているのです。しかし、誰しもが最初から血管内凝固とARDSの関連性が形成されているわけではありません。

 

(註1)

血管内血液凝固/播種性血管内凝固症候群(DIC)とほぼ同義。

(註2)

血栓症/ 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などに代表される病気である。人間の命を奪うこともある怖い病気でもある。
血栓症の特徴は、以下の点をあげることができます。

① しばしば突然発症(しばしば発症直前まで無症状):まさにある日、突然に発症する。極言すれば、発症する1秒前まで無症状であり、健康に思える人が、一瞬にして重症の病気になる。

②しばしば不可逆的な機能障害が残存:血栓症を発症した後も、治療を継続するが、治療後もしばしば麻痺が残り、最悪の場合は死に至ることもある。

③ しばしば再発(再発に伴い機能障害が進展):無治療の場合だけでなく、適 切な治療をしても、しばしば再発する。再発を繰り返すごとに、機能麻痺が進行する。
⇒このような血栓症に対する対応をどうすればよいでしょうか。 やはり発症してしまうと手遅れになることが少なくないので、発症する前に予知できるとよいです。
どうすればよいでしょうか? 臨床検査医学的な手法(血液検査)により、ある程度血栓症の発症を予知することが可能ではないかという考え方があります。

 

(註3)

抗凝固療法/抗凝固薬を用いて血液の凝固能を低下させ心臓,動脈や静脈,体外循環回路内の凝固を阻止する治療法をいう。適応として,脳,心,肺など主要臓器の血栓による虚血性疾患,上下肢の急性動脈閉塞など,また静脈系では深部静脈血栓症に用いられるほか,体外循環では血液凝固を防止するために不可欠である。代表的な薬剤としてヘパリンやワーファリンがあるが,ヘパリンはまた抗トロンビン作用で,ワーファリンはビタミンKに拮抗して血液凝固を抑制する。類似の治療法として,アスピリンなどによる抗血小板療法,ウロキナーゼ, tPA(tissue plasminogen activator)などによる血栓溶解療法がある。

 

(註4)

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)/ 肺炎や敗血症などがきっかけとなって、重症の呼吸不全をきたす病気である。さまざまな原因によって肺の血管透過性(血液中の成分が血管を通り抜けること)が進行した結果、血液中の成分が肺胞腔内に移動して肺水腫を起こす。現在この病気の原因は、直接肺を障害するものと、間接的に肺を障害するものに大別される。直接肺を障害するものとして、肺炎や胃酸の誤嚥(ごえん:食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうこと)、肺挫傷、溺水などが挙げられ、間接的に肺を障害するものとして、敗血症や重症な外傷、大量輸血などが挙げられる。

⇒治療法について。原因疾患の治療が最優先だが、さまざまな疾患から発症するために病態(病気の状態)が複雑であり、根本的な治療法がない。細菌感染症によるものである場合、肺炎や敗血症に対する適切な抗生物質を服用することは当然不可欠である。それに、人工呼吸管理、薬物療法、全身管理を含め、複数の治療法を組み合わせた治療が必要となる。
 

治療法については人工呼吸管理法と薬物療法に大別される。人工呼吸管理法としては、肺保護戦略(肺にやさしい治療法)として、少ない一回換気量(一回の呼吸で出入りする空気の量)で呼吸管理を行う「低用量換気法」が推奨されている。そのほかにも、さまざまな換気方法や体外式肺補助装置(ECMO)の装着が試みられている。また、集中治療室で行われる方法ですが、人工呼吸管理下でうつ伏せに体位変換を行う腹臥位換気法(ふくがいかんきほう)も有効であるとされている。
 

薬物療法として、単独で病状を改善させる特効薬のような薬剤は存在しない。そこで個々の病態に応じて一酸化窒素吸入、ステロイドホルモンや好中球エラスターゼ阻害薬の使用、血液を固まりにくくする薬物を使用する抗凝固療法などを選択して治療を行う。

 

 

В западной литературе даже появился термин «легочная интраваскулярная коагуляция». Практически во всех случаях имеет место активация системного воспалительного ответа. Это общебиологическая реакция, которая особенно проявляется в ответ на инфекцию, вирусные возбудители. Международные организации признали, что коронавирусная инфекция – это сепсис.

欧米の文献には「肺血管内凝固」という言葉まで登場しています。ほとんどの場合、全身性の炎症反応の活性化があります。これは一般的な生物学的反応であり、特に感染症、ウイルス性病原体に反応して発現します。国際機関は、コロナウイルス感染症は敗血症であると認識しています。

 

С другой стороны, международная организация по тромбозу и гемостазу в абсолютном числе случаев признала наличие ДВС-синдрома у тяжелых больных с COVID-19 . Сочетание сепсиса и коагулопатии – это септический шок. Еще китайские коллеги указывали, что в 92% случаев больные умирают от септического шока. Конечно, нельзя отрицать, что наряду с вирусом причиной септического шока может быть присоединение вторичной бактериальной инфекции. У больных COVID-19 и нарушениями в системе гемостаза, как правило, имеет место гиперферритинемия, которая возникает при критических состояниях как реактант острой фазы воспаления и характеризуется цитокиновым штормом вследствие гиперактивации макрофагов и моноцитов. Вследствие этого вырабатывается большое количество ферритина – сложного белкового комплекса, выполняющего роль основного внутриклеточного депо железа у человека и животных. В данном случае это всегда белок острой фазы, маркер тяжелого воспаления, а вовсе не показатель перегрузки железом, как можно подумать на первый взгляд.

一方、国際血栓止血機構は、COVID-19の重症患者におけるDIC症候群の存在を絶対数で認めています敗血症と凝固症の組み合わせは敗血症性ショックです。別の中国人の同僚は、92%の症例が敗血症性ショックで死亡したと指摘しています。もちろん、ウイルスとともに、敗血症性ショックの原因に二次的な細菌感染が加わっている可能性も否定できません。COVID-19および止血系の障害を有する患者は、通常、高フェリチン血症(註5)を有しており、これは、急性期の炎症反応物質として重篤な状態で発生し、マクロファージおよび単球の過剰活性化によるサイトカイン・ストーム(サイトカインの嵐)を特徴とします。その結果、フェリチンが大量に産生されますが、このフェリチンは、ヒトや動物の細胞内の主要な鉄分貯蔵庫として機能する複合タンパク質です。この場合、常に急性期のタンパク質であり、重度の炎症のマーカーであり、一見して鉄分過多の指標ではありません。

 

(註5)

高フェリチン血症/ フェリチンは鉄貯蔵蛋白であり, 血清フェリチンは生体内の鉄貯蔵量を反映することから鉄欠乏や鉄の過剰状態の把握に使われてきた。しかし, 貯蔵鉄の増加を反映しない高フェリチン血症が種々の炎症性疾患および悪性腫瘍に見出されている。これらの疾患において, 血清フェリチン増加のメカニズムが解析され, いくつかの炎症性サイトカインおよび一酸化窒素の関与が指摘されてきている。高フェリチン血症は単なる結果をみているのではなく, 種々の反応を通して積極的に病態形成に関与する可能性がある。

 

 

Таким образом, цитокиновый и тромботический шторм усугубляют состояние больного и определяют степень тяжести. Но есть и особенности. Возможно, при COVID-19 в первую очередь повреждается фибринолиз – часть системы гемостаза, которая обеспечивает процесс разрушения уже сформированных кровяных сгустков, тем самым, выполняя защитную функцию предотвращения закупорки кровеносных сосудов фибриновыми сгустками. Отсюда синдром фибринирования при меньшей частоте геморрагических осложнений. И отсюда же открывается перспектива применения тромболитиков, о чем сейчас так много говорят и пишут. А впервые предложили такую схему наши американские коллеги.

このように、サイトカインおよび血栓性ストームは、患者の状態を悪化させ、重症度を決定します。しかし、特徴もあります。COVID-19は、止血系の一部である線溶(繊維素熔解)系(註6)を主に損傷し、すでに形成された血栓を破壊する道筋を作り、それによって血管がフィブリン塊で詰まるのを防ぐための保護機能を果たしている可能性があります。これが出血性合併症の頻度が低いフィブリン(註7)症候群。そして、これもまた、これだけ話題になっている血栓溶解の展望を開き、これは今盛んに議論され論文も書かれています。そして、アメリカの同僚がこのような理論図式を提案したのは初めてのことです。

 

(註6)

線溶(繊維素熔解)系/生体血液中において,血液凝固系の亢進による血栓形成を抑制する役割を担う機構。プラスミノーゲンがプラスミノゲンアクティベータによりプラスミンに活性化され,プラスミンが凝固したフィブリンを分解することにより発動する。

 

(註7)

フィブリン/血漿蛋白の一つのフィブリノーゲンがトロンビンの作用によって重合して形成されたものであり、急性炎症時の滲出液や漿膜面、血栓内において細い線維状のものが網状ないし融合した状態で認められる。

 

6月23日(火)

 

前回はこちら

 

低K血症と内分泌異常(ミネラルコルチコイド過剰、Cushing症候群など)

 

低カリウム血症を来す疾患として、経口摂取による影響で発症するバセドウ病による周期性四肢麻痺や低マグネシウム血症の他に、原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧ならびにクッシング症候群・サブクリニカルクッシング症候群といった内分泌疾患があります。低K血症は、内分泌疾患に随伴することが多いです。

 

低カリウム血症の臨床症状は、筋力低下、尿濃縮障害による多尿および脱水ならびに耐糖能異常といった多臓器への影響があります。

 

重篤で生命の危機に陥る可能性がある場合としては、呼吸筋障害による呼吸不全、横紋筋融解症による腎不全、QT延長症候群による心室細動などがあります。

 

低K血症の診断アルゴリズムの最初のステップは尿中K濃度の測定です。
尿中K排泄<20mEq/L⇒K摂取不足、下痢;甲状腺機能亢進症、家族性周期性四肢麻痺
尿中K排泄≧20mEq/L⇒血圧上昇があればレニン・アルドステロン系異常
正常であれば酸・塩基平衡(アルカローシスかアシドーシスか?)

 

高血圧を伴うレニン・アルドステロン異常の病態分類:
レニン・アルドステロンが共に上昇

⇒腎血管性高血圧、レニン産生腫瘍

 

レニン・アルドステロンが共に低下

⇒先天性副腎過形成、クッシング症候群、
Liddle症候群、AME症候群、DOC産生腫瘍
レニン低下・アルドステロン上昇⇒原発性アルドステロン症

 

 

低Kを来すアシドーシス⇒アルコール過剰、糖尿病ケトアシドーシス;
遠位尿細管アシドーシスⅠ・Ⅱ型

低Kを来すアルカローシス

⇒嘔吐、利尿薬使用;Bartter症候群、Gitelman症候群

 

 

❶ 食事・飲酒と低K血症

一般に、食事・飲酒は内分泌と密接な関係があります。特に炭水化物やアルコールの過剰摂取は、低K血症を増悪させる可能性があります。

 

・慢性アルコール摂取に伴う低K血症
アルコールの過剰摂取は、電解質の摂取不足と尿細管障害に伴う電解質排泄亢進により低K血症と低Mg血症をもたらします。また、アルコール過剰摂取による代謝性アシドーシスの補正のために、アドレナリン作用の亢進と呼吸性アルカローシスによるKの細胞内シフトによって、ますます低K血症が進むことになります。

なお低Mg血症はK排泄を亢進させます。低K血症の治療のためには、KのみならずMgの評価に基づき、必要に応じて補正する必要があります。

 

 

・低K血性周期性四肢麻痺 ATPase
これはバセドウ病に伴う低K血症です。甲状腺ホルモン作用により、交感神経β刺激に対する組織の反応性が亢進し、骨格筋膜におけるNa⁺ K⁺ATPaseが活性化すると考えられています。炭水化物摂取量が多い場合、多量に分泌されたインスリンによってNa⁺ K⁺ATPaseが更に活性化し、低K性ミオパチーを呈することがあります。

 

 

 

❷ 低K血症をもたらす内分泌異常

1) 原発性アルドステロン症(PA)

① PAを疑うべき症例:低K血症合併高血圧、若年発症高血圧、Ⅱ度以上の高血圧、治療抵抗性高血圧、副腎偶発腫瘍を伴う高血圧、若年の脳血管障害合併高血圧、ならびに睡眠時無呼吸を伴う高血圧

② スクリーニング:アルドステロン/レニン比(ARR)算出
ARR(PRA)>200、ARR(ARC)>40~50;PAC>120pg/ml⇒PA⊕
PRA:血漿レニン活性、ARC:活性型レニン濃度、PAC:血漿アルドステロン濃度

 

③ 診断:機能確認検査; a)生理食塩水負荷試験、b)カプトリル試験、
c)経口食塩負荷試験、d)フロセミド負荷試験(転倒注意)

局在診断;

副腎静脈サンプリング(AVS)
片側性⇒アルドステロン産生腫瘍(APA)
両側性⇒特発性アルドステロン症(IHA)
  

④ 治療:MR拮抗薬(スピロノラクトン、エプレレノン、エサキセレノン)

 

 

2) 腎血管性高血圧(RVHT)

① 原因:若年者では線維筋性異形成、中・高年者では粥状動脈硬化
RVHTを疑うべき症例:低K性高血圧、若年発症高血圧、治療抵抗性高血圧、RA系阻害薬開始後の腎機能増悪、説明のつかない突然発症型肺水腫、脳心血管病合併例、腹部血管雑音、夜間多尿

 

② 機序:アルドステロン増加による低K血症

 

③ スクリーニング:PAC↑かつPRAorARC↑⇒RVHT⊕

 

④ 診断:腎動脈エコー(ドプラ―法)、MRアンジオグラフィー

 

⑤ 治療:粥状動脈硬化性⇒薬物療法(ACE阻害薬orARB少量開始、Ca拮抗薬補助)、両側性では禁忌

線維筋性異形成性⇒腎動脈血行再建法

 

 

3)クッシング症候群(CS)・サブクリニカルCS
① 症状:高血圧、低K血症、高血糖や脂質・骨代謝異常等はサブクリニカルCSでも見られます。CSの身体的変化(クッシング徴候)は、中心性肥満、満月様顔貌、野牛肩、赤色皮膚線状、皮下出血、皮膚菲薄化
  

② 分類:ACTH非依存性CS⇒副腎皮質腺腫・副腎癌、

ACTH依存性CS

⇒クッシング病(下垂体からACTH過剰分泌)、異所性ACTH産生細胞(肺小細胞癌など)
  

③ 機序:CSでは、コルチゾール過剰状態によって肝におけるアンジオテンシノーゲンの合成が亢進し、血中アンギオテンシンⅡが増加します。
  

④ スクリーニング:

クッシング徴候の検出と問診で医原性CSを除外
CS/SCSを疑う場合には、コルチゾール、ACTHは日内変動が大きいため基礎値を測定します。

 

⑤ 診断:

CSについて、まず以下の検査でクッシング症候群の診断を確定します。

a ) 尿中遊離コルチゾール(UFC)高値

b)デキサメサゾン1㎎抑制試験(8:00am血清コルチゾール濃度>5μg/dL)

c)夜間血清コルチゾール濃度>5μg/dL

次いで血漿ACTH濃度を測定し、

<5pg/mL⇒抑制⊕

⇒副腎CT(副腎腺腫、副腎癌、両側副腎過形成)

 

≧5pg/mL⇒抑制⊖

⇒下垂体MRI:腫瘍径≧6㎜
オーバーナイト・デキサメサゾン8㎎抑制試験
(8:00am血清コルチゾール濃度<前値の50%)
CRH試験:ピークの血漿ACTH濃度>前値の1.5倍

以上のすべてが⊕⇒クッシング病

 

両側下錐体静脈洞サンプリングにて

c/p<2(基礎値)、c/p<3(CRH)

 

⑥ 治療:

腫瘍核出術等、術後はヒドロコルチゾン(ミネラルコルチコイド作用も有するため)補充後漸減

 

<明日へ続く>